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【要約】実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決の要約・感想

挨拶

実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決を読んで、役立ちそうな部分をメモした記事になります。

デザイン思考とは何か

 筆者曰く、デザイン思考とは以下のように定義づけてます。

「人々がもつ本当の課題を解決するための考え方(マインドセット)である」

1章のサブタイトルにもなっている「すべての中心には「人」がいる」の「人」がポイントです。「人」がサービス、製品、システムが作られる際に重要な判断基準になると筆者は主張してます。そんな「人」の問題をくみ取り、共通の問題を持つ人々の役に立とうとする前提があります。例として、著書ではAirbnbの創業経緯で一時的な宿泊施設の需要増加に対し、供給が上回ることによる宿泊費高騰に目を付け、アパートや部屋の貸し出しをする方法で解決しようとした話が挙げられました。困っている人を助ける意識を持つことを筆者はこのように述べてます。

「人間の行動は、新しいサービスを受け入れることによって変化しており、私たちは常に「人々が何か困っていないか、不便に感じることを改善できないか」と考える必要があるのです。」

この発言は、製品を作る側の情報がどんなに優れていたとしても、その製品を使う人々が理解しないと誰の役にも立てないことを指してます。その為、筆者は

「「このプロダクトを使う人々を正しく理解する」ことから始めてみましょう。」

と述べてます。人々の問題を解決する為に「人」を理解し、その解決方法をデザインすることがデザイン思考です

デザイン思考の「デザイン」と「思考」とは

 デザイン思考のデザインは英語圏の「Design Thinking」が日本語化されたものだそうです。筆者は「デザイン」と「思考」を以下のように述べてます。

「「(問題を解決する方法を)設計(Design)するための考え方(Thinking)」」

補足:欧米圏での思考は「Thinking」を指すケースが多く、哲学的な意味合いを含むケースがほとんどです。

なぜデザイン思考が必要なのか

筆者は「考え方」と「方程式」の違いにも触れていて、決まった方法論で解ける問題は方程式を活用し、考え方は型にはまっていない問題の解き方という趣旨の内容を書いてました。この型にはまらない考え方を実現する為にも、筆者は繰り返し「やってみる」ことで学ぶことが大切と書いてます。

「繰り返しやって身に付ける」
「実際に手を動かしてやってみる」

この上記の二点が強調されてました。

デザイン思考のプロセス

 デザイン思考のプロセスとして共感から始まり、以下の5つのプロセスを行き来します。

0.問題定義
1.共感(Empathize)
2.定義(Define)
3.アイデア(Ideate)
4.プロトタイプ(Prototype)
5.テスト(Test)

 一見、簡単で単純に思えますが、この考え方を自身の中で植え付けるのは案外難しいものだと筆者は述べてます。その為、実践の繰り返しという訳です。順序としては以下のようになります。

0.問題定義

 最初にどんな話題を主題とした計画にするか決めるところから始ます。

1.共感(Empathize)

 主題にした話題における問題をみつける為の情報収集を行います。必要があれば、インタビューも行う。

2.定義(Define)

集めた情報から問題を探し、解決したい問題を一つに絞ります。

3.アイデア(Ideate)

ブレインストーミングと呼ばれる問題解決の為の意見交換会を行い、優先順位の高いものを決めます。筆者はここでは以下の質問に答えることを例に出してました。

「ターゲットは誰か」「何を解決すべきか」「どうやって問題を解決すべきか」

4.プロトタイプ(Prototype)

問題解決策を検証する多くの試作品を作成します。重要な点として、凝ったものではなく、検証が可能なら簡易的なものでもよい点です。

5.テスト(Test)

解決策の案をプロトタイプにした後、ユーザーに体験してもらうことでフィードバックを得て、改善を行います。改善ではペインポイント(Painpoint)と呼ばれる場面であるユーザー体験の不快感を見ていくとのことです。

本書の特典

 デザイン思考を考えるにあたってのツールキットと呼ばれるデザイン思考を考えるにあたって便利な記入式資料が入っています。

本の趣旨とは少し外れた面白いと思った部分

 第三章でユーザーの種類についての記述で主要なターゲットユーザーと極端なユーザー以外に4種類が書かれてることが面白かったです。内容として以下のようになります。

1.ディセンダントユーザー(将来影響を受けるかもしれないユーザー)
2.アンビエントユーザー(周囲にいるユーザー)
3.パラレルユーザー(対象となる体験を次に体験するユーザー)
4.ターミネーターユーザー(競合するサービスに関わるユーザー)

ディセンダントユーザーの注意点として、将来の展望における問題発生原因を作らないように心がけることの重要性が書かれてます。
アンビエントユーザーは間接的な接触によるサービス提供の仕方が書かれてます。
パラレルユーザーはユーザー体験の間には「連続性」があることが指摘されてます。
ターミネーターユーザーは文字通り競合の活躍してる分野に存在してるユーザーを指してます。

まとめ

 この本はデザイン思考の基礎的な部分だけでなく、実践する為に必要なツールキットも入っている為、デザイン思考的なマインセット育成にも活用可能な内容となってます。ユーザー体験を様々な観点から分析し、改善するプロセスも学べるので、実際にやってみたくなります。思考実験の範囲でもいいので、友人と一緒にツールキットを使った事業案のロールプレイも楽しいかもしれません。

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