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今宵もそれぞれの夜を過ごす。

1月15日、午後11時。

仕事の休憩がてらに外へ出た僕は、背伸びをしながら空を見上げる。真っ暗で何も見えない。

それもそのはずだ。秋田県の上空には現在、ものすっごい低気圧が鎮座しちゃっている。というか、秋田県だけではなく、日本海側のほぼ全ての県に乗っかっているみたいだ。

まったく、本州の上半分を占領するなんて贅沢な身分だな、低気圧さんよ。

だから僕は今、暴風雪の中、寝間着(ねまき)の状態で空を見上げている訳だ。

ほぼほぼ水平に降る雪が、体中に容赦なくぶつかってくる。雪があたる側の半身は、一瞬で真っ白に染まった。

せっかく少し微睡(まどろ)んできていたと言うのに、雪とともに眠気もどこかへ飛ばされてしまったようだ。

思えば、僕がここでこうして過ごしているのと同じ時間に、南国のビーチで月光浴を楽しんでいる人もいるんだろうな。ほんまに、羨ましいZE。その暖かさ、少し分けてくれないか?

ああ…凍てつく寒さで脳みそがやられてしまったようだ。今日はなんだか、しっちゃかめっちゃかな文体になっちゃっている気がするね。まあいいか、そんなもんさ。

とりあえず、お気に入りの音楽でも聴いて、明日への活力を充電しよう。充電充電また充電。充電ッ!デデンデンッ!

寺尾紗穂 「九年」

思い出すよね こんな夜には
月がこんなに 明るい晩には
あの日の海を あの日の風を
宿に戻って 光の中で
小さな少女の 言葉さえも
心の中に いつまでも
ひっかかって しまったよ
時がたったよ いつの間にか
九年もの月日が 過ぎたよ
少女の幼さは凛と背伸びした はにかみへと変わったことだろう
私たちこの間に どれだけ人を抱きしめたろう
私たちこの間に どれだけ人を愛せただろう

寺尾 紗穂「九年」より

ふう、明日は明日の風が吹く。
でも、暴風雪だけは勘弁な、ほんまに。






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