メルペイで最初につくったものが、「〇〇」である理由。
こんにちは、メルペイデザイナーの東野です。
株式会社メルペイは金融関連の新規事業を行うために設立された会社で、設立から一年が経ち、今まさにプロダクトの準備をしているところです。
今回はメルペイでつくったグッズと、グッズ制作のためのブランドマップをご紹介したいと思います。
目次
きっかけ
消えて無くなるグッズとは?
グッズ展開の指針
「なめらかさ」の定義
ブランドマップ
きっかけ
きっかけはフロア移転。新たなスタートを社員みんなで祝うためにグッズをつくりたい、という話から始まりました。
社員がグッズを受け取った時に、一目でメルペイらしい!と思えるようなもの。お金の概念を変えていくことをイメージできるようなものってなんだろう。
コインケースや貯金箱など、お金を想起するものを耐久性の低い素材でつくり、それらをリプレイスしていくというメッセージを持ったもの。そんなアイディアが浮かびました。
ブレストしたアイディアをVPの松本に相談してみると、「受け取ったその場ですぐに無くなるもの、別の形になるものとかのほうが面白いよね。」と。
受け取ったその場ですぐに無くなるもの!?
消えて無くなるグッズとは?
消えてなくなるものってなんだろう。
シャボン玉、風船、わたあめ…?
これらは確かに消えてなくなるけれど、形が曖昧。
悶々と考えて、そこで思いついたのが、落雁でした。
落雁とは、もち米や麦などの粉を、砂糖・水あめでねり、固めた干菓子(ひがし)のこと。
お金の形を表現できること、食べることで形が変わり無くなること、受け取っても負担にならないことを考慮して決定。
5種類の落雁はお金のメタファー。
落雁の周りに金平糖を敷き詰めて、溶けると無くなるようなイメージのデザインにしています。
落雁の制作は京都の和菓子屋さんにお願いしました。
ちょうど、京都に行く機会があったのでお店にお伺いして、デザイナーさんにもイメージを伝えました。
デザイン後、木型をつくり、製造から梱包を経て、2ヶ月半で納品。
グッズ展開の指針
落雁の制作と同時に、グッズを展開する際の方向性も整理。
それは同時に、ブランドの指針を決めることでもあります。
「信用を創造して、なめらかな社会を創る」
という、メルペイのミッションからブレイクダウン。
「なめらか」で形容されるイメージをリアルに表現することでミッションと連動していくのでは、と考えました。
「なめらかさ」の定義
「なめらかさ」の浸透度が高い=ブランドロイヤリティが高いという解釈で、ローコンテクストからハイコンテクストに向かう階調で考えてみます。
それぞれ、直接触って感じる、形状や質感のなめらかさから、体感して感じるなめらかさ、体験を積み重ね、生活に浸透していくなめらかさの3段階に定義してみました。
その定義を軸として、グッズの使用頻度(どの程度、使い続けてもらうことを想定するか)軸を掛け合わせます。
ブランドマップ
図にしてみることで、階調ごとの対象とアウトプットも想像しやすくなりました!
このマップに現状のグッズをプロット。
それぞのマトリクスに適したデザイン要素を考えます。
今後、制作予定のグッズを対象に合わせて、マッピングし直します。
落雁は左下^ ^
手にとって触れられるものから、メルペイらしさを表現できれば、ブランディングの底上げになります。社員にとっても、身近なものから会社へのロイヤリティを感じることができます。
ブランドマップを最初に整理することで、ブランディングにおいての役割や目的が明確になります。
ただ、自分たちがつくりたいからつくるのではなく、中長期的な目線を持ち、社外はもちろん、インナーのブランディングにデザインが貢献できることを実践していきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
執筆:東野雅也
写真:鈴木伸緒
編集:長嶋太陽
東野 雅也 プロフィール
2006年4月、株式会社キノトロープに新卒デザイナーとして入社。2008年6月、グリー株式会社でSNS、グローバルプラットフォームを担い、シニアマネージャーとしてマネジメントに従事。2014年7月、クービック株式会社にてクリエイティブディレクションを担当。2018年7月、株式会社メルペイに入社。