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原理

ふくよかな感情に噛み付く柔らかい牙、ダンサブルな予感に降り注ぐ黒い雨、排斥された愛が転がる裏通り、ニヒリズムに吸い込まれた嗚咽やら、汚穢やらの住処、感染症により、敷衍して行く苦しみの跛行、遠退く意識が、やがて、システマチックなものを厭う限り、翳って行く値や、縋るだけの君たちの威厳や、陰鬱な焦土を彷徨う空虚な意味の波形、マカロンで出来たタイヤで走る未来の車や、規制されるための原理に寄りかかる女たちが促す終焉、エンドロールに絡まる長い髪や、夢の中で滑落し続ける君たちの悔悟のようなもの、理性や制限を飛び越えるカエルたちのフレキシブルな脚、分断を生むだのと、嘯く奴らの配下にはならず、このまま、ならず者として、姿勢を正すべきなどと、付きまとう運動家たちの憂鬱により、咽び泣く健気な彼女たちの虚空、矯正施設に送り込まれた反体制派の親子、刹那に轟く思想を崇めるほどに食い込む憎しみ、夢魔と踊るロジカルな老人や、拒食症の猫、政府による、計画的に与えられた、継続する苦しみにより、疲憊して行く精神、国家により、与えられた名前により、屈辱を編み込んで行く母の手、領土を奪い合うために生まれた人類であると、教え込まれた学校への反発、換金されるだけの、打算的な日常に迫る狂気、規制されるだけの現時点や、軽率な伴侶を迎え入れ、今を改ざんして、支配し続ける事により、従順にならざる終えない市民たちが謳うニセモノの使命感、咎められるほどに増して行く快楽の道具たる人々が、理由付けるものや、意思にかかる靄なんかを掻き消し、重複する苦悩を超越するためだけに、この命は輝きを放ち、歯止めもなく現れる憎しみのようなものを蹴散らして行く。

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