Eden
雨の匂いに導かれるまま
妙な懐かしさだけを抱え
たどり着いた最果ての岬で
僕はまたあの奇跡と出会った
会うのはもう3度目だったけど
それに名前があると初めて知って
激しく胸が高鳴った
あの子にも早く教えたい
約束を破ってあちらへ渡る
けれどもあちらでは
すでに使い古されて
とっくに飽きられた幻で
もはやなんの特別でもなかった
一緒に宝箱に入れてきた
ビー玉のキャンディも
折り紙のハートも
あの子はいらないと言った
帰り道はない
残酷がただ眩しい
逃げるように春をほどいたら
澄んだ水が流れ落ちた
少し抗って夏を切ったら
きらきら眩しい宝石が詰まってた
あきらめて秋を開けたら
染まる夕陽が入ってた
そして静かに立ち止まり
優しく冬をめくったら
柔らかい綿に包まれた
あたたかくて心地良い
ここが最後の楽園なのか
エデン また君に会いたいよ
4度目に会えるのはいつだろう
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