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ポタリングマップ制作プロジェクト、始動する

 2024年度は、当「ゲストハウスみちしお」の営業2期目。1期目の昨年度は、人生初の宿泊施設運営、しかもワンオペ営業、しかもまた詰め込み過ぎたNPO活動もこなしつつでしたので、すべての面で余裕がなく、予約サイトに投稿された評価に一喜一憂、予約とキャンセルのアプリへの連絡にまた一喜一憂していました。

 今年春から2期目に入り、余裕ができてきた、とは到底、言えないのですが、ゲストハウスの営業において、ソフト面での施策にも着手し始めています。この7月に集中的に実施したのが、ポタリングマップ制作のための町内事業者様へのインタビューでした。
 ポタリングとは、自転車の走り方のひとつで、散歩のように、のんびりと急がず、寄り道しながらふらふら、ぷらぷらとペダルをこぐスタイルです。散歩にちなんで「散走」と表現されることもありますし、取材していただいた愛媛新聞の石田記者はその記事で「自転車散歩」と表現してくれました。

 広島・尾道から愛媛・今治までの島々を渡る西瀬戸自動車道、通称「しまなみ海道」では、その橋の部分を自転車で走ることができます。このルートは海外でも知られていて、「サイクリストの聖地」とまで形容されます。ただイメージとしては、尾道から今治までの舗装道路を高速で走るのに適したロードバイクタイプの自転車でさっそうと駆け抜けるビジュアルとなっていて、訪問者がこのイメージをなぞると、滞在時間、消費金額ともにミニマムとなり、地元事業者に恩恵が少なくなっている可能性があります。

 上島町は「しまなみ海道」との対比で「ゆめしま海道」を名乗り、サイクリストの誘客に注力していますが、ぼくは上島町がロードバイクのサイクリストが高速で駆け抜ける場所になってほしくないと思っています。そこでイメージとして、ポタリングでのサイクリングを訴求していくことに決めました。上島町を「ポタリングの聖地/ポタリストの聖地」としていくためには、そのイメージを固定化し具象化するルートマップなどの印刷物やテキストが必要です。このことは開業の準備段階から計画していましたが、外壁のペンキ塗りと同様、手を付けられずにいました。

 前年度までの高井神島でのプロジェクトに続いて、愛媛大学社会共創学部環境デザイン学科の渡邉敬逸先生に今年度もお世話になっています。先生には、プロジェクト演習の今年度の授業で、上島町におけるポタリングマップ制作をテーマとして採り上げていただきました。そしてまずこの6月下旬から7月いっぱいの間に、3年生の学生3人と4回7日間の日程で、町内事業者へのインタビューを実施していただきました。

 ポタリングマップ・プロジェクトのゴールとしてぼくは、3種類の地図を用意したいと考えています。1つ目は、町内の店舗や立ち寄り施設を紹介するバージョン。2つ目は、絶景スポットや隠れビーチなど、地形や自然地理を中心としたバージョン。3つ目は、宗教施設や石碑、井戸、近代化産業遺産など、地域の歴史や民俗を探訪することができるバージョンです。この7月に調査を実施したのは、1つ目のバージョン制作のための作業で、インタビューの成果を地図に盛り込みたいと考えています。町内全域を1枚の地図に収めると、情報量としても物理的にも大きくなってしまうため、旧町村域で「弓削・魚島」と「岩城・生名」の2枚にそれぞれ分け、今回は佐島を含む旧弓削町域でのみ、インタビューを実施しました。

 この7月のメインイベントとなったインタビューは、いったん終わりました。あとはアウトプットのデザインです。最初のポタリングマップの完成は、今年度末を予定しています。

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