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個人がするミスその3 計画不良
「個人がするミス」シリーズの続きである。まず、言葉の仕事に関して「個人がする」5種類のミスから書いておく。
1. 学習不足(未知であるためのミス)
2. 記憶の想起不良(その場で正しく思い出せないためのミス)
3. 計画不良(計画の立て方に問題があるためのミス)
4. 注意不足(集中力不足等により起こるケアレスミス)
5. 伝達不足(情報が正しく伝わらないためのミス)
今日は、3の「計画不良」により、言葉の仕事においてどんなミスが生じるかを述べる。
「計画不良」は、一番おそろしい結果を招きかねない
計画不良によるミスは、ひとつ間違えれば納品不能となることもあり得る。お客さんにとって最悪のケースである。
また、睡眠不足になって健康を損なうこともあり得る。自分にとって最悪のケースである。いずれにしても「これだけは避けねばならない」ミスである。
「計画不良」の原因は2つ
言葉の仕事における計画不良の原因は2つに集約される。「工程余裕不足」と「計画外作業発生」である(参考:飯野謙次『ミスしても評価が高い人は、何をしているのか?』)。
工程余裕不足(プロセス進行に無理がある)にならないためには
どのプロセスにどのくらいかかり、どこで「予備日」をとっておかねばならないかをわかっていなかったりすると余裕不足になってしまう。
誰でも計画表は作るだろうが、わたしの場合、出版翻訳校閲は本日のトップ画像のように作っている。
計画表を見ていただくと、「翻訳チェック」と「素読み」のプロセスには必ず予備日をとってある。これは、「翻訳によって時間がかかることがある」「過去にここで予定オーバーになったことが何度もある」ために設定した予備日である。
計画外作業発生(突発的な作業により計画が狂う)はどうしたら防げるか
最もよく起こりがちな計画外作業とは、パソコントラブルかもしれない。いきなりパソコンが壊れることはあまりないだろうが、再起動しても遅い、ネットが遅い、つながりづらいといったことは誰でも経験したことがあると思う。
こういう「一定の間隔をおいて起こりがち」な事象には、「発生を防ぐ」というよりも、それを織り込んだ計画を作っておく必要がある。そのためにすべきことを次に述べる。
解決策:「ひとり反省会」を積み重ねて次からの計画立案に反映する
プロジェクトがひとつ終わったら、誰でも反省はするだろう。だが、それだけでは意味がない。反省をして改善点を探り、「次に活かす」ようにしていかなければ、いつまで経っても改善されない。
うまくいったプロジェクトの理由は2つしかない
プロジェクトが失敗したときは誰でも「反省会」をしていると思うが、うまくいったときもやっておいた方がよい。
プロジェクトが「うまくいった」ときの反省会は5分で終わる。原因は2つしかないからである。
ひとつは「トラブルがなかった」、もうひとつは「新しいことを試したら上手くいった」である。たとえば朝サウナに行ったら頭が冴えて、ふだん8時間かかる分量が6時間で終えられた。サウナの行き帰りの時間を考えても効率的である。また健康の面からも、「やったほうがよい」ことがわかる。このように振り返っていけばよい。
失敗したプロジェクトの「ひとり反省会」で必ず追求しておくこととは
「なぜ失敗したのか?」「どこがNGだったのか?」「改善する方法は?」「計画の間違いはなかったか?」「時間配分でよくないところはどこだったか?」「読みが甘かった部分はどこだったか?」「余裕をもたせられなかった理由は何か?」など、多くの点から振り返る必要があるが、必ず追求しておかねばならない点がある。
「誤りの発端はどこだったか?」である。どこでボタンを掛け間違えたかを、とことんまで掘り起こしておくこと。そうしなければ、またミスが起こる確率が高い。
たとえば、仕事を入れすぎのたであれば「断る」ことを覚えることが必要である。家族のケアならば「誰かにヘルプを頼める」体制を作っておけばよい。ネット回線が途切れがちだったならば、プロバイダーに連絡して見てもらう、等の対策が考えられる。
「自分」の解決策をカスタマイズする
というわけで、計画不良を解決するには「ひとり反省会をして、計画立案にその都度反映させていく」しかない。したがって解決策も個人によって異なってくるのだが、わたしの対策を紹介しておこう。
●週に1日は必ず予備日を設ける:
焦りやすい性格なので、常に余裕をもたせた計画にしておく必要がある
●通院予定を前倒しして持病の薬が切れないようにする:
抗アレルギー剤を毎日飲んでいるので、残りの数を把握して早めに通院予定を入れる
●「計画どおり終わったらこれをする」という「まぁまぁ好き、かつ予約を取っておく必要のない娯楽」を予定に入れる:
「動かせない予定」を入れてしまうとそれがプレッシャーになるタイプなので、自分を「焦らせない」ためにも、大きな予定は入れない。また、予約等をしてしまうと、行かれなかったときに受けるショックが大きく落ち込みが激しい。
それを防ぐため、予約を入れなくていい「お楽しみ(たとえば美術展に行く)」を手帳に記録しておく。これならば、スケジュールが遅れてそれがダメになっても「また次に行けばいいや」と落ち込みが少ない。
こんなふうに、個人でカスタマイズして「自分の解決策」を決めておくと、どんどん計画に活かしていくことができる。やはり「ひとり反省会」で次の計画を着々とブラッシュアップさせていくのがベストである。
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