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【映画語り】逆境を力にする

ご覧いただきありがとうございます!
やっぱり映画が好きなようで、映画について書いている時が一番楽しいと気づいた今日この頃です。

突然ですが、皆さんは逆境に直面したことはありますか?
僕自身は、映画や小説にするほどの逆境エピソードはありませんが、辛いことや乗り越えなければいけない壁にぶつかったことは何度かあります。
その時に家族や友人の助けはもちろんですが、「映画」から乗り越えるヒントや背中を押してもらったことがあります。

前回は「タイムトラベル映画」について、異なるタイムトラベルの考え方に触れながら何作がご紹介をしましたが、今回は逆境を力にして這い上がっていく映画をご紹介したいと思います!


■幸せのちから(2006年)

-あらすじ

1980年代、サンフランシスコに暮らす高級医療機器のセールスマンの男性。何より大切な5歳の息子のため懸命に働く彼だったが、折からの不況で仕事は思うようにいかず、家賃の支払いもままならなかった。やがて愛想を尽かした妻に去られ、家賃滞納で自宅からも立ち退きを命じられてしまう。彼は幼い息子と自身のために一念発起。証券会社に転職し、成功を掴むべく奮闘する。

-スミス親子の共演

近年は色々ありましたが、ハリウッドの大スター俳優であるウィル・スミス主演の「幸せのちから」についてご紹介したいと思います。
この映画の見所の一つは、ウィル・スミス演じるクリスと、その息子であるクリストファーを演じるジェイデン実の親子であることです。
やはり実の親子であるため、演技以上に観てる側に魅せるものや感じさせるものがあるかなと思います。

また、ジェイデンは本作がデビュー作です。
その後もジャッキー・チェンと共演した「ベスト・キッド」や、再び親子共演で話題となった「アフター・アース」などに出演しています。
現在は、歌手活動にも力を入れており、「GOKU」という曲は僕のお気に入りの1つです。

-息子のために

あらすじにもあるように、奥さんにも逃げられてしまい、家も追い出されてしまった時、普通ならもう諦めてしまいますが、クリスには守らなければいけない息子クリストファーがいます。
なんとか2人で生きるため、乗り越えるために出来る限りの行動をとります。
家を追い出されたので帰る場所がなく、息子には遊びを装いますが、駅のトイレで夜を明かすなど辛い経験もします。自分の息子にそんな不憫な思いをさせてしまったこともあり、クリスの目には涙が浮かんでいた時、観てる側としても苦しい気持ちが込み上げました。

-本当の話

実は、実在する実業家クリス・ガートナーの半生を描いた実話です。
ここで実業家と紹介しているということは、彼は成功を収めるわけですが、そこまでにはかなり厳しい道のりが待っています。

証券会社の養成コースに願書を提出する。半年間の研修期間で定員は20名、その中で選ばれるのはたった1名。しかもそのためにはまず研修生に選ばれることが必要だった。そこで彼は人材課長のトゥイッスルに近づき、彼が持っていたルービックキューブ(当時テレビにも取り上げられるほど大流行していた)を数分で完成させ、驚かせる。そうしてトゥイッスルに認められたクリスは研修プログラムに合格、参加することになる。だが研修期間中は無給であった。もし1名に選ばれなかったら半年間が無駄になる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B8%E3%81%9B%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%81%8B%E3%82%89_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

なんとか仕事を探そうと証券会社の養成コースに挑み、その研修も20名の定員があり、しかも選ばれるのは1名。かなり狭き門です。
クリスは持ち前のスタミナでなんとか合格をしましたが、そこからは無給の生活。楽な道ではありませんが、目先だけには囚われず、最終的には成功を勝ち取ります。

-幸せは当たり前ではない

この映画を見ると、「幸せ」は当たり前ではないと強く思います。
僕の育った家庭も特別裕福ではありませんでしたが、それでも両親に愛を注がれて、大学まで行かせていただき、好き勝手遊ばせてもらって今に至ります。
自分が育った環境が当たり前ではなく、逆に自分が家庭を持った時にクリスのような逆境に直面するかもしれない。その時に僕はクリスのように「幸せ」を勝ち取ることが出来るのか?
誰しもがクリスと同じ状況であった時、諦めずに突き進むスタミナやパッションがあるのか、挫けてしまわないか。
やはり「諦めたら、そこで試合終了」のスラムダンク安西先生の名言は正解なのかなとも思います。

この映画は、苦しいクリスの半生に同情するものではなく、彼が「幸せ」を掴むため、逆境に立ち向かう姿勢を学ばせていただくものだと考えています。

■素晴らしき哉、人生!(1946年)

-あらすじ

いつも逆境に置かれる運命のジョージ。他人のせいで大金を失った彼は、全てに絶望して自殺を図る。そして、12月の冷たい川に飛び降りようとした瞬間、彼より先に身を投げた1人の男が助けてくれと叫ぶ。慌てて救い出したジョージに、男は自分が見習い天使であることを告げる。

-アメリカでは教材にも

Wikipediaによると、アメリカではどの大学の映画学科でも、この映画を必ず見せて、学生の指針としているとのことです。

-人生は上手く行かない

あらすじにもあるように、ジョージの人生は逆境の連続です。
ジョージは小さい田舎町を出て、世界を見て回り、大学を出た後に都市計画に携われる建築家になりたいという夢を持っています。
しかし、お父さんが倒れてしまい、実家の家業を継ぐことになり、自分の大学進学資金は、跡を継がない弟の大学進学に使われてしまい、町の富豪がジョージの会社を潰してやろうと画策されるなど…。

「いや、どうなっとんねん」と思ってしまうほど不幸の連続です。
この映画はファンタジー映画のジャンルにもなるようですが、現実でも家業を継がなければいけないので、夢を諦めるなんてのはありそうですよね。
僕の父も、祖父が会社をやっていたため、それを継ぐために企業に就職することなく、大学卒業後に家業を継いでおります。僕の父は既に亡くなってしまっているため、「大学卒業後に本当はやりたいことはなかった?」と聞く機会はもうないですが、ジョージにも夢があったように、父にもあったのかな?と少し考えてしまいます。

-不幸の中にも幸せはある

悪い出来事ばかり挙げてしまいましたが、その中でもジョージは学生時代の恋人と結婚をして、貧しいあばらやをリフォームして新婚生活を楽しみ、4人の子宝にも恵まれるなど幸せな時間を過ごします。

アメリカだとアメリカンドリームという言葉があるぐらい、やはり夢を掴みたいという思いをエネルギッシュな人間であれば皆持っているのかなと思いますが、夢を叶えることが出来なくても、幸せの形はそれぞれなので、苦しい状況でも光を見つけることが出来ると思います。

ま僕の話で恐縮ですが、先述の通り父は家業を継いで自営をしていましたが、リーマンショックの不況でかなり苦しい状況になっていたようです。
しかも、一緒にやっていた祖父が癌になるという(後に癌は完治し、90歳まで生きます)ダブルパンチの状況ですが、そんな中でも家族でUSJやディズニー、色んなところに旅行に連れて行ってくれた思い出が強く残っています。

当時、まだ子どもの僕はあまり深く考えられていませんでしたし、そんな状況にあったことを知るのはもっと先のことですが、今思えば苦しい状況を不幸と例えるならば、そんな状況だからこそ楽しくありたい、幸せな思い出を作りたいと父は考えていたのかなと思います。

-人生は素晴らしいもの

さて、ジョージの話に戻りますが、ジョージは一緒に仕事をしていた叔父のハリーがポンコツ過ぎて、会社の資金を落としてしまいます。それによってもう首の皮も切れてしまったといったいいぐらいの危機的状況に陥ります。
その結果、ジョージはヤケクソで人生を終わりにしたいと川に飛び込もうとしますが、その時に2級天使のクラレンスと出会い、「ジョージがいなかった世界」を見せます。
ジョージがいない世界では、もっと状況は悪化しており、家業はとっくの昔に廃業しており、結婚するはずだった奥さんも未婚のまま、図書館で働きながらひっそりと暮らしています。
その状況と今を比較して、ジョージは「自分の人生は素晴らしいものだった」と考えを改めるのです。
最終的には会社の資金が無くなってしまった奥さんが、町の人たちに助けを求め、町の人たちもジョージやその一家には長年助けてもらったこともあり、失った以上の金額の寄付が募って、会社は廃業を免れ、幸せを噛み締めてハッピーエンドとなります。

ジョージは貧乏くじを引いたり、色々とトラブル続きですが、その中でも不幸だけに目を向けなければ、幸せを見つけることが出来るという素晴らしい映画です。
「人生、そんな上手くいかないよ」など思う人もいるかもしれませんが、個人的にはそう思ってしまっている時点でジョージとは違う選択を取ってきてしまっているのかなと思いますし、それは僕自身にも言い聞かせていることでもあります。

■フォレスト・ガンプ(1994年)

-あらすじ

母子家庭で育ったフォレスト・ガンプは、知能指数は人に劣るものの、並外れた足の速さと誠実な人柄の持ち主。激動の時代の中、その俊足と優しさで周囲の人たちを助け、また自身も助けられながら、彼は波乱に富んだ人生を駆け抜けていく。

-一期一会

ロバート・ゼメキス監督のフィクション映画です。
主演はトム・ハンクスで、トム・ハンクスがフォレスト・ガンプの高校以降を演じています。
邦題では「一期一会」がついているのんですが、その通りで色んな人たちとの出会いや経験を通して、成功していくフォレストという男を見ていく映画となっています。

フォレストは知能指数が少し低く、背骨が歪んでいるためまともに歩けず矯正器具をつけているようなハンディキャップを持っていました。
決して恵まれてはにいないフォレストですが、高校・大学ではアメフト選手として活躍をすることになり、その後はベトナム戦争の従軍経験を通して友を見つけてかけがえのない経験をし、退役後は全米卓球チームに所属、会社経営を成功させます。
ストーリー的には割ととんとん拍子で進み、フォレストの意図しない形で成功を収めていきます。

-想い人、ジェニー

幼少期からの唯一の"親友"であるジェニーがいます。
次第に友情から恋に発展していきますが、ハンディキャップがありながら成功を収めていくフォレストと対照的に、ジェニーは大学を退学し、その後ストリップで働くなど落ちぶれてしまいます。
ジェニーは父親に性的虐待を受けていたなどの背景があり、そういったものが積み重なって暗い影を持つ人物となっていきます。
フォレストはベトナム戦争に出征する前に、ストリップで働くジェニーのもとを訪ねますが、客に酒を浴びせられたり暴言を吐かれるなどを目にし、ステージからジェニーを退避させようとしますが、ジェニーはそれを迷惑がり、「こんなことはもう止めて。干渉しないで」と言われてしまうます。「止められない。君を愛しているから」とフォレストは言いますが、ジェニーから「フォレスト、あなたに愛が分かるの?」と冷たい言葉を吐かれてしまいます。
幼少期からフォレストを知るジェニーだからこそ、知能指数が低い彼が細かい感情を理解できるのか?と思ったからでしょうか。
観ている僕も、フォレストは実直で優しい青年であることは分かりますが、時に機械的な表情や発言をするため、ジェニーの言葉も理解出来ました。
なんだかんだあり、最終的にはフォレストとジャニーは結ばれることとなり、子どもを授かりますが、ジェニーはウィルス性の病に侵されて亡くなってしまいます。

-ママの口癖

僕のママの口癖は『人生は箱入りのチョコレート。食べるまで中身は分からない』

ママ

映画冒頭でバス停のベンチに座るフォレストは、隣に座る女性に持っているチョコレートの箱を差し出し、ママの口癖を言いながら過去を振り返ります。

-ダン中尉のセリフ

「いいか、よく聞け。人間には運命ってのがある。生まれながらに運命は決まってるんだ。あの時、おれは部下と死ぬ運命だった。なのに、今はこんな…情けない役立たずだ…!生きてる人形だよ…!見ろ!ほら!よく見ろ!分かるか?脚を使えない体がどんなもんかお前に分かるか…!」
「誰のためにこうなったんだ。わかってるのか。おれの運命は名誉の戦死だ。あそこで部下と死んでいくと決まってたんだ…!それが運命だったんだ!おまえは…!それを邪魔したんだ!!」

ダン中尉

ベトナム戦争で両足を失ってしまい、その現状に絶望をして、勇敢な”ダン中尉”として立派に戦死したかった思いをフォレストにぶつけます。
それに対し、フォレストは「今でもダン中尉のままですよ。」と伝えます。

-恋人の墓前で呟く

「ママが言っていたことが正しいのかダン中尉が言っていたことが正しいのか、僕には分からない。人には運命があるのか、それとも人生は風のように偶然なのか...? 僕が思うに、両方が同時に起きるのかも...。君に会いたい...」

-どこが逆境なのか?

フォレストは成功を収めますが、その周りの人たちはそうではなく、ダン中尉やジェニーは逆境の人生と言えるでしょう。
映画を見てもらえれば分かりますが、自分たちにはないフォレストの真っすぐさを受けて、彼らは考えを改めて乗り換えていきます。
またフォレスト自身も、出会ってきた人達との関わりを通して、ジェニーの墓前でのセリフのように人生や運命について発言しています。運命は決まっているのか、偶然なのか…。
運命は生まれた環境なんかである程度決まってしまうこともあるかもしれませんが、自分のしてきた行動や周りとの関わりで変わることも可能かと思います。
フォレストはスタート地点では周りよりもハンディキャップがあったかもしれませんが、よいスタートを切っても壁にぶつかり、挫折を経験することはあるかと思います。その挫折や苦難を運命だと捉えて立ち止まるのか、人生は風のように流れていくと考えて乗り換えて行くのか。
シンプルだけど深いテーマだと僕は感じています。


■辛いことを乗り越えるために

冒頭でも触れましたが、僕自身辛い経験や壁にぶつかった経験はあります。
大学受験の失敗や、長く付き合った恋人との別れ、新卒入社した会社がブラックだったこと、あとは仕事での大きなトラブルあった時や家族が重い病気になったり…。
その時に逃げ出したいと思ったり、現実逃避で考えることを放棄しようとしたことも多々ありました。
ですが、人生山あり谷ありで悪いことばかりではないし、悪い時は悪いことに目が向きがちになってしまうため、良い時のことを思い出すようにしました。良い状況にもう一度身を置くための試練だと考え、歯を食いしばって乗り越えようと思ったのです。
それが今ではいい経験となり、自分を成長させてくれたと前向きに考えています。

僕の話になりますが、直近勤めていた会社を退社する際に、最後に社長と話す機会があり、社長から言われたことが強く残っています。

これから仕事以外でも嫌なことや辛いことは必ずあると思う。俺も今まで色んな経験をしてきた。もし、お前の前に楽な道と辛い道があった時は、辛い道を選びなさい。絶対にそれが力になる。

恐らく自分やより若い世代の人からすると、根性論かと思います。
ただ、僕は社長が言った言葉は真理だと思っています。
やっぱり人は経験以上のことは出来ないし、経験を通したことしか真には語れないと考えているからです。
また別の機会にも話したいと思いますが、社長は色々な経験をされており、新聞やネット記事でもその実体験を知ることが出来ます。その情報を見る限り、社長は簡単な道を歩んでおらず、僕と同じ年の頃はかなり悩み、苦労もされていたようです。その実体験を通した考えや思いを、直接自分の口から社員一人一人に伝えていただく機会もあり、人生において尊敬する人の一人です。

今回ご紹介した3作の主人公たちも、みんな楽な道は通ってきていないかと思います。経験や出会った人たちを通して乗り越えています。
彼らも目先の楽な道を選んでいたら、結果は違っていたかなと思います。
皆さんはどう考えますか?

気になることやご意見あれば是非コメントやInstagramのDMなど頂ければと思います!

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