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☆本#169 不思議な動物「ブラフマンの埋葬」小川洋子著を読んで

著者は、海外にゲストとして招待された際、現地でこの話を思いついたらしい。
不思議な小動物(イメージ的にはもふもふの犬みたいな感じ)と、創作者のための「創作の家」の管理人の男性主人公の話。

ある日、主人公は見慣れない小動物、おそらくまだ子ども、に出会い、けがをしているので連れ帰る。で、敷地内で勝手に飼い始める。

ブラフマンという名前は、創作の家で仕事をしている碑文彫刻師の作品のひとつから名付けられた。「謎」という意味らしい、たぶんサンスクリット語の。

ブラフマンは、臆病者で、鳴き声を出さず、足に水かきが付いていて泳ぐのが得意。しっぽが長い。主人公に懐いていて、甘えてくる。主人公にとっては単調な生活に変化を与えてくれたきっかけ。

創作者との関わり、外の世界・店の人との関わりが淡々と描かれている。

けれど、タイトルが結末を示すように、ブラフマンとの共同生活は長く続かない。
創作の家で仕事をしていた人たちとともにブラフマンを埋葬しておわる。

独特な世界。


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