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☆本#227 平等に不幸 「あなたには帰る家がある」山本文緒著を読んで

二組の家族が偶然知り合い、ひと悶着が起こる話。と言うと、シンプルな感じだけど、もちろん複雑。
けど、両成敗じゃないけど、最後はちゃんとそれぞれが傷つく。その辺はこの著者っぽいかもしれない。誰かだけが不幸になることはない。

佐藤家は妻が計画妊娠をしなければ、付き合っている間に分かれていたかもしれない夫婦。茄子田家は一見幸せな3世帯家族だけど、実は長男には出生の秘密があり、世帯主が偏屈で祖父母や妻子の意見を聞かないけど、たまにいいやつな顔を出すむずかしいひと。

茄子田家の家の立て直しをきかっけに佐藤家夫と知り合い、佐藤家夫と茄子田家の妻の不倫、主婦が向いてない佐藤家の妻の仕事開始でこっちも茄子田家と知り合い、バレる。
けど、それぞれ離婚することはなく。

この小説が書かれたのは随分前なので、ポケベル→携帯等修正箇所もあるようだけど、人間の根本的なことは普遍的なので、今でも通じる。

共感するタイプの登場人物はいなかったけど、ちょっと考えさせられた。

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