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マジョリティがマイノリティを排除するには理屈があった〜『アリさんとキリギリス』

本書では社会環境の変化や価値観のシフトにより、求められる人材は徐々に変わりつつある。
変化を嫌うアリと柔軟に変化しようとするキリギリス。これまではキリギリスは変人扱いをされ虐げられてきたが、いよいよキリギリスが復権する時代が来たと言う話。そうは言ってもありが不要と言うわけではなく、共存していくことが大切と説いている。

アリとキリギリスは、生態が違う

アリとキリギリスには大きく3つの違いがある。
1つ目は物や知識、お金、人などをため込むアリ、持たないキリギリス。
2つ目は巣があるため閉じた集団思考を好むアリと、巣をもたないため外交的で個人思考を好むキリギリス。
3つ目が与えられた環境で生きていく2次元的思考と環境自体を作り出そうとする3次元的思考のキリギリス。
アリは、問題を解くための選択肢がある程度絞られた方が心地よく、キリギリスはそもそも問題自体を自分で設定したがる。

アリとキリギリスは、好みが違う

ありは具体的な指示を好み、〇〇すべきといった命令に安心を感じる。したがって面倒見の良い上司を好む。またある程度の制限を設けると心地よいため、責任の範囲が狭く、後は環境のせいと割り切ってしまう。
一方でキリギリスは自分の意見に対して相手がどのように思うかを気にする。自分のする事は自分が決めるもの、自由度の高い環境を好む。そのため様々なことを自責と捉え、問題を解決しようと果敢に取り組む。

視野が狭い方が勝つ

このようにアリとキリギリスは性質が全く異なるため、うまくいかないことが多い。大にしてアリの巣に入れられたキリギリスが飛べずに苦しむことが多い。その理由は大きく2つ。アリは集団でキリギリスは単体で活動するから。もう一つはアリは2次元で物事を見ているため自分の理解できないことを否定する。一方でキリギリスは、自分の理解できないことにたいして、どのような違いがあるかを理解しようとするため、短絡的に怒りを発動させてしまうアリが一見強そうに見える。
どちらにも優劣は無いはずだが、アリは優劣をつけたり白黒はっきりさせるのが好き。だから集団でキリギリスの羽をもぎ取ってしまう。

誰も傷つかないように、自分らしく生きる

私は完全にキリギリス。新しいことや前例のないことが大好き。身軽で外交的。この本に出会い、キリギリスをメタ認知し体系化してくれていることをとても嬉しく思っています。

さて、集団の圧力に傷ついて、羽をもぎ取られ、飛べなくなってしまわないように、キリギリスはアリとどのように付き合うのか。
アリは、既存の限られた指標で物事を判断します。そのためその指標の中で深く専門性を磨いている。キリギリスが次々と新たな指標を作ったり、そもそもの前提を覆すと、非常に気分が悪く、怒りをもよおし、ストレスを感じてしまう。

そこで私はアリと同様に視野を究極に狭くすることを実行している。ただアリとの違いは、自分との違いを受け入れること!
アリは、がんばったことを評価されたり、名声、権力を得る、承認される事を非常に好むからです。
もう一つはアリに私という指標を少しずつ刷り込みます。彼らは異なる指標に対してアレルギーを持つため、慣れるまで根気強く。このために彼らを認めてあげなければいけない。

さらにアリの人と仕事をするためには、指示とルール(理屈)を明確にする必要がある。わけがわからないと彼らの琴線に触れるので、こちらの発言や行動に必ず理由を添えるようにしている。

じゃあアリの人はキリギリスに対してどのような努力をしているのか。しません。なぜならアリの人たちはキリギリスの行動の一部しか見えていないし、マニュアルがないので対処しようがないのです。
キリギリスの宿命と理解し、そして一緒に生きていきましょう。
自分の居心地の良い環境を作るためには、自分を大切にして相手を認める必要があります。

一緒に頑張りましょう。

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