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JD.COMのOMO戦略を推進する「JDホームストア」

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』では、JD.COMOMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの融合)を取り上げます。

JD.COM(京東商城)は、2020年11月16日、コーポレートブログに「JD HOME: Connecting Online and Offline during Singles Day(独身の日にJDホームストアがオンラインとオフラインとつなぐ)」という記事をアップしました。

ブログ記事では、JDグループでオフラインでの小売り体験を提供する店舗「JDホームストア」は、独身の日(11月11日)、オンラインとオンラインから合計100万人以上が新規会員になったとしています。

JDは、顧客がオンラインでショッピングをする前に電化製品などの商品に手に触れるオフラインの場を提供することを目的に、2016年に「JDホームストア」のオペレーションを開始していました。「JDホームストア」とは、アリババが昔ながらのリアル店舗をニューリテール店舗化「Tmall店舗化」するのと同様(第4回参照)、EC、サプライチェーン、在庫管理、物流/フルフィルメント、顧客データなどを含むJDのデジタルインフラを共有・利用する、既存のリアル店舗です。

「JDホームストア」は、JDグループのOMO戦略とそのエコシステム構築において重要な位置を占めています。一方で、JDは、「JDホームストア」のオーナーが店舗をより効果的に運営できるよう、ライブストリーミング、集客、1時間以内配送等など、さまざまなサポートを提供。互いにエコシステムを強化しているわけです。2020年11月時点で、2000の「JDホームストア」があるとされています。

この『戦略をアップデートする』でも何回か中国のOMOに言及してきましたが、「アリババ陣営 vs. JD.COM・テンセント陣営」のOMOでの競争はますます熾烈になっています。

田中道昭

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