イタリアのアイスクリームが激ウマだったことについて
前回同様、イタリア話。イタリアと言っても限りなくフランス寄りの、小さな田舎のリゾートタウンでのこと。
ビーチカフェでランチをした後、時間があったのでブラブラと散策した。ひととおりグルっと廻ってちょっと疲れたので、帰りの電車の時間までお茶をすることにした。
時刻は午後三時過ぎ。イタリアでは昼休憩でシャッターを閉める店が多く、カフェですら開いてるんだか閉まってるんだか分からないくらい暗くて奥が見えないし、とても寛げなさそうで入り辛そうな店ばかりが目についた。
仕方がないのでホコ天になっている中央通りの隅っこにあった、アメリカンダイナー風の明るくてポップな店のテラスで休むことにした。こちらは真っ白な壁に反射したライトがそこはかとなく明るくて、店の奥の奥までずずずぃっと見渡せる。
ポップな店のアイスクリーム
最近私はカフェインの摂取を控えているのでコーヒーは頼めない。フランスでカフェに入る時は水系のものかフルーツジュース類、もしくはカフェインフリーのハーブティーを頼むようにしている。
だがしかし、この店のメニューにはコーヒーかソーダ系の飲み物しか記載されていない。ポップなアメリカンダイナー風の店ってこーゆーことかぁ。
残念。。。
そこでまたまた仕方なく、店頭にワゴンで出ていたアイスクリームを食べることにした。ホームメイドでも何でもない、業務用のカップかシュガーコーンに入れてくれるやつだ。フレーバーは五種類くらいしかない。
その中から無難なバニラとチョコを頼んで小さなカップにいれてもらい、夫がコーヒーを注文している間に溶け出した部分をプラスチックの小さな透明のスプーンですくって舐めてみた。
う、うま~!!めっちゃうまい!
思わず声が出た。
え?なんで?
前回に引き続き、口に入れるものが何でもかんでもめっちゃ美味しく感じるのはどうゆーこと?!?
これってイタリアンマジック?
会計を済ませた夫が小さなカップに入ったエスプレッソと、きめ細かな泡のクリームが山盛りに入ったカフェオレサイズのカップをテラス席へ持ってきた。
何それ?
クリームコーヒーって書いてあった。と夫は言って、スプーンでその泡をすくって食べるや否や、うわぁ!セ、ボ~ン!と唸った。
どうやら濃いめのカフェオレをエスプーマか何かでクリーム状にしたものらしい。
カフェインレスな生活を心がけている私もついつい、夫の美味しそうな仕草が気になったので、小さなスプーンでちょっとだけすくって食べてみた。
うぅぅ~とろけるぅ~。
んまっ。なんじゃこりゃ。めっちゃうまいんですけど。
たまたまかもしれない。たまたま私たちが選んで入った店が美味しかったのかもしれない。
美味しいイタリア
パリと南仏の二拠点生活を始めた頃、美味しいレストランがなかなか見つからなくて困っていた。友達が遊びに来ても一緒に食事をする雰囲気と味の良い空間がなかったからだ。
なので地元の人に会う度に、この辺りで美味しいお店知ってますか?と必ず聞くようにしていた。
すると八割方の人がこう答えた。
美味しいものが食べたければイタリアへ行けばいい。と。
もちろんフランスにも美味しい店はある。多分、イタリアにも不味い店がある、はずだ。
なのに在仏南東部の人たちは口を揃えて、イタリアが美味しい!と言う。
パリと南仏の違い
パリには多種多様な飲食店があって、好みやその日の気分でメニューが選べる。だから美味しいとか不味いとかを特に気にしたことがなく、だいたい及第点の店であればリピートだってするし、それで店の雰囲気が良ければ友達に勧めたりもする。
中にはこだわりをもって味を追求して美味しいものを出す店もあるけれど、値段が高かったりなかなか予約が取れなかったりで、普段気軽にサクッと外食する時には行かないものだ。
南仏ではパリほど店のチョイスがある訳ではなく、好みや気分で選ぶのが難しい。だから馴染みの店を見つけて、外食したい気分になったらそこへ行く。
それに一度訪れて美味しいと思った店でも、観光シーズン中とオフシーズンでは味が違うこともあるし、オーナーがコロコロと変わる店もある。そういう不安定営業の店は敬遠しがちになって当然だ。
結果、南仏ではパリほど外食をしなくなった。そして美味しいから絶対にお勧め!!と自信をもって言える店はまだ見つかっていない。
フランスのアイスクリーム
話をアイスクリームに戻そう。
イタリア日帰り旅行の数日後、まだまだ暑い日が続いていたので、夕食後夕涼みに出かけた際にアイスを買った。食後だったので、定番のバニラをひとすくい。
シュガーコーンに入れてもらったそのアイスをひと口頬張ると、真っ先に甘さが口いっぱいに広がった。
あ、ま~い!!めっちゃ甘い。
そして数十秒後にやっとバニラのほのかな風味がした。
こんなに甘くする必要ある?
イタリアで食べたアイスは先ずひんやりとクリーミーな舌触りを感じて、その後に素材の味がした。甘いことは甘いが、甘すぎない。素材を引き立てる程度の甘さだった。
なのにフランスのアイスは真っ先に甘い。甘さの奥に素材の味がする。
まあ好みの範疇かもしれないけど、私の口にはイタリアの味の方が美味しく感じられた。
あ~、またアイスクリームを食べにイタリアに行きたいなぁ
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