コロナ禍で、オーストリアにワーキングホリデーしにきた話。
初めまして。
世界が大変な状況の時に、中でも一際厳しい対策を講じている国にワーキングホリデー(という名のほぼホリデー)をしに来ました。
「こんな時に?」と言われたって、
「今じゃないとダメなの?」と言われたって、
「本当に来たの?!」と言われたって、
勢いで今日まで来ちゃった。
午年、31歳。
走り出したものは止まれない、止まらない。
ワーキング・ホリデー とは、2国間の協定に基づいて、青年が異なった文化の中で休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために一定の就労をすることを認める査証及び出入国管理上の特別な制度である。 原則として、各相手国ごとに一生に一度しか利用できない。オーストリアと日本は2016年に2国間で協定が締結・開始され、比較的まだ新しいです。その後も少しずつ国が追加され、現在ワーキングホリデー制度を利用できる国は、多分22カ国。(2022年1月現在) Wikipedia参照
辞めます!って言ったら、コロナがやってきた。
遡ること、2019年年明け早々。
「もうすぐ30歳なので、人生1度きり、1年くらい海外に住むという経験をしたいので、お仕事辞めます!」
そう高らかに宣言し、上層部や社長にご挨拶し、春で退職する旨を伝えた。
コロナの足音が静かに聞こえていたけれど、すぐ収まるでしょう!全然渡航準備できてないから(この時ビザすら申請していなかった)、ちょうどいいや!ゆっくり準備しよー。秋くらいに出発できたらいいなーと能天気に考えていた。
が、しかし、待てど暮らせど収まる気配のないコロナさん。
各国大使館も軒並みビザの発給を取りやめ始めた。
これは大変なことになったぞ・・・と思いつつも、「スペイン風邪も1年くらいで収まっているし、1年後には飛べるだろう!」と、ここでも最高の能天気ぶりを発揮。
ありがたいことに元職場には引き続きお世話になることに。
「辞めるの止めたら?」と、有難い言葉にぐらつきながら仕事する日々。
毎月お給料が一定額入る正社員・・・本当に有り難すぎる!!!
仕事は好きでした。稀有な業界で、働けたのはラッキー以外のなにものでもないと今でも拾ってくれた上司に感謝しています。(急に)
「あれ?!」 気が付けば、今月31歳・・・!!!
ゆるゆると会社員生活を続行していたら、31歳の誕生日の2週間前でした。
ワーキングホリデービザの申請は31歳の誕生日前日まで。(※国により規定が異なります。)
どうする?コロナはまだまだ収まりそうにない。
もういいんじゃない?このまま暫く会社員で。
ドイツ語はおろか英語も話せない。
通常時さえワーホリは大変なのに、こんな有事の時に行ってどうする?
ビザなしで半年滞在できる国もあるし、コロナが収まってから行けばいい。今の状態じゃ渡航できたとして、大好きな美術館にも劇場にも行けない。
行動の自由がない。
今のうちに英語をしっかりやってトラベル英会話くらいできるようになってから行こう!
・・・直前まで本当そう思ってました。
だけど、あの日、畳の上でゴロゴロしていた私は何故か、何故だか血迷って?いやいや、突き動かされるままに全力疾走した結果、、、
今、ここ(オーストリア)にいます。
このご時世に、日本にいるのも大変なのに、海の外に出ること、たくさん考え、一度は渡航をやめようと思ったけど、でも、年齢は待ってくれないこと、今しか使えない若者特権の有難いビザであること、今回のようにいつかと思っていたら世界はいつでも簡単に180度変わってしまうことを私たちは知った。
考えた末に、この結果に至りました。
ここに至るまで、大使館の方をはじめとし、会社の皆様、お世話になっている歯医者さん、友人、親族、本当にたくさんの方がお力を貸してくださり、この難しい時期の渡航が実現しました。
感謝の気持ちしかありません。
怒られるのを承知で書くと、何かすごく目標があって渡航したわけでも、どうしても叶えたい夢があるわけでもありません。
”ただこの1年、思いっきり海の外の空気が吸いたい”
コロナが現れてから、ギリギリの精神の中、会社の歯車となって人からの心ない言葉にも耐えた。
働いていた業界は、コロナ禍に置いて必要のないもの(不要不急)という一部の人からの風当たりもキツく、けれど私自身は、絶対そんなことはないと信念を持って仕事に従事してきました。
でもこんな時だからこそ、働かせてもらえてよかったと思っています。
耐えた日々の中にもたくさんの学びがありました。
心ない言葉よりも遥かに、応援しています!頑張って!心の支え!と激励のお言葉をいただくことが多かった。この世界には人々を癒す力があるのだと再認識したから。
だけど自分のすり減り切った心を戻すことがどこかできていなくて。
だから余計に、こんな時期だけど、我儘させてもらえるのであれば行こうと思いました。
あたふたな毎日を書き留められたら良いなと思って、noteをつけ始めることにしました。
今まで色んな海外で頑張っている方のnoteを見て勇気をいただいていたので、今、貴重な経験をしている自分も何か少しでもお役に立つことができればと思います。
まだ年齢に余裕のある若い世代の人が、この素敵な制度で海の外へ羽ばたいて、存分に自由に思いっきり知見を広められる日が1日でも早く来ますように。
いま毎日耐え忍んでいらっしゃる旅好きの皆様のちょっとした息抜きに読んでいただけますように。
今なお最前線で戦ってくださっている皆様に最大の敬意と感謝を込めて。
今、海の外にいる身として、
できること、伝えられること、
気負わずゆるゆるとやっていきますので、
少しでも誰かの息抜きになれたら・・・
おこがましいですが、とても幸せです。
どうぞよろしくお願いします。
2022.1 Austria Wienより
いただいたサポートは新たな体験のために大切に使わせていただいています。 新しいカフェ、観劇、美術館・・・まだ見ぬものを求め。