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M-1グランプリの敗者復活ルール改定は、どのような影響を及ぼすのか

今年もお笑いファンが待ち焦がれた、M-1決勝戦の日がやってきた。

日本時間で1時半からTverにて特番が放送、そこから敗者復活→決勝戦→打ち上げ及び反省会という流れで深夜まで。

海外にいる自分も家のWifiの調子がやや怪しいものの、VPNを駆使してこれらを視聴することができるというのはありがたい。


決勝戦に進出するコンビは計10組。そのうちの1組はこの後数時間後に行われる敗者復活戦によって決められる。惜しくも準決勝で敗れてしまった全コンビが漫才を披露し、見事勝ち上がったコンビが敗者復活枠として決勝に返り咲くことができるのだ。

そんなM-1の一つの大きな盛り上がりを作るこの敗者復活だが、今年から大きなルール改定がなされたのである。


従来の敗者復活戦の勝者は、インターネットでの視聴者投票によって決められていた。テレビ放送やネットに上がっている敗者復活戦でのネタを観てもらった後、国民の皆様に面白かったコンビを投票してもらい、得票数の一番多かったコンビが敗者復活枠を勝ち取ることができるというシステムだ。

ただ、この制度には問題点があった、ように思えた。

ある種の人気投票になっていたところがあったのである。

こういったことを述べると一部の方々からヘイトを買ってしまうかもしれないが、敗者復活枠を勝ち取ったのはいずれの年もメディアでよく知られているコンビや、過去の大会の決勝で好成績を残したコンビばかり。

もちろん漫才の実力で突破したコンビも中にはいるだろうが、毎回のように1位の組と2位の組との得票数には数万票ほどの開きがあった。2組の漫才のクオリティや面白さにそこまで大きな差はないと感じた時でさえ、である。定められた時間をオーバーしてかつ漫才を続けたにも関わらず、そのコンビが1位を獲得し勝ち上がった、などといったケースもあった。

そういったこともあり、しばしば結果に憤りを感じることがあった。


貴様ら、本当にフラットな目線で観てるのか?

そもそも敗者復活の漫才ちゃんと全部観てから投票してるのか?


芸人さんたちの人生がかかっているのである。生半可な気持ちで投票してほしくない、というのが一人のお笑いファンとしての心情だ。


そして今年のルール改定は、そんな我々?の過去に積み重なってきた鬱憤を晴らしてくれるような内容だったのである。

まず敗者復活に参加する準決勝敗退者は、A、B、Cの3ブロックに分けられる。その中で漫才を行い、各ブロックごとに勝者が決められる。

ここでの勝者は得票数によって決められることは以前のルールと共通しているのだが、投票可能なのは実際にその漫才を生で観た観客のみだ。

観客はもちろん漫才師以外の一般人。だが国民投票とは大きく毛色が異なる。

なぜなら彼らは敗者復活戦の漫才を生で観たいと思っているほどのお笑い好き、ましてや…

本日はクリスマスイブなのである。

デートやらパーティやらといったイベント事を蹴ってまで漫才を観たいと思っている方々…これはバイアスのかかった投票などしないだろうと強く信頼できる。

投票によって決められたブロックごとの計3組の勝者は、更に5人の芸人審査員によって投票される。選ばれた芸人審査員の方たちは、揃って過去大会の優勝・準優勝経験者のみ。一般視聴者、及び芸人という二つのフィルターを通して審査されるというところからもより公平性を重視したシステムとなっているのだ。


今回のルール改定によって、メディアにそれほど露出はしていなくとも面白い漫才をする人たちが上がる可能性が非常に高くなったことは嬉しいことこの上ない。

願うは2年前から推しているヘンダーソンの決勝進出。

ラストイヤーで爆発してくれ。





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