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うらおもて人生録

先日の記事で、最近エンジェルナンバーを頻繁に見る、ということについて書かせていただいた。

このエンジェルナンバー、本日はこれまでに555と111を発見。5は人生における重大な変化、1は理想の現実化、なのだそうだ。このままいけば人生がより好転しそうだ。スピリチュアル現実化の基本はまず信じること、あたしゃ信じる。理由はない。シンプルイズベストである。


守護霊やら言霊やら目に見えないものは長い間ほとんど信じないでいた僕だが、いわゆる運の流れというものは昔から信じていた。自分でそれを最も感じた瞬間は、麻雀をやっていた時だろうか。

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俗に運7、実力3の比率と言われているこのゲーム。専門用語で説明するのが手っ取り早いと思うため知らない人にはごめんなのだが、メンタンピン三色を上がった次の局でチャンタを無駄ヅモなしでテンパったり、逆に変な放銃や上がり方をした場合には次の局でちっとも形が整わなかったり。確率などを無視した力が働くのがこのゲームであり、間違いなく「流れ」というものが存在する。


そしてこの「流れ」を人生観に着目して綴った名著がある。特に仲が良かった友人に紹介してもらったこの本は、今でも僕のバイブルともいえる。

うらおもて人生録

色川武大著。作家としてだけでなく、日本に麻雀ブームを巻き起こした阿佐田哲也の名でも知られているすごい人だ。故立川談志がとある弟子に、「これだけは読んどけ!」と言ったとか言ってないとかそんな話も聞いたことがある。

色川氏の人生は一言で表すとザ・アウトローといったところか。勉学には一切励まず闇商売や博打などを転々としており、小説家になったのも成り行きで、といったところか。略歴を見てみても生涯通して一矢貫徹している部分が見られない。だからこそ、僕にとっては魅力的に感じたのだろう。この方は社会や周りが用意したものに振り回されておらず、好きなように自由に生きている。こんな生き様にはひときわ憧れる。

この『うらおもて人生録』では、人を好きになるということ、人生における型・フォームについて、本筋とは少し脱線した著者の過去の体験談などなど、人生をより良く生きるにはどうすればいいかが、説教臭くないように書かれている。それこそ著者の生き様同様のらりくらりと最後まで進んでいき、バシッと一つの大きなテーマを定めているわけではないのだが、ざっくりまとめるとこれだろう。


「9勝6敗を狙え」


「色川武大 名言」で検索すればいの一番に出るであろうこの言葉。僕の人生の核ともいえる。

我々の人生にも流れというか、波というか、そういったものは存在するといえる。今まで嬉しいことしか起こらなかった、なんていう人は世の中にいないだろう。大小あれど自分に良くないことも降りかかるものなのだ。

そういった必然的に生じる不運、不幸を考慮しつつできるだけ幸せに人生を送るための色川氏が提唱する最適解が、この「9勝6敗」なのである。

「9勝6敗を狙え。8勝7敗では寂しい。10勝を狙うと無理がでる」

ではこの「無理がでる」とは何を示すのか。

脚本家、作家の向田邦子氏が飛行機事故亡くなった際、色川氏は次のようなことを言っていたらしい。


「あの人は幸運が続きすぎたせいだ」


この本で書かれてあったかどうかは記憶が曖昧で定かではないのだが、色川氏曰く、「人間が持てる運の量には限りがある」らしい。

実際生前に向田邦子氏が書いた作品はほぼ全てヒットヒットヒット、それこそ破竹の勢いで売れる売れるだったそうだ。不謹慎な記述にはなってしまうかもしれないが、圧倒的幸運が続けば反動でこういったことも起こりうる、と色川氏は述べている。「宝くじに当たった人は不幸になる」なんていう迷信もあるようだが、あながちこれも間違いではないのだろう。

楽しいことをできるだけ引き起こす、しかし大きく負け越さないようにする。そういった意味で、9勝6敗というのが最もバランスが良いということである。


ほんの小さな不幸で「サイアク~」だったり、「マジツイてねぇわ~」だったり言う輩がいたりするが、これはナンセンス。転んですり傷ができた、持っていたモノが壊れた、そんな小さい不幸はむしろ大きな不幸を避けたという点でラッキーなのだ。不幸は小さく散らすこと、大きな不幸を避けるためにね。



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