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もし今日で仕事を失ったら。最悪な状況から、どう抜け出すか?

子育てをしながら、Amazonプライムで映画やTV番組を見るのが習慣になっている。

読書も好きだけど、子育てをしながら本を読むのはちょっと難しい。

その点、動画は便利だ。字幕の映画は子供を寝かしつけるときに見るとよい気がする。なんたって、寝ないときは1時間半とか寝ないからね。

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そんなこんなで、昨日、Amazonプライム動画の「カンパニー・メン」(The Company Men)を見終わった。

この映画には、ビジネスマンにとって、大切なポイントがあると思うので紹介したい。

それと、人材ビジネスの一種である「再就職支援会社」が登場するので、人材ビジネス会社の人もみておくとよいと思う。

「人は、どう生き残るか」

そんなテーマだと思ってほしい。

舞台は米国の「GTX」という複合企業(コングロマリット)で、造船から多岐にわたって事業展開をしている。

だいたい、こういうコングロマリットみたいなところは、こういうアルファベット3文字みたいなのが多い気がする。ぱっと聞いてなんだかわかんないという。それが得体のしれない複合企業っぽさを演出している。

このGTX社の株価が急速な景気悪化により下落していく。2011年の作で、あの暗黒のリーマンショックを背景にしているそうだ。あのときはつらかったなー。

経営陣は、株価下落を防止するため、事業をたたんだり人員削減をどんどんやっていく。

大手企業なわけで、この解雇人数もかなりの人数だ。

数千人が一気に首を切られる。

資本主義の先輩アメリカなもんで、「残念ながら、明日からあなたのポストはありません」みたいなことを言われて、あとは私物整理のための段ボールが準備され、早期退職手当+再就職支援サポートで追い出される。

従業員をすぐにクビにできない日本と違って、そのあたりはかなりシビアだ。ほんとはアメリカでももっと詳細な解雇プロセスがあるとは思うけど。

主人公のボビー( ベン・アフレック)は、陽気な37歳の父親。良き妻と二人の子供がいる。車はポルシェ(?)で颯爽にキメて、ゴルフクラブに通っているが、マイホームのローンは当然残っている。

聞くところによると、アメリカ人は、収入ぎりぎりまでのローンをすぐ組むという。ちょっとそのあたりは詳しくないんだけど。

で、このボビーはきっとやり手なんだろう。だいたい会社に出社したときの立ち居振る舞いや面構えで、ビジネスマンとしての能力なんてよくわかる。盆暗じゃないことは確かだ。

このボビーが、部門消滅のために「余剰人員枠」として解雇される。

GTXでの出世を信じている、実力ある次世代リーダーとしての自分。いつかCEOになりたい俺。

GTXは、けっこう毛並みの良い会社なので、以前紹介した映画「ファミリー・マン」みたいに「You're fired!(おまえは首)」みたいなことは言われない。法務担当者同席で、丁重に解雇が申し渡される。

ボビーは「優秀な自分が解雇されるなんてありえないぜ!」ってな具合に、懇意のジーン(トミー・リー・ジョーンズ)に掛け合う。

古今東西、無能な人間は首といわれると、泣きつくのだとおもうんだけど、ある程度デキるやつは怒るんだと思う。なぜなら、自分は会社にとって有益であって、お金を引っ張ってこれると信じているからだ。そうなると、ちゃんと説明させてくれ、評価してくれと憤るわけだ。

ボビーが相談したジーンは、GTX最初の社員。今は同社No.2もしくは部門担当役員?COO?なのかわからないけど、役員室もあり、社用機もつかえて別荘も持ってる偉いひとである。

ジーンは、CEOのサリンジャー (クレイグ・T・ネルソン)とも対等に話せる。なんなら役員会で諫めることだってできる。なぜなら創業期からサリンジャーの右手として、会社の拡大の先鋒にいたからだろう。

そういう人は役員陣、いや全社員のなかでも一目おかれていて、あんまり邪険にあつかうと、自分の手が燃えるので、創業者も丁重に扱わざるを得ない。

ならば、どうにかなるのか。

と、おもったらどうにもならない。

どの企業でもそうだが、株の持ち分にもよるけど、創業者以外は経営者でも雇われみたいなもんだからだ。取締役でも、従業員としての執行役員でもバッサバッサ切られるんだから、社員なんて蟻んこみたいなものである。

映画は、この失意のボビーが、再就職支援プログラムに数か月通いながら苦悩し、家族や親戚と付き合い、大切なものをつかみとっていく話だと思ってほしい。アメリカらしいといえばそうだと思う。

・株価をできるだけあげて次へ動きたい事業家の象徴、サリンジャー

・失意のどん底から、なんとか家族のために戦おうとする、ボビー

・GTXではなんともできないが、持ち株など資産はある、ジーン

・かつて、GTXの主要事業だった造船の工員からたたき上げで役員or事業部長?になったフィル( クリス・クーパー)

・建設事業主として、自ら、もくもくと汗を流すボビーの義理の兄、ジャック・ドラン(ケビン・コスナー)

メインで描かれるのはこの5つの男たちの生きざまである。

自分はどこに当てはまるのか。

きっと見る人は、己を登場人物に投影する。

男性の名前を挙げたが、かなりきつい立場である首切り人(人事責任者?)の女性や、主人公ボビーの妻に自分を重ね合わせる人もいるかもしれない。

時間のかぎりもあって、映画のラストはちょっと展開が雑目ではある。これは仕方ない。尺の問題だからあーだーこーだいってはいけない

新型コロナウィルスの影響もあり、世界経済が悪化し、日本も再び厚い雲に覆われようとしている。

企業の経済活動も停滞し、アメリカほどじゃないけども、社員は職を失い、ローンが払えなくなる人も増えてくるだろう。

そんなどん底は半年、いや1年、もうちょっと続くかもしれない。国家が衰退しているのは誰しも感じていることではある。

悲しいけれど、自死するひとも多くでてくるはずだ。特に孤独でつながりがない人ほど、会社という枠がなくなると一気に衰弱する。いくら社内で活躍してイキっていても、会社というカードがなくなると、ただの人になってしまうわけだ。

斜陽のあとには夜がやって来る。

そのときに、どうやって明るく生き残るか。

そんなことを考えるきっかけになるはず。

Amazonのレビューをみると、解雇を経験した人や、ビジネスのどん底から這い上がった人のレビューが目立つ。

自営業12年目で2016年は過去最低の売り上げで貯金はゼロでキャッシングだけで生活しており生活費の頼みの綱である残額70万のクレカも1回止められて今月はとうとう家賃と光熱費を全て滞納することが決定していたが、最後の最後に大逆転で来週中になんとか680万円の工事を契約して前金50%もらえるので保険金2000万円を残すために自殺せずにすんだ43歳高卒の私はこの映画をすでに3回見ている。主人公の気持ちと体験を私は内蔵まで吐き出すほど味わっている。生き残る意思を与えてくれる一助になった映画だ。絶対に中金持ちになって苦労をさせた女房に安心して死ねる家を現金で買ってやる!という気持ちを強めてくれた映画だ。
リストラたけなわの30歳頃に会社を追い出されて、起業してのが二昔以上前。跡継ぎがいなくて、残念ながら会社を少し前に廃業しました。
若い人にはピンと来ないかもしれませんが、リストラ経験がある人なら、最後の最後まで身につまされる思いで映画の中に引き込まれると思います。
リストラ後の無職になって精神的に一番辛い時に、本来は支えてくれるはずの本人を取り巻く家族や、友人知人の有り様等々・・絶え間なく葛藤苦悩する生身の人間の姿が実によく描けています。
アメリカ人嫌いですが、さすがアメリカ、ハリウッド映画って感じの大変よくできた映画だと思いました。

God helps those who help themselves.

天(神)は自ら助くる者を助く

といわれるけども、今、わたしたちがやるべきなのは、自分の力を信じて日々を大切に生きることだ。

それと、「人脈」という軽薄な言葉ではない、ハートの通った繋がりを温めていくことなんだろう。

明けない夜なんて、一つもない。

自分で心底頑張って、困ったら誰かに相談する。そして、身の回りの困っていそうな人に目をむけ声をかけ、必要であれば手を差し伸べる。

そういう愛の時代になってほしい。

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「カンパニー・メン」(The Company Men)

Amazonプライムで見放題

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