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自分とは、宇宙全体のひとつ~『Jポップで考える哲学』戸谷洋志 ①

自分・恋愛・時間・死・人生を切り口に自分を問い直すための15曲 ♬

「自分らしさ」とは何か?

あるがままの心で生きられぬ弱さを
誰かのせいにして過ごしている
知らぬ間に築いていた自分らしさの折の中で
もがいているなら
ぼくだってそうなんだ

あるがままの心で生きようと願うから
人はまた傷ついていく
・・・

ありのままを考えている自分を考えた時に、そこに考えている自分はいない。イタチごっこですね。
カントは、いくら考えても、”ありのまま自分”を知ることはできないという矛盾と限界を示している。
”ありのままの自分”にこだわりすぎてそれが檻となり、息苦しくなる。

「自分ではないもの」から見える「自分」

私以外私じゃないの
どうやらあなたもそう
誰も替われないってことみたいね
背を向けて言い合った

「私」は「あなた」ではなく、「あなた」は「私」でもない。
私たちは、一人一人、かけがえのない存在。
「自分」を考えるということは、「あなた」という私ではない存在があってこそ考えられる。「自分」とは「自分ではないものの」とのかかわりの中にある。
あなたがいてくれるから、私は私を認知できる。ありがたいですね。すべてのものに感謝できる、哲学って人にやさしいですね。

他者によって知られる「自分」

転がってきたボールを無視してたら
ぼくが拾うまで
こっちを見て待っていた
透明人間 そう呼ばれてた
ぼくの存在 気づいてくれたんだ

私は他者との関わりの中に存在する。
互いに「承認」し合い、互いの「自分」という存在の輪郭ができる。
ただ、そこには「私」と「あなた」という距離があり、相手を支配しない距離。

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