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現場で言葉を書く人たちに向けた1冊『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』

フリーランスのWebライターとして、探り探り活動してきて3年目になります。
もっと言葉や文章について勉強していきたいと思い、能勢邦子さんの『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』を読みました。

「惹句」のつくりかた

この本では「惹句」がキーワード。
雑誌の記事のタイトルの下についているリード文やキャッチをそう呼ぶとのこと。読者が本文を読むかどうかを決める大切な一文です。

webコンテンツ(ネットニュースでもブログでも)では、タイトルが惹句だと思わずクリックしてしまう。
入り口はタイトルしかないから、タイトルの言葉次第で、読むか読まれないかが決まる。
それなら読者はどんな言葉に惹きつけられるのか。

惹きつけられるのは読者ですが、書き手が惹きつけられている、それがわかる言葉が惹句になります。
惹句の「惹」という言葉は、書き手が惹きつけられ、それが伝わり、読者が惹きつけられ、双方が惹きつけられるという意味です。惹句をとおして、書き手と読者の “想い” が通じる。惹句には、そんなパワーがあるのです。

『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』より

書き手である自分が惹きつけられる言葉。それはやはり、そのコンテンツでいちばん伝えたいこと、いちばんの “売り” です。
記事の中身にじっくり向き合って、キャッチコピーの技術はいったん置いておいて、この記事でいちばん大切なことは何だろう?と考えること。それが惹句の発見につながるということでした。

具体的に能勢さんはどんな言葉を惹句として選んでいるのか、そのノウハウもたっぷり紹介してくださっていました。
・コンテンツの売りが瞬時に伝わる言葉
・「自分事」として共感しやすくなる話し言葉
・ニュアンスを伝えるオノマトペ
などなど…

今webライターとして取り組んでいる仕事は校正校閲なのですが、ライターさんを指導することもあります。タイトル付けに苦戦しているライターさんがいたら伝えてみたい!

また、実はKindle出版をやってみたくて、いまエッセイ本を執筆中です。書きたいことを書きたいように書くのではなく、読者に伝わるように努力しなければと思っていたところでした。ぜひぜひ、能勢さんのノウハウを活用したいです!

惹句をつくれるようになるための心がけ

6章に載っていた、「アウトプットするからインプットできる」にすごく納得しました。

よく、インプットが十分でないとアウトプットできないといいますが、日ごろからアウトプットをすることで、頭のなかが整理され、空いたスペースにインプットができます。

『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』より

誰かに話したりnoteに書いたりすることによって、気持ちがすっきりすることは多いです。
ぐるぐると頭のなかで考えていることの締めくくりができたような感覚。ひとまずこれはOK!とひと区切りつけて、次の考えや行動に移れます。
noteを始めてからアウトプットしておかないとモヤモヤするようになったのですが、まさにこのことだったのですね。
アウトプットすればするほど、自分のなかにインプットする余裕ができる。そのほうが、スキルアップのための情報もしっかり取り込める。

また、noteを書いて投稿するときには必ずタイトルを考えますが、タイトル付けの練習としてはとても理にかなっているんだと思いました。
(私が言うことでもないのですが、投稿を頑張っているnoterさんにも「タイトル付けになる良い練習ができているんだ」と自信を持ってもらいたいです!)

こまめに記事を投稿することがスキルアップにちゃんとつながっているんだと思うとうれしいです。noteを書く意欲がますます湧いてきました。

「伝えたくて伝えたくて伝えたい」という想いが出発点

「おわりに」で、能勢さんが女優の木内みどりさんと交流するなかで心に残ったと仰っていたひと言に泣けてきました。

「伝えたくて伝えたくて伝えたいから表現するんでしょう?」

『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』より

読まれないと、売れないと…と自分にプレッシャーをかける前に。
ただただ、伝えたくて抑えきれない想いがあるから書くのだと。
その想いが出発点となり、書くスキルを磨き、コンテンツに向き合い、1文字ずつ綴っていくのだと。

どんな仕事でも、どんな行動でも、まず、 “想い” ありき。その “想い” に誠実に向き合い、言葉にすることから、すべてが始まります。

『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』より

コンテンツへの、言葉への、読者への想い。能勢さんの想いはしっかりと受け取りました。書く仕事をしている立場として、表現者として、出発点となる “想い” を忘れずにいたいです。

(画像はUnsplashでお借りしました)


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