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末新二 ショートショートシリーズ   「私と100円納豆」



私の街にはマスクと納豆がどこにも無い。

マスクはまだ分かるんだ。
それはもうしょうがない事で、ただ私達は待つか作るかしか無いと思っている。


ところで納豆、君はなんで無いの?


私はただホカホカな炊き立てのご飯に納豆とねぎととろろをぶっかけて  カチコミたい、ただそれだけなんだ。
私みたいな欲の少ない人間はそう多くは求めないのだから。


君と最後に会ったのは確か2週間くらい前だっけ。
あの時はまだ君や君の仲間達はかなり潤っていたよね。
「まだ冷蔵庫には納豆のストックはあるし、また次買うことにしよう。」 確かそう思ったんだっけ。


そこから1週間後、

君はこの街から姿を消した。



私はとにかく探した。
「おーーい納豆ーーーー。君とかくれんぼしてる時間はないんだぞーー。  もうストックは無くなっちまったんだ。」声を荒げて私は必死に探した。

しかし納豆コーナーにあるのは、
ひきわり最高級大豆を使った189円の納豆だけである。
普段100円未満の納豆しか買わない私にとっては苦渋の選択であった。


まずは君、ひきわりの事から話すね。
値段的にもお手頃価格。しかし昔から喉が受け付けないのだ。

一度だけ母が間違えてひきわりを買ってきた事がある。         あの細かすぎる感じがどうも苦手でそこから一度も食べる事は無かった。

「すまない、ひきわり。他を当たってくれ。」
と私はひきわりを当たり前のようにスルーした。


じゃあ次、最高級大豆を使った189円の納豆。
少々値は張るが、美味しいのは間違いない。
そう思い手を伸ばそうとしたのだが、
何故か触れる事が出来ない。

「君は89円しか変わらないのだから、買うことは全然出来るんだ。それに、お菓子1つ我慢すればなんて事ない。むしろそれぐらいのお金は私にもある。」そんな事を思っていた。

しかし、何故か手が重く触れることすら出来ない。


それはまるで友達に彼氏が出来たと報告を受けた日の夜、5キロの米をまるでクラッチバックのように片手で持つあの日と同じぐらい重いのだ。


今この文字を打っていても思う。
「おいおい、たった89円の差だぞ?そんなの大した事無いじゃないの。」

でも最高級大豆とやらを使った189円の納豆を目の前にしてしまうと、手が急に動かなくなる。


1分ほど納豆コーナーでウヨウヨした私は
「今日はもうやめておこうか。」と納豆を諦めてしまうのだ。



そう、私は100円未満の納豆しか買えない身体になっていたのだ。



たぶん続く



この話はノンフィクションです。
しかしかなり盛大にしております。
盛り盛りの熱盛り、熱盛りと出てしまいました。熱盛りネタ知ってる人いるかな。
指で打つだけでお腹減った。
納豆には本当にいつもお世話になってっから、
棺桶には101回混ぜた納豆をみんなで流し入れてね。
もう疲れたから瀬名にキスしに行く。
ロンバケってさ何回観てもいいよね 。
今丁度私、瀬名と南を混ぜたみたいな髪型してる。
んで、ところでさ大腿四頭筋の張りってどうしたら改善されるかな?
すえひろ

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