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タッちゃんがゆく その2
タッちゃんはひとりでどこかへ行くのが好きです。歩いてゆくのが好きです。目的地はあってもなくても良いそうです。目的がある時。たとえばタッちゃんは街から離れた町に住んでいるので、最寄りの駅まで歩こうとすると1時間かかります。いつもはスクーターで移動しますが、気まぐれに歩いてゆくことがあります。川を見ながら、丸い橋を渡りながら、暖かい時期に歩くそうです。
タッちゃんは音楽が好きなので、散歩をする時
愛吏紗のランドセルにきのこを入れた
どうしても死にたくない気持ちは、手でぎゅっと首を絞めたり、お腹の調子が悪かったり、車が目の前をびゅんって行ったりしないと、ちゃんとあるよって言ってくれない。
私、もし殺されるなら、愛吏紗が良い。
愛吏紗はおっとりしていた。おっとりってのはいい言葉。トロい。トロいっていうか、話が通じなかった。アメリカに住んでたみたいで、日本語を上手くしゃべれなかった。でも、英語を話せる訳でもなかった。もち
しゅーちゃんは帽子を被ったいぬと手紙をくれた
頭の中の夏はすきだが、実際は暑くてきらい。でも、しゅーちゃんに会えるかもって思える。アチアチでジリジリのアスファルトを蹴って蹴っていった先。畑と墓地とガソリンスタンドを横目に、上下にぐねった道を散歩していたら、しゅーちゃんがいるかも。
しゅーちゃんに、もし今、会っちゃったら、気恥ずかしくて修介と呼びかけるんだろうか。しゅーちゃんは、小学生の僕から見ても可愛かった。カワウソみたいな顔。色白のほ