崩壊
忌々しい生への解脱を目論む、刺激的な夜に潜む黒い犬、詐欺みたいな空虚感を孕んだ依存性、成否に屈従した十字軍の侵攻や、過激な思想をクラッキングしている、代償を謳った義務感、黄昏に沁み入る復讐を掲げたルサンチマンの祝福や、現時点を切り刻むファシストのよれた声、たった、数千年繁栄した事実などは、すぐさまリセットされ、更地になり、誰もいなくなってからが、私の時代になるなどと、現をぬかすよりも、この、泥濘に澱んだ一説を閉じ込めて、セオリーに反し、反社会性なんかが、云々と、似たようなセリフを騙るような奴らが謳う、優生思想に騙されては、いけないし、誰が死んでもいいわけないし、言い訳ばかりだし、馬鹿にしたらいけないし、言い続けているものが、ここで、いい加減に作用し、有する価値に迫るカタストロフや、ロストしていくら真実や、そこに備わるものや、そこで見え隠れするものを、簡単に信用してはいけないし、陰鬱な衝動が長ける、退廃的な秩序にかさばる余韻が、侵食しては、今を腐敗させるだけに至るような、言葉で、真理を汚したり、軽薄な理想を掲げた、印象派の絵の中を、黒い油絵具で汚すような、快楽の最中、定めもなく、吸い取られる意識に加速し、重複する意味に、服従することもしないで、支配から逃れるために、蝉蛻した私は、世界的な陰鬱さや、この、完治しない苦悩を抱えた、能動的な悪意に格納された、ミサイルが飛び交う独善的な朝、人間なんてものは、始まることも、終わることもなく愚かなものではあるが、もう二度と、このような世界は、生まれることすらないから、今をすぐさま書き換え、修復し続ける。