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高齢者ばかりではないよ!若くてもサルコペニア(筋肉量の減少)の人はいる!

歩くスピードが遅くなった、電車に乗るとすぐ座りたくなる、つい手すりをつかんでしまう等など、感じるようになった方はいませんか?
加齢や病気により、体幹や足・腕の筋肉をはじめ全身の筋力の低下が起こることを「サルコペニア」と言い、話題になっています。
サルコペニアの語源は、ギリシャ語でサルコ(筋肉)、ぺニア(喪失)を組みする合わせた言葉です。
サルコペニアは、加齢が原因で起こる場合だけではありません。若い人や肥満の人にも、日常の生活動作や低栄養状態、運動不足等によっても引き起こされることがわかってきたのです。
サルコペニアまでいかなくても、一般的にもたんぱく質が不足すると、免疫機能が低下して抵抗力が弱くなって、さまざまな病気にかかりやすくなります。肉や魚等の食べる量が少なくなると、たんぱく質の摂取量が不足してしまいますから、意識して摂ることが大切になってきます。
ここでは、健康を維持するための『良質なたんぱく質』についてお話しします。

老化


たんぱく質は生きていくために重要
食事のたんぱく質は、アミノ酸に分解され吸収された後に、筋肉や臓器などの体たんぱく質になります。人の体の中には数万個と言われている種類のたんぱく質があり、それぞれが異なった役割を持って働いています。例えば、酵素やホルモンとして体の機能を調節するもの、血液中のヘモグロビンが酸素を運ぶ輸送にかかわるもの、免疫に関するものなど、どれも、生きていくためには欠かすことのできない重要な働きをしてくれるのです。

どのくらい必要なの?
一日に必要なたんぱく質は、摂取エネルギーの13~20%が理想とされており、成人男性は一日のたんぱく質量が60g、成人女性のそれは一日50gと推奨されています。基本は、日本の伝統食である和食の、主食、主菜、副菜の揃った一汁三菜でメニューを組み立てると、不足しにくいと言われています。
たんぱく質の摂取量の他にもうひとつ重要なのは、たんぱく質の質です。よく「筋肉をつけたければ、良質なたんぱく質を食べましょう」「高齢者は、良質なたんぱく質を摂取しましょう」と言われますが、良質なたんぱく質とはどのようなものでしょうか。
 体の中で必要なたんぱく質を合成する時、それに必要なアミノ酸がそろっていなければ、十分なたんぱく質をつくることができません。アミノ酸とは、たんぱく質の構成物質のことです。特に、必須アミノ酸といって人の体では作ることができないアミノ酸は、必要な分を食品から摂取しなければなりません。その必須アミノ酸がバランスよく含まれている食品のことを『良質なたんぱく質を含む食品』というわけです。
良質なたんぱく質を多く含む食品は、肉類・魚介類・卵・乳製品など動物性の食品の方が、豆類・穀類などの植物性食品に比べると優秀です。
つまり、動物性食品に含まれるたんぱく質の方が、アミノ酸の価値が高いたんぱく質と言えます。

みなさんは「たんぱく質」というと、どのような食品を思い浮かべますか?

たんぱく質は、砂糖や油以外の食品のほとんどに含まれています。一般的にたんぱく質性の食品と言えば、以下の食品を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
・卵
・豚肉、牛肉、鶏肉などの肉類
・マグロ、カツオ、サバ、いか、たこなどの魚介類
・豆腐、納豆などの大豆製品
・牛乳やヨーグルトなどの乳製品

これらの食品のグループにはそれぞれの特徴がありますが、
今回は「肉類」のたんぱく質 についてみていきます
たんぱく質の質を評価するもののひとつとして、アミノ酸スコアがあります。食べ物に含まれる「たんぱく質」の量と「必須アミノ酸」がバランス良く含まれているかを数値で表したものです。
鶏肉・豚肉・牛肉のアミノ酸スコアはいずれも100と優秀です。
鶏肉では皮付きより皮無しの方がたんぱく質の量が多く、豚肉ではバラ肉や肩肉よりもも肉・ひれ肉の方がたんぱく質の量が多くなります。
また牛肉もバラやロースよりも赤身肉(ももやひれ)の方がたんぱく質が豊富です。さらに牛肉は、たんぱく質量だけではなく、ヘム鉄も多く含んでいます。ヘム鉄は、体内でヘモグロビンをつくる栄養素で、ヘモグロビンは「体内に酸素を運搬する」役割も果たしています。ヘモグロビンが不足しないためにも、牛肉の赤身はおすすめできますね。

長期的には総合的な栄養バランスンが大切ですから、特定の食品に偏らないように、いろいろなたんぱく質性食品をバランスよく食べるようにしたいものです。

炭水化物が摂れる主食(米・パン・麺類)、たんぱく質が摂れる主菜(肉・魚・大豆製品・卵等)、ビタミン・ミネラル・食物繊維などを含む副菜(野菜・海藻・きのこ)を組み合わせて食べることが必要です。
加えて、たんぱく質やカルシウムが摂れる牛乳・ヨーグルト・チーズやビタミン類・食物繊維を摂れる果物類を添えれば、さらにバランスが良くなります。


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