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幸せになりたいならシンプルに生きよう【書評】早起きは「3億」の徳 哀川 翔

早起き+多趣味で知られる哀川翔さんのエッセイ。絶対、ゴーストライターじゃないよね、という恐ろしいほど砕けた口語体で本人と話しているかのような錯覚に陥る。話したことないけど。

早朝にカブトムシをとったり、ラリーに出たり、ザリガニとったり、釣りに行ったり、本人曰く「最強の素人」を満喫できるのは、まさに早起きというライフスタイルにあることが分かる。

芸能人ならではの話や、ところどころ、哀川翔人生論みたいなところも含めて、早起きしたいというモチベーションがグンっと上がる一冊。

哀川翔の一日

哀川翔のプライベートを知ることができるという点で貴重な一冊だ。この本の中には、ある一日のスケジュールが書かれている。

5:00起床
6:00朝食
7:00カメラマンを呼んで打ち合わせ
9:45撮影開始・・
(日中は仕事)
17:00夕食開始
19:30夕食終了
21:30就寝

だいたい遅くても5:00には起床しているのが哀川翔スタイル。家族が起きてくる前に、自分で朝食を準備するのだ。芸能人でイレギュラーな予定がある中でも、朝と夜の時間は「聖域」扱いになっていて、決して変わらない。

特に際立っているのが、夕食の時間、17時から夕食を開始し、2時間、3時間飲みながらゆっくり夕食タイム。そして、子供と共に寝る(今では子供より早く寝るらしい)

早起きの目的

何のための早起きをするかってのは人によってかなり異なるけれど、哀川翔スタイルはすごすぎる。

寝て、食べるために、早起きするのだ・・(笑)。

「食べることと寝ることが、俺の喜びの二大トップ。このふたつの時間は毎日存分に楽しみたい。」(P18)
「もう晩飯とか楽しみで仕方ないよ。調子よかったらだいたい5時くらいから飲食い始めて、そこから7時か8時くらいまでゆっくり食べて飲んで、8時か9時には寝る。・・・俺はたっぷり寝るからね。なにもなければ8時くらいには寝て4時半に起きるから8時間以上寝てんのよ。もう、睡眠、最高だよ。・・・早起きしたら寝るのがこんなに楽しみになるとは自分でも思わなかったよ。でもこれが俺にとっては至福の時間なんだ。」(P19-20)

売れている役者だし、芸能人だから、私たちが想像つかないくらいいろいろな予定があるはずだけど「夜の食事+睡眠」のルーティーンだけは崩さない。哀川翔にとって、ここは決して変わらない軸になっている。

変わらないルーティーンがあるということ。これこそが生活の安定になる。食事の時間や睡眠の時間に揺らぎがあると、結局、リセットされないから、一日の生活が不安定になる。哀川翔の強さは、まさにここにあって、毎日、毎日、食べて、寝ることでしっかり幸せを感じて、一日一日を生きているのだ。

もちろん、朝の時間をフル活用している。

哀川翔は、クワガタ・カブトムシの飼育、魚、釣り、ラリー等、趣味を楽しみつくしていることでも知られている。自分で「最強の素人」を自称しているが、手がけた趣味は、玄人はだしの領域まで確実にたどりついているという。哀川翔は、人生を100倍楽しみつくそうとしているのだ。

シンプルな幸せ

実際には哀川翔と同じように生きるというのは簡単ではないけれど、この生活パターンはひとつの理想ではないだろうか。結局のところ、なんでもかんでもやれるほど、人生に時間はないわけだし。お金を持っていても使う時間がなければ意味がないし。毎日、気持ちよく寝て、おいしくご飯を食べられること以上の幸せなんてないのだ。

「今時、えらいシンプルな幸せだと思うけど、シンプルなものほど強くて間違いが無いから」(P18)

哀川翔は、人生から何を得たいかを知っており、何を捨てるべきかを知っている。この強い自信こそ、哀川翔の揺らがない強さの秘訣なのだろう。

哀川翔の生活スタイルは、ものすごく単純化してしまえば「規則正しい生活」と一言だけれど、それが持つシンプルな力ってすごい。なんだかんだ複雑化しちゃうけど、人間の幸せって、実はすごくシンプルなものなのかもしれない。

明日から、絶対早く起きよう!とぐっとモチベーションが上がったぞ。

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読書感想文

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq