【散文詩】悩みのタネをまきました
むかしむかしむかし、悩んでいる時にできる心のしこりを、人々は悩みのタネと呼んだ。ある男が、悩みのタネを地面に撒いた。するとすくすく育って、この世ではじめての木になった。まわりの人々にも、悩みのタネを撒くように勧めたら、村中、木で溢れた。悩みが大きいほど大きな木になり、悩みが多いほどたくさんの木が生えるため、人々は競うように、何かにつけ悩むようになった。ある頃から、一儲けしようと木を切り倒しては売る者が出てきた。悩みのタネから育った木を切り倒すと、悩みのガスが出た。様々な悩みの