見出し画像

早めの対策!今後にそなえて高血圧予防

自由に出かけられず、運動不足や過食・過飲、ストレスが慢性化し「血圧が高め・・・」と気になっている方はありませんか。確かに、これらは高血圧発症の原因と言えます。
高血圧は全ての病気のリスクとなります。
一般的には気温が下がる頃に高血圧症が増加しますが、今期は夏に向かうこの時季から、早期予防と改善に取り組むことをおすすめします。

★血圧が上がるとどうなるの?
血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押す時の圧力のことです。心臓が広がったり緩んだりすることで変動します。血液量と血管抵抗性(しなやかさ)で血圧の値が決まってきます。
収縮期血圧(上)140mmHg、拡張期血圧(下)90mmHg以上の場合に高血圧と言い、130~139/80~89mmHgで血圧が高めと言われます。
最近では、日本人の成人3人にひとりが高め以上の状態にあることがわかっていますので、定期的に血圧を測定し、早めに高血圧の進行を止めたいものです。

高血圧の状態が続くと血管の壁が厚くかつ硬くなり、動脈硬化の状態になります。ちょうど下図のように、ゴムのホースが硬くなってしなやかさが無くなった状態に似ています。血圧が上昇すると硬くなった血管の壁にダメージを与え、高血圧と動脈硬化が互いに悪い影響を繰り返していきます。
大きな症状がないまま進み、やがて脳血管疾患、心臓疾患、腎臓病等の合併症を発症してしまうのです。
そして、長期にわたって薬物療法と食事療法が必要となります。
*文末に血圧に関する過去の記事を掲載してあります。よろしかったらご覧ください。

画像1

★高血圧になりやすい人は?
高血圧は、原因が複数で一つにできない「本態性高血圧」と、原因が明確な病気からくる「二次性高血圧」があります。日本人では約8~9割が本態高血圧で、遺伝的な体質や食塩過剰摂取、肥満、生活状態等様々な要因が複雑に組み合わさって発症します。
これに対して、二次性高血圧は腎臓や副腎等の病気や血管の病気等が原因で起こります。どちらの場合においても食生活を中心とした生活習慣の修正が基本に必要です。

★食塩が先か高血圧が先か?
高血圧には減塩が必要なことは知られています。そこで、食塩と高血圧のメカニズムについて簡単にまとめました。
食塩の摂取量が多いと、血液中のナトリウムの濃度が高くなります。すると血液の濃度を正常に保とうとしてナトリウムと水分が仲良くなり、血液量が増えてしまいます。それを送り出そうと心臓の圧力が上がったり、血液を尿として最終的に処理する腎臓に負担がかかったりします。
まず、食塩の過剰摂取はすぐにでも改善することが必要です。

★高血圧を予防・改善するために注意したい7つのポイント
高血圧診療ガイドライン2020では生活習慣の修正内容として、食塩1日当たり6g未満、体格指数BMI25未満、食事パターン、運動、節酒、禁煙等を紹介しています。

①肥満傾向の人は体格指数BMI25未満を目指す
自分のBMI=実際の体重㎏÷(身長m×身長m)で計算し、25未満を目指します。
なお、適正体重は以下の通りです。
適正体重=身長m×身長m×22(健康的なBMI)を算出し、現在の体重と比較して肥満がないかどうかを確認しておきます。
②減塩を励行する
食塩1日当たり6g未満を目標とします。調味料の塩の分量で表現すると、小さじ約1杯強に当たります。1日の食事に使う食品のナトリウムを食塩に換算すると約1g~1.5gに相当しますから、残り実際に使える塩の分量は小さじ1杯弱(5g弱)となります。
食塩の大部分は調味料に由来しますので、とにかく調味料を減らすことです。また、練り製品や漬物・佃煮、汁物は食塩を多く含みますので意識して減らすことが必要です。
普段から、生肉を料理するよりもハムやウインナーを食べる、生魚を料理するより干物、漬魚を食べるという人は要注意です。
3ケ月ほど減塩食を続けると薄味に慣れてきます。出汁や酢を上手に使用し、しそやみょうが、生姜、ねぎ等の香味野菜の香りを活用すると薄味でも美味しく食べられます。

画像3

③食事のバランスを整える
 毎食、主食(ごはんやパン等の炭水化物)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質性食品)、福菜(野菜各種)を食べます。これらに牛乳や果物を適量摂り、食事のバランスを整えます。
④野菜類を1日350g以上(両手のひらに乗るくらい)食べる
血圧の是正にはカリウムや、食物繊維が必要です。これらは野菜に多いので積極的に食べると良いです。
腎臓が正常に機能していれば、1日1回はメニューに生野菜サラダ(生野菜にカリウムが多い)取り入れます。
⑤医師の指示のもと適切な運動を取り入れる
本来はウォーキングやジョギング等の有酸素運動が必要ですが、外に出られない今、室内でのストレッチや軽い運動でも無理のないようにやってみましょう。疾患のある人は適正な運動を主治医に相談すると良いですね。
⑥節酒に心がける
アルコールは続けて一定以上飲むと高血圧の原因になります。多量飲酒は控えます。アルコール事態の量は男性で20~30ml/日以下(おおよそ日本酒1合orビール中瓶1本or焼酎半合orウイスキー・ブランデーはダブルで1杯orワインは2杯)、女性は10~20ml/日以下に控えはます。

画像2


⑦その他
喫煙、防寒、ストレスなどのコントロールが重要です。

★糖尿病と高血圧
糖尿病の人は約半数に高血圧症を持っていて、糖尿病の無い人の二倍と言われています。
血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。また、自分のインスリン(血糖値を下げる調整をするホルモン)が効きにくくなったのを補うため、インスリンが多量に分泌されて「高インスリン血症の状態」になってしまいます。すると交感神経の緊張や腎臓でナトリウムが排泄されにくい状況となり、その結果血圧が高くなってしまうのです。
従って、糖尿病の人はまず血糖のコントロールを重視します。基本の治療として糖尿病の食事療法を行い、高血圧症の合併がない場合でも、高血圧の予防を行った方が良いですね。

【血圧が130台を超えていませんか?】




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?