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自分を幸せにできない 映画「マーティン・エデン」を観て
アメリカの小説家ジャック・ロンドンの自伝的小説の映画化。本はまだ読んだことがない。集中して読まなくちゃいけないタイプだ、精神世界が奥深そうだから。
ジャック・ロンドンは40歳で自殺する。ということを知って観たせいか、マーティンが破滅型に見えた。
作家として成功した彼は、それまで世話になった人に家を買ってあげたり、周りにお金を与えたりするけれど、自分はちっとも幸せそうに見えなかった。むしろ痛々しいほど。
ジャック・ロンドンの方は、豪邸を建てたり(自然発火で全焼)、冒険に出たり、当時一番高い原稿料だったらしいけどお金を湯水のように使った。いわゆる、お金があると全部使ってしまうタイプ。なくなればモーレツに書きまくってまた収入を得る、の繰り返し。
離婚後は養育費にかなりとられたようだけど、もし映画の主人公マーティンのように自分を幸せにできなくて、したいことはし尽くして持て余していたのなら自殺という選択に行き着いたのは自然の流れかもしれないと思わせる。
日本の作家も自殺は少なくなくて、芥川、太宰、有島、三島(この人の場合はちょっと特殊)、川端も。
マーティンは教養を得ることで最下層から脱出できた。でもそのせいで、これまで気付かなかったことまでわかってしまうようになる。
この部分は「アルジャーノンに花束を」で天才ピーク時のシャープさを思い出した。
見え過ぎたり先読みし過ぎたり“過ぎる”と苦しくなるだけかもしれない。
原作を読みたくなった作品。
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