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☆本#103 人の普遍「黄金の少年、エメラルドの少女」イーユン・リー著を読んで

大学院からアメリカに移住し、後にグリーンカードを経て、国籍もとった中国生まれの作家の短編集。
「優しさ」という作品の書評で知り興味を持ったのが読むきっかけ。

母国語ではなく、英語で小説を書く人が増えているようだけど、さかのぼれば、キョウコ・モリや、フランスで2度賞をゴンクール獲った(名前を変えた)ロマン・ガリがいる。

前者は、日本語版を翻訳者にまかせた。イーユン・リーは、数年前のインタビューでは自分も中国という国もまだ自分の本を受け入れる準備ができていないとし、中国語版の出版は承諾していない、と答えていた。

タイトルの話は共感できなかったけど、世界観はなんとなく気に入って、この作家のほかの本を読んでみたくなった。主人公の名前がいい。
この話は、アイルランドの作家ウィリアム・トレヴァーの「3人」という短編と著者曰く「語り合っている」しているらしい。

トレヴァーは著者がもっとも影響を受けた作家らしく、作家デビュー後会いに行って交流が続いていたようだけど、残念ながら5年前亡くなっていた。この作家の本も読んでみたい。

「語り合う」とは、似た設定と展開で書いてる話だと思うけどよくわからないので、トレヴァーの本を読んでみるしかない。

以下、著者のインタビュー動画。ゆっくり話すし、わかりやすい英語。現在は大学で創作を教えているとか。自殺未遂2回、過去に鬱で悩まされていたなんて意外だ。

ちなみに、息子が16歳で自殺し、その数か月後に書いた本のニューヨークタイムズの記事。以下リンク。

A Mother Loses a Son to Suicide, but Their Dialogue Continues

the new yorkerで本人が読んでいる短編を発見。これすごいな。

The New Yorker

作家を選べるし、英語の勉強にも最適かも。


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