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3. 生検手術直後にバレエ(動画)、その後の仕事が辛い

2019年夏に40歳でステージⅠ期乳がんが見つかり、計3回の手術(局所麻酔2回・全身麻酔1回)および放射線治療を経てホルモン治療期間に入りました。 私はピラティスインストラクターをしておりますので身体操作に制限が起こることが最も心配でしたが、術後約4ヶ月(2019年年末時点)で大きな問題はございません。 特に運動が生業の方やスポーツをされている方は「術後どれくらいで動けるのか」が懸念事項となりますでしょうから、参考までに治療の経過を記します。病態は千差万別となりますので、あくまで個人の例としてご覧ください。

センチネルリンパ節生検手術後は痛み止め(ロキソニン)を飲み「腕は上がるので運動して良い」と言われ、そのままバレエのレッスン(生徒として)に向かいました。さすがに「手術当日なのに大丈夫だろうか、いつズキッとくるだろうか、痛みが発生したら止めよう」と考えながらレッスンを受けましたが、痛み止めが効いており無事に舞台のリハーサルまで終えることができました。

当日の動画(39秒)があります。バレエ動画を人様にお見せするのはとても恥ずかしいのですが、乳がん患者さんのご参考までに。

【言い訳】
・右腋窩切開手術直後なので全力で動けてはいない
・乳がんに忙殺され精神的にもショックを受け少ない練習量
・振り入れから1ヶ月程度の練習量
・私はバレエを大人から始めました
(2012年末35歳になる頃から始め、2019年7月40歳時点で約6年半の経験です)

楽曲は音量MAXにしてください
↑術側右、周囲にいる方々は病気や手術のことを知りません

【手術直後の仕事が辛い】
このように病院の都合で急遽センチネルリンパ節生検手術を受けたため事前に休みを確保することができておらず、翌日以降は仕事せざるを得ません。
インストラクター業だけでなく、自営業は信用が全てです。予約してくださっているお客様やスタジオに「自己都合で明日は休みます」などと言うことはあり得ませんので、なんとかなるだろうと入院日まで下記業務をこなしました。

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運動レッスンの負荷は、受講する側とインストラクター側では全く異なります。受ける側であれば痛みのある部位は加減し動作の正確性よりも安全性を優先できます。しかしインストラクターは正しい動きをしっかり見せて生徒さんに理解してもらうことが仕事です。

手術当日こそバレエのレッスンを強い痛みなく受けることができましたが、その後4日間、仕事でのハードスケジュールは肉体的にきつかったです。

術後にできるだけ早い段階でリハビリ(関節動作)を始める目的は可動域縮小を防ぐことです。私は手術直後にバレエを行い、肩関節そのものの可動性に問題は生じませんでした。おかげで関節は動くのですが、翌日以降は傷の癒着が始まり大きな動きでは皮膚とその下の組織が突っ張る感覚があります。術後リハビリの難しい点は、下記の相反する要素にありました。

・関節は固まってほしくないので、動かした方が良い
・創部に繰り返し強い力がかかるとケロイドや瘢痕の原因となるため、術創は固定した方が良い

関節を動かせば固定しておきたい傷口も一緒に動いてしまいます。ケロイドや皮膚の引き攣れが残ったら困るので、グループレッスンは無理でもせめてピラティスのプライベートセッションではバーバル(口頭指示)を増やし見本動作を減らそうと試みました。ですが口で説明しただけで生徒さんが正しく動けるほど身体操作というのは簡単ではありません。「これまでに何度も見せ何度も行ってきたエクササイズだから大丈夫だろうか?」と思いましたが、やはりそんなことはなく「これまでに何度見せ何度行ったエクササイズでも、その都度正しいデモンストレーションを見せることは必要」なのです。一度で駄目なら二度でも三度でもデモしなければなりません。うぐぐ。

右腋窩の手術後、全ての動作に制限がかかるわけではなく、皮膚が引っ張られるのは「右腕を挙上したままの脊柱伸展および左方向への脊柱側屈」でした。

しかしどちらも、ピラティスやストレッチでは頻出動作なのですよねー!「傷口が開いたらどうしよう〜」と怖がりつつもやっちゃっていました(←開きません)。お客様の前で動作を加減して「この先生、身体固くない?」と思われてしまっては今後の仕事に差し支えがありますので、平気な顔で平気な声で指導しつつ心中は怯えていました。

私の場合「ホットヨガスタジオが職場」という環境も難ありでした。手術創は72時間程度で癒合するそうですが、そのギリギリである術後3日で滝汗をかきながら運動しても良いのだろうか。。。防水仕様の絆創膏を貼って挑みましたが、4日目のホットヨガレッスン2本では汗に耐えきれず絆創膏が剥がれてしまい少し傷に滲みました。ひいいい。表皮は接着しても体内で炎症は続いていますし、大量に汗をかいて運動すれば悪化しかねません。

創部の感染や膿みは生じなかったので結果としては乗り切れたのですが、この時期はそれが不安で疲れました。。。順調に予定通りスケジュールが進行すればこんなことはなかったので手術等の予定が狂うのは困りますね。しかし自分一人の都合で決められるものではないので仕方ありません。





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