はつおん教室えむ

フリーランス言語聴覚士。 小児の発音相談・訓練、ことばのご相談を中心に仕事をしています…

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フリーランス言語聴覚士。 小児の発音相談・訓練、ことばのご相談を中心に仕事をしています。 https://www.hatsuon.online

最近の記事

  • 固定された記事

伝えることの難しさ。

“言いかた“ 相手に何かを伝える場合には、これはとっても大事な事だと思っています。 同じ内容でも、言う人によって何となくおや?と思ったり、カチンときてしまう事があったり。 もちろんその逆も… 誰しもそんな経験があるのではないかと思います。 めんどくさい人、と思われたくはないけれど、いやいやその言いかた〜?と思うこともあり。 もしかしたら自分の年齢が上がってきて、余計にそう感じてしまうのか… はたまたそういう感じの人が多いのか… それは分かりませんが、みんなが少しだけ丁寧に、

    • あたりまえは、あたりまえではないのかも。

      週の始め、転んだ勢いで手首を捻ってしまいました。暮らしの中で、掴む・握る・引っ張る・回すなどなど… 思った以上に片手では難しい動作が多いこと。そして、何かをするのにものすごく時間がかかるという。 水筒を開けられずもたもたしていると、そっと開けてくれる方、喫茶店でコーヒーを買うのにもたもたしていると、優しい言葉をかけてくれるお店の方。 ちょっとしたことなんだけど、忙しいと気付かない人の優しさは、感じていても上書きされてしまうのかもしれない。 あたりまえに過ぎていた毎日。 こ

      • お母さんだって、いつでも穏やかなわけではない⁇

        ここ最近のおはなし。 毎回訓練が終わると、お母さんとお話しする時間を設けています。 訓練内容のフィードバック、最近のお子さんの様子、ご兄弟のお話、はたまた母たちの体調不良のお話など。 子どもの反抗期と母たちの更年期が重なると?親の介護が重なると?などなど、話しは尽きません… 子どもの年齢によって、その都度悩みは変わり、いつまでも続く。 こうして話をしている時は穏やかな気持ちでいられるけれど、いざ子どもと向き合うとなかなかそうはいかないものだよね、と。 母だって人間だもの。モヤ

        • flow

          海が好きである。 いま見えている波って、はるか遠い沖のほうからやってきていると思うとすごいなぁと思う。 穏やかでちょっとだけ波のある海に浮かんでみると本当に心地よい。 忙しかったり、何となくざわついてしまうことっていうのは日々ある。 物事がうまくいかないなという時は、だいたい変に力が入っている。 身体はつながっているんだなぁと思う。 そんな時はfloating。 ぼ〜っとする時間って、大人になると案外ないのかも。 子どもに、ぼ〜っとしてるよー。と、時々声をかける事があるけ

        • 固定された記事

        伝えることの難しさ。

          向いてる、向いてない?

          自分が今までやってきた勉強や仕事の内容と、今の仕事は全くジャンルが違います。 直接は全然違うのだけど、どこかつながる部分が時々あるような気がします。 点と点がつながって、その時の事を思い出したりして。 人とのコミュニケーションや、失敗した事を次に活かす力、みたいなものは色々やってみて学ぶところがあるような。 それが多いから良い、少ないから悪いという事ではなくて、その時にどう感じたのか、何でなのか考える事が大事と思っています。 以前、"あなたこの仕事は向いてないわね"と言われ

          向いてる、向いてない?

          STになった理由。

          少しまえの記事に、口唇口蓋裂のお話を書きました。実はこの疾患のお話は、自己紹介をするということかもしれません。 私は口唇裂があり、生まれてすぐと小1の時に手術をした経験があります。 口唇口蓋裂は分類も症状も多岐にわたりますが、自分は顎裂もあるので右唇顎裂というもの。 この仕事をしようと思ったきっかけは、自分の事があったから。 その道のりの中で、これはしんどいな。と思うことがあっても、ふんばる原動力はここでした。 それは仕事をするようになった今も同じ。 勝手に、いつか何か返

          STになった理由。

          ポジティブとネガティブ…

          仕事で出会った方から、“いつもポジティブになれる言葉を掛けてもらえて、またがんばれそうです。“という様なお言葉を頂いた。 この仕事をするようになり、目の前のお子さんの良いところや、以前と比べて成長したところを見つけるのがくせになっている。 そして“あ、これいいな“と思うと、自分の言葉でそれを子ども本人やお母さんに伝えるようにしている。 あれもこれもできない、他の子と比べて何でできないのか…などなど。 マイナスな面をみればきりがない。でも、それは他の子も同じなのかも。 “あれ

          ポジティブとネガティブ…

          "口唇口蓋裂"という名前を耳にしたことがありますか?

          "口唇口蓋裂"(こうしんこうがいれつ)とは。 妊娠のごく初期の頃に、人の唇や口の中は真ん中に向かってくっつきます。 くっつく(癒合)過程で何らかの原因があると、うまく行われず唇、はぐき、口の中の天井部分などに割れ目が残ったまま生まれてくる状態をいいます。 原因は不明ですが、いくつかの因子が関係しているということは分かっているようです。 人によって、一部または全部と症状は多岐にわたります。 治療はそれを縫い合わせれば終了というものではなく、成長と共に適切な時期に形成外科、口

          "口唇口蓋裂"という名前を耳にしたことがありますか?

          器質性構音障害とは

          お口の中や口周りの機能に何も問題がないけれど、発音がうまくいかないものを”機能性構音障害”といいます。 ここからは、生まれつき、またはけがや病気の治療後など、何か原因があってお口の中、周辺の機能が活かせず発音がうまくいかないという場合のお話を。 こちらを、“器質性構音障害“といいます。 中でも生まれつきのもの(先天性疾患)、口蓋裂について綴りたいと思います。 器質性構音障害の中でも代表的なもので、継続した練習が必要になります。 口蓋裂があるお子さんを持つお母さんお父さん

          器質性構音障害とは

          気になったその時に…きっかけは小さなことで大丈夫。

          ここまで機能性構音障害のいろいろについて綴ってきました。 少し専門的な表現であったり、聞き慣れない名前もあるかもしれません。 もしかしたらこれかもしれないな…と、思い当たるところがあって、相談機関につながると良いなと思います。 様子をみていても大丈夫なのか、早めに相談したほうが良いのかがわかると安心です。 機能性構音障害のご相談と練習は、幼さの残る発音の仕方や音の誤りが一番多いです。 続いて、側音化構音のご相談が多い印象です。 残りの3つに関してはそこまで多くないですが、上

          気になったその時に…きっかけは小さなことで大丈夫。

          その他の機能性構音障害について

          ・鼻咽腔構音 “びいんくうこうおん“ 通常は口から出るはずの音が鼻から出てしまうため、鼻にかかったような、つまったような独特の発音の仕方になります。 い列音 (のばすと“いー“の音になる音)  い、き、し、ち、じ など う列音 (のばすと“うー“の音になる音)  う、く、ぐ、す、つ、ず など さ行、ざ行 など 上記の音が入っている言葉に目立ちやすく、一部または全部と、その子によって様々です。 練習すれば上手になる発音の仕方です。正しく言えるようになると、聞き取りやす

          その他の機能性構音障害について

          舌の使い方のくせについて つづき

          2つ目が、口蓋化構音 “こうがいかこうおん“ です。 た行、だ行、さ行、ざ行、な行、ら行 上記の音が入っている言葉に出やすく、 た行→か行 だ行→が行 ら行→が行 に近い音の誤りがみられます。 本来は舌の先を使って作る音が、舌の奥の方を使ってしまうために、音が聞き取りにくくなります。 長く習慣化していることもあり、成長とともに自然によくなるということは少なく、練習が必要です。 また、この発音は側音化構音と合併している ケースも多々あるかなと感じます。 側音化構音に比べ

          舌の使い方のくせについて つづき

          舌の使い方のくせについて

          "機能性構音障害"には、舌の使い方のくせにより発音がうまくいかないものがあります。 代表的なものが2つ。 1つ目は、側音化構音“そくおんかこうおん“です。 い、き、ぎ、し、ち、じ、り (その他のばすと"いー"の音になる音に出やすいです)が入っている言葉に目立ちやすく、一部・または全部とその子によって様々です。 け、げ、つ、さ行、ざ行なども、側音化になることがあります。 ち→き し→ひ じ、り、に→ぎ に近く聞こえる独特の雑音を伴った音に聞こえます。 人は発音する時

          舌の使い方のくせについて

          機能性構音障害とは

          発音相談の中心となるケースについて。 口周りや口の中の機能に問題がないにも関わらず、発音がうまくいかない場合。 こちらを、"機能性構音障害"といいます。 大きく以下2つのタイプに分かれます。 -1. 正しい発音を習得していく過程の中で、完成されるべき年齢になっても、うまく発音できない場合。 -2. 通常の正しい発音ではみられない発音の仕方。 舌の使い方に癖があったり、喉のあたりで音を出す感じの発音の仕方など。その誤りが習慣的になっているもの。 こちらは自然に改善するこ

          機能性構音障害とは

          発音がうまくいかないのはなぜ?

          発音がうまくいかない場合、その原因は大きく3つに分類されます。 -a. 生まれつき、またはけがや病気の治療後に口周りや口の中を正しく動かす事が 難しくなる場合。 -b. 口周りや口の中の機能に問題がないにも関わらず、発音がうまくいかない場合。 -c. 神経や筋肉の病気のために発音することが難しい場合。 私たちの仕事で、発音練習とした場合のほとんどが-bのケースです。 まず、なぜうまくいかないのか? ということをお母さん、お父さんとお話する中で確認します。 その上で、検査をし

          発音がうまくいかないのはなぜ?

          子どもの発音についてのおはなし

          発音の相談をするタイミングっていつだろう… 迷われる方も多いかと思います。 相談の目安は年中さんの夏以降くらい。 練習は小学校に入学する一年前くらい。 言葉の成長は一人一人違うので、それでもまだ練習を始めるのには早い場合もあります。 発音だけを気にするのではなく、お子さんの全体をよくよく見て、今できる事、介入するのに適切な時期・タイミングを見極める事が何より大切だと感じます。 発音に幼さが残る、どの音がうまく言えないのかわからないけど言いにくそう、伝わりづらい、何を言って

          子どもの発音についてのおはなし