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☆本#161 イギリスの底辺「子どものたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から」ブレイディみかこ著を読んで

以前著者がウェブでイギリスについて書いてるエッセイが面白かった。で、この本を読んでみた。

内容は主に無料託児所で保母をしていたとき、見たり聞いたり経験したこと。読んでて考えさせられたり、ほろっときたり。

イギリスは思った以上に、階級差別と貧困がひどいんだな〜と。イギリスに留学した知人が、イギリスは白人でも階級差が大きいと言ってたけど、底辺とか、有色はなおさら。ドラッグが簡単に手に入るのはどうかと思うが。

サッチャーが始めた給付金も、格差をさらに拡げただけ。政策は諸刃の剣だ。役立ちつつ、悪用もされ。でもカットされると、困窮する人たちが確実にいる。

日本の保育所は保母さん1人につき20人の子ども対応で、イギリスでは数人が基準らしい。日本の子どもの方が大人しいのは国民性だろうか。イギリスでは、特に3歳ぐらいが相当危なっかしいらしく、自分をスーパーマンと思って大けがしたり。日本でもそういう子はいると思うけど、もっと激しそう。

複雑な家庭の子どもは、態度がほかの子と違い通常自己防衛もあって泣く状況でも、涙を出さない(多分、出せない?)らしい。これも自己防衛で、感情の発育がおそらく止まってる。まだ小学校低学年ぐらいなのに、親に振り回されるなんて過酷だ。
しかも、下層だと這い上がるのは厳しそうだし、上流の白人は同色の下層を見下すのを差別と認識してないらしい。

この本が出たころ、著者のパートナーは癌のステージ4の手術後9年だったそうだけど、現在も元気だったらいいな。息子がハーフで、白人じゃないので武術を習わせてる、という考えは現実的でいいと思う。
先日イギリスで女性らが立ち上がり、男性の暴力を訴えていたけど、護身術を習っておくと精神的にも安心かもしれない。



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