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テレワーク下での組織づくりナレッジ(現場リーダーの方向け)

皆様、こんにちは。ニット小澤です。前回、【人事の方向け】に、オンライン組織創りにおけるナレッジを書きました。

今回は、【現場リーダーの方向け】に書いてみます。是非とも会社らしさを持った強い組織創りの一助を担うことができたら嬉しく思います。では、行きますー!

2:現場リーダーの課題感

◆とある現場リーダーの方の声
「お客様とのオンライン商談や社内MTGなども、滞りなく出来てはいます。しかし、業績に繋がっていないことが、コロナのせいなのか、本人がやり方が分かっていないからなのか、それとも、サボっているのか…正直分かりません。もちろんテレワークでのチームビルディングの経験は初めてで、正直全て手探りです。既存メンバーや新人がどうやったら効率的に、一緒に協力して仕事をすることが出来るのか分からずに悩んでいます…」

こういった現場のリーダーや管理職者の方からの相談は、非常に多くいただきます。そこで、【前提に大事なこと】【目標設定(と合意形成)】【強みを活かせる役割分担】【巻き込む推進】の4つを整えていくことをお伝えします!

2-1:現場でのオンライン組織の創り方-前提-

「メンバーの強みは何ですか?」と聞かれたら、即答できますか?メンバー1人ひとりの強みを理解し、それに沿った役割分担をしながら、あとは、決めたことを絶対に逃げさせない仕組みを作って推進できれば、自ずと結果はついてくると思います。そこで結果を出せないのは、メンバーのせいではなく、リーダーの立てた戦略が間違っていた、と言っても過言ではないかもしれません。

◆前提で大事なアレコレ
2-1-1:出来ると思い込む
2-1-2:性善説
2-1-3:信頼関係

◆2-1-1:出来ると思い込む

「しょっぱなから、会ったことないけど、信頼関係作ることできるかな…」

よく、この質問を受けます。例えば、4月入社の新人、4月異動者でまだ一回もリアルで会ったことのないメンバーなど。でも、これは、「リアルでマネジメントしていた時と比べているから」そう思う話です。ニットでは、面接もオンライン、入社後の育成もオンライン、もちろん事業運営もオンライン…全てオンラインです。

「いやいや…それは、ニットだからでしょ?」

と思いますよね?私自身、リクルートでマネージャーやっていた時は、誰よりも早く出社して、誰よりも遅くまで会社にいました。だから会社から歩いて通える場所に住んでいました。今思うと、やばいヤツですね(^_^;)笑
そして、メンバーに寄り添って、表情見ながら「元気ないな…大丈夫?あれ?熱ありそう…今日は帰りな!」とか、「おめでとう!!!握手~~~!!」とか。それはそれは、三密マネジメントでした(笑)

だからこそ、ニットに入社して2カ月間は、中米ベリーズに住んでおり、遠隔からスタートすることになったので入社前は不安でしたが、実際に始まると何てことはなく、業務は普通に行うことが出来ました。そもそも、「テレワークで上手く仕事が出来るかな…」と不安になっているのはリーダーだけで、メンバーはなんてことはないっていうケースは往々にしてあるな、と感じます。

2-1-2:性善説
一番多い質問は

「メンバーがサボるんじゃないの?」

いやいやいやいやいやいやいやいや!
サボる人は、いつだってサボる。
オフィスでネットサーフィンしてる人だっているし、喫茶店でマンガよんでるサラリーマンなんていっぱいいます。昔先輩たちがアポってボードに書いてあったのに、全員で富士急ハイランドへ行っていたということもありました。「在宅ワークになったからサボる」ということではないのです。なので、

「前提、仕事をしている」と信じる。

むしろ、家だと、働きすぎちゃう方が危険です。例えば、移動時間というオンとオフの切り替えの時間がなくなったり、夜中まで物理的に働けちゃったりするので、真面目なメンバーが働き過ぎで体調・メンタルを壊しやすい、という方が危ないのです。働く時間のマネジメントは着目してあげてほしいです。

◆2-1-3:信頼関係
メンバーは上司のことを自分の想像以上に見ています。発言や行動を敏感に察知しています。特に、こういった有事の時こそマネージャー・リーダーのスタンスが問われていると思った方が良いと思います。会社の未来をどう考えているか?自分のことを見てくれているか?信じてくれているか?オフィスに出社して顔を合わせていたら、上司の表情や必死さも伝わりますし、飲みにケーションによって想いを伝えたりメンバーの悩みに寄り添ったりもしやすいですが、オンラインだとそういうことができず、温度感や空気感が伝わりません。

なので、信頼関係を築きづらく、どんどん心の距離が離れていきがちです。そんなことを回避するためにも、まずは、上司からメンバーへ歩み寄る。チャットで一言送るだけでも嬉しいものです。シャイなマネージャーや合理的なマネージャーは苦手かもしれませんが、在宅ワークになると心の距離はどうしても出来てしまうので、メンバーを観察し、チャットなどで「昨日の商談、よく頑張ったね!」「●●くんのあげてくれた情報、すごく勉強になったよ!」「明日、ここの相談に乗ってもらっていいかな?」といつも以上に、接触をしてあげることが大事です。

「1日、1褒め」を心掛けて、
オフィス以上に認める姿勢を。

自宅で自律的な仕事を促すためには、「信頼関係を構築して、やる気スイッチを押す」ということこそ、重要なポイントです。

2-2:現場でのオンライン組織の創り方-目標設定-

目標に関しては、人事向けの【評価】コーナーで書きましたが、人は人を、正しく適性に評価することが出来ない」と思うのです。オフラインで働いている時って、「あいつ出来る」「普通」「頑張れ」っていう評判みたいなものが特に現場で一緒に仕事をしていると発生すると思うのですが、オンラインだと、上司・部下との関係性や部下の上司へのアピールの上手さによって、その評判と結果に乖離が生まれやすいと思っています。したがって、定性評価の上司コメントを書いてもらっても、作文みたいになってしまって、適正な評価と言えるかな?ということを思っています。したがって、ニットでも「定量的に測れるものでしか評価項目としない」というように変えました。例えば、売上の●%とか。ある意味、結果さえ出せばプロセスはどんなんでもよい、という考え方なので、ドライのようですが、逆に効率的に結果を出せる人にとってはパラダイスですよね。

あと、現場で大事なのは、リーダーはただ目標をおろすだけではなく、世の中の情勢・会社の状況を鑑みて、全体の目標やチームの目標、そして、個人の目標になっている背景と期待を伝え、本人が、「分かりました、やります」という合意形成を図ることはとっても重要です。後々、「この目標をやるって言ったのは、自分だよね?」というように、自責で捉えるマネジメントができるように運ぶためにも、合意形成は重要です。ちなみにニットでは、もちろん会社からの目標もありますが、最終的に、自分で目標設定をします。私は広報を担当しているのですが、社内にその適正な目標が分かる人がいなかったので、自分で様々な本を読んだりして、社長に目標を進言しました。

※小ネタ:絶対に達成できる目標の持ち方
「会社からの目標」を目標と思っているうちでは半人前です。「自主目標」を掲げることで、会社からの目標は通過点になり、絶対に達成できます。ちなみに、コザワは更に、圧倒的な成果を残したいので笑、「アスピレーション目標」という3段階を持つようにしています。

2-3:現場でのオンライン組織の創り方-役割分担

今、世間の風潮的にも、ジョブ型の仕事が注目されていますよね。ただ、私は個人的に、必ずしもジョブ型が正である!とは思っていません。会社を創っていくことを考えた時に、自分のミッション遂行だけではなく、もっと自分の業務の幅を越えて、戦略やアイディアを考えたり、手を差し伸べたりとボーダレスで仕事をすることってすごく大事だと思うんです。「それ、私の仕事じゃありません」なんて言っていたら、会社は大きくならないし、組織の士気も下がってしまいます。

だからこそ以下のような4象限に分けて考えてみるとよいかなと思っています。

◆レベル感✖非同期・同期

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①「ルーキー✖同期(ジョブ型)」
ここはHOWを教える。何も分からない新人・若手にHOWを自分で考えさせると、泥沼にはまる可能性があります。したがって、合理的に、確実に成果を出させてあげるためには、HOWを伝えてしまう。その上で、30%・50%・80%で提出をしてもらい、適宜、アドバイスをしながら、より良いものにしていく、というのが良いかと思います。

②「ルーキー✖非同期(メンバーシップ型)」
これは正直、難易度が高いです。できれば、オフィスで膝を突き合わせながら、会社の状況や課題をどんどん開示していったり、何度も会社の未来を話たり、ちょっとしたことも細めに会話をしたりしながら、将来の幹部候補としての意識指導も含めて、育てていく方が早いとは思います。ただ、どうしてもテレワークじゃないと…ということならば、①のように、今、目の前の仕事のゴールを設定しつつ、あとはオンラインでもコミュニケーション量を増やして、意識醸成を図っていくしかないかなと思います。

③「ベテラン✖同期(ジョブ型)」
これは、納期と成果地点の要望を伝えて、泳がす。以上。
ベテランの人たちは、その仕事にプライドもあります。なので、期待をしてもらいつつ、あとは本人の一番良い方法で完遂してもらうのが良いかと思います。あとMTGが多すぎると社内報告に時間が取られるので、出来る限りMTGは減らした方が良いとも思います。

④「ベテラン✖非同期(メンバーシップ型)」
こちらも②と同様、できれば、オフィスで対面で会話をしながら、体温が伝わる距離感で、未来に向かってディスカッションするような機会を設けた方がよいかなと思います。毎日じゃなくても良いので、週1・月1など、特別なMTGは対面、というようにするのも一つの策です。

◆ソーシャルスタイルを活かしたマネジメント
HR関係の方はよくご存じだと思いますが、アナリティカル、ドライバー、エミアブル、エクスプレッシブの4つのタイプに分けるもの。よくお客様のタイプ分けで使ったりもしますが、メンバーの特徴活かす、という意味でも有用だと思います。

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以前、キングダムの登場人物をプロットしたnoteも書いています。キングダム好きな方は、是非ご一読くださいませ。

2-4:現場でのオンライン組織の創り方-推進

推進方法のポイントは、基本的に、オフィスでやっていたことをオンラインでもやるだけなのですが、「そうは言っても…」と思われると思うので、詳細を書いていきます。

◆推進方法のアレコレ
2-4-1:【対ルーキー】コミュニケーションの頻度設計
2-4-2:【対ルーキー】評価指標:結果50%プロセス50%
2-4-3:【対ルーキー】育成:アメとムチ
2-4-4:【対ベテラン】評価指標:結果100%
2-4-5:【対ベテラン】プロセスマネジメントから結果マネジメントへ

2-4-6:【対ベテラン】とにかく、巻き込む

◆2-4-1:【対ルーキー】コミュニケーションの頻度設計
オンラインでの対新人マネジメントにおいては、コミュニケーションの質や量ではなく、頻度を設計することが大事です。月に1回の2時間の1on1より、毎日5分の1on1の方が効果的です。それを踏まえて、以下は頻度設計の一例です。
・9:30にオンラインで朝会。例えば、「気になったニュース、今日のやること」と一人1分で話していって、最後、マネージャーからみんなへの激励をし、「今日も一日頑張ろうーーー!」と元気よく始める。
・18:30頃に、全員日報を提出し、マネージャーは全員に対してコメントを返す。メンバーはマネージャーからのコメントに愛を感じて、頑張ろう!と思えるし、他の人もそのコメントから学びを得ることができる。
・ど新人は、毎日5分間の1on1。毎日顔を見て話すだけで、緊張感が保てる。日報を元に会話をするのも良い。
・最低でも、週1回以上の30分の1on1を。「何で出来ていないの?」よりも「どうやったら出来るかな?」を一緒に考えてあげてください。

◆2-4-2:【対ルーキー】評価指標:結果50%プロセス50%
これは新人の評価システムのセオリーですが、新人はどうしてもプロセスでも評価してあげないと酷だと思うので、そのKPIの設計(細かいマイルストーン)とプロセスをやり切っているのか?ということの進捗管理は肝ですね。

2-4-3:【対ルーキー】育成:アメとムチ
アメ役メンターとムチ役メンターはオンラインこそ重要です。特に、ムチ。ネガティブな情報や叱ったりする情報をテキストで送ると、ものすごく冷たい人みたくなり、心理的安全性がなくなり、硬直化します。なので、アメとムチが連携プレーを取って、叱りたい場合は、その後のすかさずフォローをしないと、家で悶々とする無駄な時間が長引きます。

2-4-4:【対ベテラン】評価:結果100%
目標を達成したか、しないかの2択です。「頑張ったんだけど、未達」とか「兆しは出てきているけど、未達」といったものは、「全て、未達」です。もはやベテラン層にはこういう思想でマネジメントしないと、テレワークのマネジメントは上手くいきません。

◆2-4-5:【対ベテラン】プロセスマネジメントから結果マネジメントへ
「結果さえ出していればいいんでしょ?」→「はい、そうです」。どうしても、飛び込みやったり、深夜まで働いていたり、とプロセスの努力っぷりを賞賛する文化が日本にはありますが、パワーを全然かけずとも、頭を使って結果がでれば、それでいい。たとえ、週に3日しか働かずに、残りの2日は遊んでたって、それで成果がちゃんと出るなら、それでいい。ちなみに、リクルートの評価もマネージャーやプロフェッショナルな人の評価は、「結果100%。頑張り方は任せる」というものでした。隣で、部下の電話の様子を聞いて一言一句、指摘するようなマイクロマネジメント型の管理職者はテレワークが上手くいかないと思います。

◆2-4-6:【対ベテラン】とにかく、巻き込む
リモートで仕事をしていると、ちょっとしたことに孤独や不安を感じやすくなります。したがって、真面目な人ほど、1人で抱え込むことにもなってしまうので、「一緒に考える」というスタンスでいることや自分の仕事にも「ちょっと相談させて~」と巻き込んでアイディアを貰ったりする方が断然に良い仕事が生まれやすいかなと思います。私も、「分かんない!困っている!」といつもジタバタしながら、台風の目のように、周りを巻き込んでいくスタイルで仕事を進めています(ニットの皆さん、ごめんね><)。結果として、その方が早かったり、大きな仕事になっていくので、巻き込んで、推進していくことは凄く大事なことだなと思います。

また、チャットなどのテキストコミュニケーションが増えると思いますが、ネガティブなことや、テキストでディスカッションが始まっちゃった場合は、「今、少し話せます?」と5分でもいいから話しちゃった方が早いな、と思っています。


2-5:オンラインでのチーム運営は難しい

そもそもオフラインでしか仕事をしたことがないし、マネジメントなんてもっと在りえないという人にとっては、オンラインでのチーム運営は、非常に難易度が高いものです。まず、圧倒的にコミュニケーション量が減り、「ちょっと聞いてよ~」という軽い雑談や「今晩、飲みに行かない?」という飲みにケーションも出来ません。もちろん、会議は、Zoomなどで滞りなく行うことが出来ますが、1時間、業務の話をしたら終了。なかなか、信頼関係を構築することや心理的安全性を作ることも難しくなります。だからこそ、そんなオンラインでも、皆が活き活きと働き、事業推進するためには、業務の設計と業務外の設計が大事です。

おそらく1年後には、「オンラインでのマネジメント経験」というものの価値がグッと上がると思います。オフ/オンラインでのやることを整理し、目標・役割分担・推進方法を策定し、コミュニケーション設計をする。結果として、コロナ禍でも実績を作っていました!という流れを作ることができたら、そのマネジメント経験の市場価値は相当高くなると予測します。

世の中の多くのリーダーの皆様にとって、オンラインマネジメントの参考になりましたら、嬉しく思います。


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長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

皆様にとって、有意義なオンラインライフになりますことを祈っています★


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