見出し画像

CTOが考える文化と価値観、そして未来のはなし ~2020年、晩夏~

MF KESSAIの様々なメンバーにインタビューをするこの企画。今回は、MF KESSAI立ち上げから参画し、CTOを務めている篠原さん(@shinofara)にお話を伺いました。

Profile

篠原さんプロフィール写真

篠原 祐貴 Yuki Shinohara
MF KESSAI株式会社 取締役CTO
EdTechベンチャーのCTOやHealthTechベンチャーのマネージャを経て、2016年12月に株式会社マネーフォワードへ入社。その後、同社グループ会社であるMF KESSAI株式会社の2017年3月立ち上げにCTOとして参画し現職。「開発者がより効率的に開発にできるようにする」をミッションにしている。2019年2月より取締役就任。
多趣味。 #ボルダリング #スノーボード #ダイビング #カメラ #低温調理

今ある良い文化と、それを守っていくことについて

― 今まで篠原さんフォーカスの自社記事があるようで無かったので、今回は色々とお話聞かせてください!

篠原:よろしくお願いします。

― では、まずは自己紹介も兼ねて、現在の業務について伺えますか?

篠原:SRE、あるいはCTOという立場でプロダクト開発に関連する横断的な技術検討をしたり、いわゆる情シスの役割もしています。

あとは組織作りの面では、採用に限らず、開発組織としての価値観について考えをまとめて伝えていったり、制度面の検討をしたり、そういう文化づくりにも時間を使っていますね。

― なるほど。特にやりがいだったり、楽しさを感じる時ってどんな時ですか?

篠原:具体的な瞬間ではないのですが、それぞれのチームやメンバー各自が裁量を持って動けていて楽しそうにやっているように見えるし、そういう雰囲気が生まれているのが良いなと思いますね。

当社は事業の性質やトップの冨山さんの性格上、掲げている目標が現実的というか、夢物語みたいなものじゃない。目指している状態が具体的にイメージしやすいのが特徴かなと思っているんですけど、だからこそメンバー全員が同じ方向を見やすいのかなと思います。

加えて、トップがマイクロマネジメントタイプではなく、目標を決めたらそこへの向かい方はそれぞれの責任領域のメンバーに任せられているので、こういう裁量の大きさが生まれているんですよね。

これはもう当社の文化になっているので、自分がやるべきことは、こういう良い文化を残し、逆に悪い文化があれば消していくことなのかなと思います。

― 確かに、この自由と責任の文化は、当社らしさの1つに感じますね。

篠原:そうですね。なので、逆に「決まっていないと動けない」という人にとっては難しい環境だとも思います。

裁量を与えられる分、抽象度の高い課題に取り組んで解決していける、そしてそれを楽しめる人が合っていますね。

― なるほど。その他に当社にマッチする要素を挙げるとしたら、どういったところでしょうか?

貪欲で、自分の役割を決めず、新しいことを取り入れて自分を変えていける人が今の当社には合っていると思います。

例えば、「自分の役割は●●だからこれしかしません」であったり「今までこういうツールを使ってきたのでこれでやります」というような考え方ではいけないと思うんですよね。

今までやってきたことや使っていたものを選択する方が早いのは、それに慣れているだけです。それよりももっと新しいことを学んで「もっと良いものを」と追求していかないといけない。

これまでのことや今の自分の状態、あるいは既成概念に囚われると、本来できるはずのこともできなくなってしまいます。

理想を起点に「どうしたらできるのか」を考えて、自分が成長するのか、人を巻き込むのか、あるいは外から連れてくるのか、など様々な選択肢を考えて行動が出来ることが重要ですね。

もちろん、エンジニアのような専門職は今使っている技術などをベースにせざるを得ない部分もあるのですが、そういう場合も、理想から逆算した思考も混ぜ込んで考えていかないといけないかなと思います。

― ありがとうございます。先日エンジニアの大菅さんにインタビューをした際も「妥協が無い」と仰っていましたし、こういった考え方が現在の開発組織に浸透しているように思います。

篠原:そうですね。専門領域があるにしても、役割を自分で決め切ることはしないですね。変化に柔軟で、変化を受け入れたり、自分自身も変わろうとし続けるスタンスを持っていると思います。

あとは、意思決定者ひとりひとりがハードルを高く目標設定をしていて、結果として組織にいい感じに負荷がかかり、変化や成長が促される状態を作れていると思います。

例えばプロダクトオーナーって、チームメンバーのスキルからボトムアップで見積もって「これくらいだよね」と落ち着けがちだと思うんですけど、うちはそれをしないんですよね。

ただ、別にメンバーを育てるためとかそういうマネジメント的な発想ではなくて、自身も成長したいと思っているし、自分たちへの要求も高く持っていて、自分たちで自分たちに負荷を与えている状態なんだと思います。

― 素晴らしいですね。開発メンバーも増えていく中で、こういった価値観が維持され続けているのは、意識的に取り組んできた部分もあるのでしょうか?

篠原:そうですね。人が増えていくタイミングでは、文化の作り方が大事だと思っています。

例えば、人が増える過程で専門領域ごとに組織を分けても、裁量を与えて任せるだけだと個別最適になってしまいます。そうなってしまうと、何か全社横断での取り組みをしようとしたときに「今まで通りで良いじゃん」や「自分たちは自分たちでやってきたのでやらなくていいよ」という声が出かねない状態になってしまう。

そうなると、横断組織が重要な施策を推進できなくなってしまいますよね。そうならないために、組織が分かれていく過程でも全員が「全体のため」と思える状態を作れるかどうかが重要だと思ってます。

やり方は色々あると思うのですが、評価制度運用の仕方も大切なことの1つですね。よくある話ですが、例えば個人のKPIまでガチガチに作り込んで、かつそれだけを主要な評価指標としてしまうと、「組織のため」というアクションが評価されない環境になってしまうし、メンバーのそういう意欲も削いでしまいますよね。

これはつまり、評価制度の主目的が「組織や人の成長」ではなく「人を厳密に評価する」ということになってしまっている状態なので、こういう運用は避けなければいけないと思っています。

理想の未来を作るためには

― ここからは、ちょっと未来に視線を向けてお話を聞いてみたいと思います。いきなり突飛な質問をしちゃうのですが、当社って将来的にどんな感じになっていくと思いますか?

篠原:今後の事業成長の理想から考えると、近い将来、BtoBの後払い決済という領域では現在の競合他社と比較すらされず、圧倒的に優位な立場を作れている状態になっていないといけないと思います。仮にそうなれなかったとしたら、どこかで成長が止まっていることを意味しますし。

― 確かに...。なかなかチャレンジングですね。

篠原:そうですね。それにはユーザーに価値を提供し続けていくしかないと思います。

最低限、ストレスなく、当たり前に使えるものであり続けないければならないですね。そしてそれにはパフォーマンス向上という話だけでなく、変化を起こし続けて、どんどん便利になっていると感じ続けてもらうことが必要だと思っています。

どういうことかと言うと、例えばQRコード決済が登場した時、これまでの現金決済と比べて便利だって思いましたよね。でも最初は感動したとしても、使い慣れていくとそれが当たり前になって、なんならストレスを持ち始めることもあると思います。

例えば「スマホでアプリ起動するの面倒だわー」って思うようになったり。また新しい手段が生まれたとしても、結局その繰り返しだと思うんですよね。

こんな感じで、どんなに便利なものでも、同じものを使い続けているとストレスすら感じ始めるので、ストレスを感じずに当たり前に使ってもらい続けるには、サービスを向上させ続けていくことしかないと思うんです。

それに、例えユーザーであり続けてくれたとしても、「ストレスを感じつつも、これしかないからしょうがなく使っている」ではなくて、「これを使いたくて使っている」という状態であってほしいですよね、サービス提供する身としては。

― 確かにそうですね。改めて、終わりが無いなと感じました。こういう未来にを現実にするために、自身を含めメンバーはどういうアクションやマインドが必要だと思いますか?

篠原:●●年後にはこうなっていたい、という明確なビジョンを全社員で共通認識として持ち続けていることの必要性を感じています。

足元の課題ベースだけの行動になってしまうのではなく、なりたい姿や状態から今の意思決定をしたり、行動を考えたり出来る状態が理想です。

そして、先ほど話したように貪欲に自身を変化・進化させながら、高いハードルを超えていくマインドを持つことですね。

そのビジョンを誰がどうやって定義し続けるのか?について、色々やり方はあると思いますが、自分も考えるとしたら、現状は一旦忘れて、「組織として何を創り上げたいのか」の理想を考えていきたいですね。

― なんだかワクワクしますね!本日は、篠原さんの考えにディープに迫れたインタビューだったと思います。ありがとうございました!

篠原さんお気に入り写真

<「なんか篠原さんっぽい写真ください」と言ったら渡された、篠原さんの最近のお気に入り写真な、満天の星空@波照間諸島にて撮影>

---
【PR】篠原さんも出演している、MF KESSAIのエンジニアが技術的なテーマを中心に緩く雑談する『MF KESSAI tech_chat(テクチャ)』もよろしくお願いします!

インタビュー・執筆
井上 玲 Rei Inoue

MF KESSAI人事。趣味といえば、社会人になってからやり始めた登山やアウトドア。最近これに加えて筋トレが仲間入りしようとしており、Twitterで知人がシェアしていたことをきっかけに中山きんに君の「ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】」にハマっている。筋トレ手法に限らず、栄養面などのTipsも紹介している、女性にもおすすめのチャンネルである。


この記事が参加している募集

社員紹介