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トラウマから解放される唯一の方法。

苦しみから逃れるためにどうすればいいか?
そういう悩みをずっと抱えていた。
病院にも通ったし、カウンセリングも受けた。
でも、正直私を救ってくれたことはなかった。

結論から言おう。
トラウマから救われる方法は

「許すこと」

だと私は思う。

トラウマ。
家庭環境が複雑で幼少時に愛された記憶があまりない。
父は精神疾患を持っていてたまに発狂した。
しかし、その発狂した時のことを覚えていない。
その発狂した父に枕を投げつけられ
「お前が全部悪いんだ!!!」と言われた。
しかし父は覚えていない。
私はそういうトラウマ。

母はヒステリックに父を罵倒し、
いつも文句と愚痴しか言わない。
夫婦仲は最悪だった。

私は自立した後実家へ寄り付かなくなって
何十年と経った。
そのうち結婚して家族ができて
年に1回ほどの食事会以外は
実家に関わらなかった。
実家は鬼門で行くだけで2、3日寝込んでしまうほどだった。

しかし、転機は突然やってくる。

ある日父が行方不明になったと母から電話があった。
ようやく探し、父がコンビニにいるというので
迎えに行ってほしいという。
痴呆になってしまったのかと思った。
そして結局迷子になってしまっただけだとわかった。
その時思った。
父はいつからこんなに老いたのだろうと。
迎えた母はいつもカツラをかぶっていたが、
初めて白髪の母を見た。
母もいつからこんなに老いていたのだろうかと。

両親が生きているうちに和解するか
それとも亡くなるのを待つか。

私は和解を選んだ。

心のお師匠様がいる。
その方とお話ししているときにお伺いした。

「どうすれば生きているうちに和解できるでしょうか?」

「ごめんねと一言あやまるだけでいい。
 それも今すぐじゃなくていい。タイミングがあるから。」

2ヶ月後に食事をする約束をしたが
少し先なので連絡をしてみた。
すると母から使わないといけない株主優待があるから
食事をしようと言われ、これがタイミングかもしれないと思い、
会う約束をした。

前日から緊張で何も食べられない。
でも、
「ごめんねとあやまる」
ことだけを目標にした。

当日食事する前に

「今まで実家に寄り付かず、顔をあまり見せなくて
 ごめんなさい。」

言えた。
なぜか涙が溢れて止まらなかった。
すると母は

「お前が謝る必要はない。悪いのはこっちなんだからごめんね」

と初めて謝ったのだ。
その後は母の話を聞いた。
父には謝ってもらった事があったのでもう和解はしていたが、
手紙に謝罪を書いた。

劣悪な家庭環境の中で10代や20代の私が
その家庭環境を理解するのは無理だったと
気づく事ができた。
そして本当に病んでいるのは父ではなく母だったこと。
母はトラブルメーカーでいろんな人と衝突しては
問題を起こす人だった。
しかし、病院には行っていないし、
自分がおかしいとは気づいていない。

ごめんねと謝った私は心は晴れ晴れとしていた。
父母も私を嫌ってはいなくて
私が一方的に避けていただけだったのだと気づいた。

もう私には怒りも憎しみも何もない。
全て溶けて流れてしまった。

まあ、その後1週間ほど寝込んでしまったのだが(笑)

メンタルケアの資格を持つ私は
これから家族の修復をしていこうと思う。
母の話を聞いて聞いて母の思いを受け止めようと思う。

人を許すことは自分を許すこと。

トラウマを抱えていることはとても辛いし、
人生を左右してしまうし、
生きることさえ辛くなってしまうかもしれない。
でも、救いはあるからどうか諦めないで
そして自分に優しくしてほしい。

いつからでも人は生き直せるチャンスを持っているのだから。

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