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「職業:スポーツアナリスト」になるまでの軌跡❹

はじめまして
METAFOOTBALLアナリスト部門担当の"Sou"です。
現在、プロのスポーツアナリストとして活動する傍らスポーツアナリストを目指す若者へのキャリアサポートをしていきたいと思い、2020年4月から"METAFOOTBALL"の活動を本業と並行して始めました。

今回の記事は、将来スポーツアナリストを目指す方にとって、1つのモデルケースを知っていただければ、何か参考になることがあるのかもしれないと思い立って執筆致しました。
(※高校生・大学生向けの内容になっております)

私の半生を振り返ると今のキャリアを築き上げるために何度か大きな決断をしていることに気づきました。
以下の順番で記事をアップしていこうと考えています。
大学選択
選手 or スタッフの選択
大学卒業後の進路選択~就活の現状~
❹学生生活、最後の進路選択

❹学生生活、最後の進路選択

第1編から第3編(高校から大学)までは、スポーツアナリストを目指すまでの過程をお話してきました。
ざっくり言うと、"将来の夢"みたいな展開でしたが、第4編は夢から"目標"と意識が変わり、どのように「職業:スポーツアナリスト」を達成したのかについて執筆していきます。
これが最後の章になるので、最後までお付き合いいただけたら大変嬉しく思います。

◎大学院に進学した理由とは?

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実際、研究したい気持ちもありましたが、スポーツアナリストになるために戦略的な視点で説明すると、本音はこのようなイメージです。
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①リクルートのための強み(アピールポイント、実績)
②トップの世界で活動するための強み(スキル、経験)
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私は選手としてもスタッフとしても特に目立ったキャリアがなかったので、まずは「スポーツアナリストとしての強みを作ること」を2つの視点から考えた結果、上記に挙げた進学理由につながっていきます。

◎4つの目的(進学理由)の詳細
★体系的にスポーツ科学を学び直す
国内のトップレベルのチームに所属するスタッフはトップレベルの競技経験を背景に持つ指導者が多い印象があり、私にはそれがなかった。
せめて、学術的には高いレベルでの学びを得ることによって、強みにしていきたいと考えました。
そんな時期に、欧州のサッカー界では"ラップトップコーチ"と呼ばれる若手コーチが活躍し始めていた。彼らは若くして指導者を志し、こう表現される一番の理由は「プロ選手としてのトップレベルの経験がない」こと。
サッカー界の巨匠"ジョゼ・モウリーニョ"もその一人です。
彼はスポーツ科学に関する理論をサッカーのトレーニングで実践、応用し、偉大な功績を残しました。。アカデミックな現場から彼のような指導者が生まれたことはスポーツ界に与えた衝撃は大きいだろう。
余談ではあるが、そんな彼もスタッフとしてのキャリアはアナリストのような関わりからスタートしています。

★アナリストとしての現場経験を積む
大学院入学前はそもそもアナリストの経験が1年弱しかなかったので、現場経験を積みたいと思うのは自然な流れでしたが、他の方々と異なっていたのは、特定の競技種目にこだわらない関わり方をしたい思いました。
なぜなら、”大学では”サッカーコーチング学”といった専門的に学べる講義はなく、実技として”サッカー”があったり、一般的な"コーチング学"といったものが体育系の大学では開講されていました。ましてや、”サッカーアナリティクス学”などもなければ、私の通っていた大学では”スポーツアナリティクス”といった一般的な基礎知識を学べる講義さえありませんでした。
従って、一般的なアナリストの関わり方や分析の基礎を学びたいと考え、大学院生時代にスポット(一定期間のみの帯同)も含め、計5種目の競技現場でアナリスト活動をしていきました。
また、現場経験の場を選ぶ際に「職業:スポーツアナリスト」がすでにいるチームをオススメします!!
メンターとなりうる存在がいることは、現在、大学で体系的に学ぶことが難しい状況の中で成長を手助けしてくれる貴重な存在になってくれるはずです。

★スポーツ界の人脈を広げる
・情報を収集(共有)できる
・各分野の専門家に相談できる
上記の理由から、私は自分で名刺を作成したのち、学会や他大学の勉強会、セミナー等で名刺を渡したり、連絡先を交換したりしました。
 ※もしも、LINEなどを交換できるのであれば、名刺交換よりもオススメ
また、現場経験の最後の内容に通ずるのだが、プロのアナリストがいるチームとなると必然的に各競技種目のトップチームになるので、スポーツ界に影響のある方々との人脈を構築できるチャンスにもなります!!
最大の理由】(今振り返って見ると)
トップチームに正式加入したいと考えている場合、チームスタッフが公募されているのは稀です。業界内の関係者にしかリクルートの話が回ってこないように私は感じていました。
情報の収集は専門知識のことだけではなく、リクルート情報に関する収集も合わせて行うと良い。

★修士号を取得する
近年、日本ではコーチングランセンス制度を導入している競技種目が見受けられますが、スポーツアナリストには”資格”(ライセンス)と言うものは存在しない。
では、「資格がない場合は何を示していけばいいのでしょうか?」
言い換えると「チームから”信用”を勝ち取るために何を公的に示せるか?」
→競技実績? 指導実績? コーチングライセンス?・・・etc

ある時、知人から海外のスポーツアナリストの雇用条件の話を聞いた際に
"Master of Sports science" = スポーツ科学における修士号
を挙げているチームがあったと聞きました。
日本でも某スポーツ科学研究所の雇用条件に”修士号”があり、今後、日本のスポーツ界でも研究者に限らず、アナリストにおいても修士号の取得がリクルートの際に強みになるのではないかと考えたのです!

最後の進路選択(※実際のエピソードを書き起こしました)

大学院時代は4つの目的を達成することが、「職業:スポーツアナリスト」への道を切り開くことができると信じ、ハードワークを続ける日々を過ごしました。
結果的に、修士論文の最終発表会を終えて4つの目的を達成できたと肌感覚でありました。
しかし、肝心の就職先が決まっておらず。。
そのまま時は流れ、いよいよ卒業式を迎えました。
やはり、「職業:スポーツアナリスト」としてトップスポーツ業界に入ることでさえ、険しい道なのだと改めて痛感させられ、自分の将来についてもう一度考え直してみました。
ここで悩みに悩んだ末に最後の決断を下しました!!
ここまできたら大学院卒業後に普通にサラリーマンをするという選択肢はなかったのです。
大学院まで進学し、同世代の友人たちと比べて、すでに社会に出遅れていたので後1年だけ夢を追いかけもいいのではないかという考えから、アルバイト生活をしながらトップレベルの現場経験を積もうと決めたのです。
つまり、”フリーター”を自ら選択し、これは私にとって大きな決断でした。両親へも熱意を持って説明し、理解してもらいました。

20◇◇年3月30日、突然、一本の電話がかかって来ました!?!?
あるトップチームから、スポーツアナリストとしての正式なオファーの連絡でした。

ー完ー

❹学生生活、最後の進路選択-まとめ

大学院時代の2年間はとても充実した日々を過ごすことができました。
私にとってはこの期間が「職業:スポーツアナリスト」になるために欠かせない時間でした。
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①リクルートのための強み(アピールポイント、実績)
②トップの世界で活動するための強み(スキル、経験)
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これらの強みを作るために”理論と実践”をテーマに学びを深めていきたいと思いました。
今振り返ってみて、特に良かったことは学ぶための最高の環境を直談判までして作り出せたことです。
理論を学ぶ環境
日本代表チームのパフォーマンス分析を行っていた実践者であり、研究者としても積極的に実験を行っている教授の研究室に所属し、その教授直々に研究指導までしてもらえたこと。
実践を学ぶ環境:
大学生の頃とは違い、ユース年代の全国大会(スポット)からトップレベルのチームのリーグ戦(インターン)を経験し、アナリスト文化がすでにあるチームでプロのアナリストと一緒に活動できたこと。

◇最後に伝えたいこと
当時の私よりも優秀な学生アナリストはたくさんいましたが、恐らく、「職業:スポーツアナリスト」を諦めた人もいたと思います。
では、なぜ私が「職業:スポーツアナリスト」になれたのか?
その答えは”アピールする力”と”大胆さ(度胸?)”にあったと思います。
(この理由はまたいつか記事にしたいと思います、今は皆さん自身で想像してみてください)
今後の人生を左右する”決断”を迫られたときに、自身の”本気度”が問われる場合があります。
トップスポーツの世界では一般企業とは異なり、突然リクルートに関する話が舞い込んでくることはよくあることのようです。
チャンスさえあればそれを掴みとるだけの”準備”をしているのであれば、私のように自分を信じ、大きな決断をして、大人になって、なお、夢に向かって挑戦する人生を歩むのも悪くないと思います!!

計4編に渡り、拙い文章ながら最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
私自身、初めての取り組みでしたが、1つのモデルケースを知ることで皆様のキャリアプランのヒントにしていただけたら幸いです。



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