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開発組織みんなで課題と向き合う!Value Stream Mapping(VSM)ワークショップの取り組み

はじめに

はじめまして、Micoworks プロダクト開発統括本部でDevHRを担当している岡野です。

独立系SIer、Sansan株式会社を経て2022年8月にMicoworksに入社しました。
DevHRは私が入社するタイミングで立ち上げとなった部署でプロダクト開発統括本部の組織づくりや取り組みについての情報発信(技術広報)、エンジニア採用などにコミットする役割を担います。

今回はDevHRの初めてのエントリとして、8月に実施したプロダクト開発組織のオフサイトミーティングの取り組みについて紹介したいと思います。

オフサイトミーティングとは?

オフサイトミーティングとは「普段の勤務地や仕事場とは別の場所で行う会議」のことです。
日常的な業務環境とは異なるところに集合して、別に業務改善や組織のための施策についてディスカッションすることを指します。

今回のオフサイトミーティングのアジェンダについて

Micoworksのプロダクト開発組織は主に東京・大阪にメンバーが分かれているため、今回もそれぞれにあるWeWorkのミーティングルームを押さえて、同じ時間に開催し、以下のアジェンダで実施しました。

  • ゲストや新規加入メンバーの紹介

  • 各メンバーのここ1か月の取り組み共有

  • プロダクトから全社への取り組み情報共有会の振り返り

  • プロダクトカルチャーBoardの取り組み状況について共有

  • Value Stream Mappingのワークショップ

今回のエントリでは、Value Stream Mappingのワークショップについてピックアップして紹介します。それ以外のアジェンダについては、こちらの前回のエントリに詳細が書かれているので省略します。

Value Stream Mappingに取り組むことになった背景

Value Stream Mappingとは?

まず、Value Stream Mapping とはどういったものかを簡単に記載しておきます。
Value Stream Mappingとは、生産や物流、ソフトウェア開発などの工程を改善する際に、現状を把握し将来のあるべき姿を明確にするために作るプロセス図のことです。

  • Value Stream Mappingのイメージ

また、Value Stream Mappingの効果としては以下のものがあげられます。

  • プロセスの流れを見える化できる

  • チームで作ることで共通認識を持てる

  • 現状(As Is)とあるべき姿(To Be)のValue Stream Mappingを比較し、改善ポイントを見つけることができる

  • 時間を記録し、ボトルネックを見つけることができる

  • 計測を継続し、改善効果を検査できる

背景

組織改善について議論するプロダクトカルチャーBoardのミーティングの中で、自分たちの提供しているプロダクトがどういった企業価値 / 顧客価値につながっているのか理解を深めたいと話題が挙がりました。
その議論の中でバリューチェーンを理解するには、Value Stream Mappingに取り組むのがよいのでは?というCTOの久森からの提案で今回のワークショップの実施が決まったという流れです。
また、プロダクト開発組織に所属するメンバーは2022年度に入社したメンバーも多いことも背景の1つになります。

社歴の浅いメンバーが多いまだまだ若い組織なので、チームづくりには経験豊富な外部講師の方の力をお借りしてワークショップを開催することになりました。強いチーム体制を作るために色々な取り組みを進めています。
今回は、レッドジャーニーの中村洋 (@yohhatu) さんにご支援頂きました。

ワークショップに参加したメンバー

プロダクト開発組織は、プロダクト開発統括本部とプロダクト企画統括本部の2つの部署で構成されています。

今回は、プロダクト開発統括本部に所属するCTO / エンジニア(バックエンド、フロントエンド、SRE、QA) / DevHRとプロダクト企画統括本部に所属するCPO / PMO / PdM / PMM / デザイナー と開発に携わる幅広いポジションの方が参加しました。

ワークショップの流れ

次にワークショップの流れについて紹介します。

1. 参加メンバーでValue Stream Mappingについて理解する

最初にワークショップに参加しているメンバーでValue Stream Mappingの概要について理解し、どのようなフレームワークか認識を揃えました。

2. Value Stream Mappingで書く対象について決める

最初は自分たちが関わっているプロダクト(MicoCloud)を対象にするのが良さそうという声が挙がりました。開発案件が企画されてからリリース / 運用されるまでの流れについて整理するイメージです。

しかし、プロダクトに関するものを対象にするとValue Stream Mappingに対する理解度、プロダクトの開発サイクルの理解度などに個々人の差があり、最初に取り組むには難易度が高いという結論になりました。

そこでもう少し参加者全員にとって身近なお題目がわかりやすいという方針になり、ときどき発生する障害対応時のフローを可視化してみることに決まりました。

3. 対象のAs Isを書いてみる

今回はMiroを利用してValue Stream Mappingを書いてみました。まずは、障害が発生した際に発生する事象や関係者を個々人でふせんに書き出し、時系列に並べてフローの全体像を可視化していきました。
ふせんに記載された事象に対して確認したいことやわからないことがあれば、コメントを追加してみんなで意識合わせすることも実施しています。

以下のキャプチャが実際に作成したもの一部です。

4. 対象のTo Beを書いてみる

As Isで整理したフローをコピペして、本来のありたい姿に並び替えて新たなフローを作る作業になります。
今回はワークショップの時間を2hで確保していたのですが、時間が足りず本来のありたい姿を描き切るところまでは進むことができませんでした。

5. ワークショップを実施してみての振り返り

最後に以下の3つの観点で個々人に振り返ってもらい、みんな一言ずつ話してワークショップは終了しました。

  • わかったこと

  • これからしてみたいこと

  • 感想

「不明確だった障害フローの理解が深まった」「別のプロセスも可視化してみたい」などの感想が挙がり、好評な結果でした。
Miroを使った大人数でワークショップの取り組みも初めてだったのでMiroの有効活用方法としての学びもあったと思っています。

ワークショップ後のアンケート結果について

PDCAを回すためにワークショップ後には必ずアンケートを実施しています。
以下の2つの観点でヒアリングしましたが、アンケートでも概ね満足してもらえた結果となりました。

  • Value Stream Mapping施策にはどのくらい満足できたか

  • 自分の仕事との関連性や仕事に役立つ部分があったか

今後の取り組みについて

今回、可視化した障害対応のValue Stream Mappingですが、本来ありたい姿を描き切るところまでは時間切れで対応できなかったため、まずは関係者で引き続き完成を目指します。
障害対応の場合、ワークショップに参加したプロダクト開発組織のメンバーだけでなくカスタマーサクセスのメンバーも関わるのでより解像度を高くするためにすり合わせに入ってもらう調整が進んでいます。
上記以外にもプロダクト開発プロセスについてのValue Stream Mappingを描くことも計画中です。

こういったワークショップでの組織改善の取り組みについては引き続き、noteのエントリで紹介していきます!

おわりに

当初は自分たちが関わっているプロダクト(MicoCloud)のValue Stream Mappingをがっつり進める想定でしたが、まずはお互いの担当している仕事や業務の流れのひとつを可視化するワークショップをやってみました。
ワークショップに取り組んだ結果として、組織間で連携する普段の業務でも複雑なフローで全体を理解しきれていないパターンがあることを実感できました。
スピード感を持って業務を進めていくには、組織間の横のつながりを深めることが必要なのでこういった取り組みの積み重ねが重要だと考えています。

また、普段はフルリモート勤務がメインになるので、多くのメンバーが顔をあわせて何か一つのことに取り組む場は大変貴重だとあらためて感じています。
私は8月に入社したばかりなので、今回のオフサイトミーティングが初めての参加となりましたが色々なポジションの方と意見交換ができて大変刺激を受けました。

今回紹介した取り組みが、「自分たちの働く環境を自分たちの手で作り上げていく」ということにつながっています。
DevHRとして強い組織をつくるためにこういった取り組みをさらに推進していきます!

もしこれを読んだあなたが、Micoworksでの仕事に関心を持っていただけたのであれば幸いです。
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