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MIT・最も重要なタスクという考え方を大切にする【書評】「減らす技術 The Power of LESS」 レオ・バボータ

どんな時でも、どんな人にも当てはまる原則があるとすれば「シンプル イズ ベスト」ということだろう。物事は複雑になればなるほど、お金がかかり、
手間がかかり、問題の原因がどこかわからなくなり・・・悪いことだらけ。

とにかく、シンプルに、シンプルに。

もっと少なく、もっと小さく、もっと減らせば物事は上手く行くようになる。頭がごっちゃごっちゃになった時には開いて読む良書があるので、今日はそのご紹介。この本は、最初読んだ時「内容が薄いな~」と思ったものの、なぜか売れず、ことあるごとに開いて読むのだけれど読むたびに味わいのある良書だと感じる。

結局、この本の作りそのものが「シンプル」なのだ。

この本に背中を押されて、私が取り組んでいることはこの3つ。
(正確には取り組みたいこと・・涙)

1:シンプル・ゴール

「ゴールを設定するのは簡単だが、達成するのはとんでもなく難しい。実現させる価値があるものほど大変だ。目標を達成するには、エネルギーと集中力とモチベーションが欠かせない。だが、この3つには限りがある。あなたがどれほど本気であろうと、その事実は変わらない。いくつものゴールを目指したりすれば、限りあるエネルギーや集中力やモチベーションが拡散して薄まってしまう。そんな状態でがんばれるのは最初の2,3週間がやっと。」(P84)

私は生来好奇心が旺盛なほうだと思う。目にするもの、目にするもの、どんなものも試してみたいしどんなものも自分で失敗するまであきらめきれない。やってみたい企画ならいつも20~30たまっている。

サイトを作ろうとしても、まずはジャンルやテーマを決めるだけでも一苦労だ。だからこそ、このシンプル・ゴール方式が大事だ。

はじめてもやり遂げることは少ない。でも、価値あるもの(収益を生むようになった)ビジネスは曲がりなりにもやり遂げたものばかりだ。ひとつひとつのアイデアをちゃんと形にしていくこと。無数のやりかけ、作りかけの作品ではなく。一個一個完成させていくことが非常に大切だ。

仕事は、井戸の穴を掘ることに似ているけれど、ちょっと掘っては、違うところを掘り、ちょっと掘っては、また違うところを掘り、これではいつまでたっても水脈にはたどり着かない。ここと決めたところを、やり続ける必要がある。

毎日ちょっとずつでも必ずゴールに向かう。ちょっとやってみたいなというような気持ちで始めると必ず挫折する。どんなものにもある停滞期や困難期を乗り越えるだけのモチベーションは普通は無い。だからこそ、自分の人生のゴール(そこまで大げさではなくても)長期的な目標と、これからやろうということがずれていては絶対に長続きしない。

明確なゴールを決めたら、いくつものサブゴールを設定して毎日に行うところまで落とし込んでいく。これ、いつも、どこでも言われるけど、なかなかできないこと。

手順は以下の通り。

ワンゴール(一つのゴール)を選ぶ
(数年かけてたどり着きたい真のゴール)

サブゴールにブレークダウンする。
(1~2か月でたどりつく小さなゴールに分割する)

週間ゴールを決める。
(1週間でできるゴールに分割する)

今日取り組むタスクを決める。
(1日で行えるゴールに分割する

このタスクをMIT(MostImportantTask もっとも重要なタスク)と呼ぶ。

いくつものゴールをこの方法で追うことはできない。必ずシンプルなゴール設定となる。これで、一個ずつ、もうしょうがない、数か月ごとに、ひとつずつ、自分のしたいことを仕上げていくしかない。人生は有限だから焦る気持ちはあれど、いろいろなものにいっぺんに手をつければ、結局は何にも達成しないから。

著者のレオ・バボータは、このシンプル・ゴールを試して

・ジョギングの週間
・ヘルシーな食生活
・計画的で生産的な人生
・マラソン大会に2回出場
・サイドビジネスで収入が倍に
・早起きの習慣を身に付けた
・菜食主義になる
・トライアスロンを2大会出場した
・はじめたブログが有名になった
・借金をゼロにした
・貯金ができた
・人生をシンプルにした
・家の中をきれいに片づけた
・電子書籍を2冊出してベストセラーになった
・小説の草稿を書き上げた
・会社を辞めて、家で仕事をするようになった
・2つ目にはじめたブログも人気が出た
・本書を出版した

2年でこれだけのことを成し遂げたらしい。
(計測が微妙なものも入っているけど)

2:MIT(Most Important Task)

シンプルにゴールに向かうために大切なこととしてMIT(MostImportantTask)つまり、もっとも重要なタスクという考え方を
もう少し説明したい。

「ゴールやプロジェクトは、タスクのレベルまでシンプルにしてはじめて達成可能になる。すべてのはじまりはタスクなのだから。タスクをシンプルにするのはもっとも重要なステップだ。これでストレスを減らしつつ、これまでよりもうまく目標を達成していけるようになるはずだ。」(P99)

大きな肉(食材)を想像してみると良い。牛肉も全身の丸焼きじゃぁとても食べ切れないけれど、一口サイズのコロコロステーキ、牛タン、カルビ、
各部に分割するとごちそうになるね。

ゴールも同じように小さなタスクに細分化してひとつずつ取り組んでいくと必ず達成できるというシンプルな教え。

とはいえ、タスク管理には罠が潜んでいる。

ちまたのタスク管理本は、とにかく発生したタスクをもれなくこなすことに集中して、気がつくと人生のゴールとは全く無関係なことで自分の時間を埋め尽くしてしまうリスクが非常に高いってこと、これ見過ごされがちなんだ。

これもやらなきゃ、あれもやらなきゃ、たくさんのものを抱えてしまう時代だけど、「もし、今日自分が死んでしまうとしてもそれ、本当にやるのかな??」ちょっと立ち止まって考えてみると実は必要のないことに振り回されている自分に気がつく。もっとも重要なことだけを一日でやればいいのだ。

んで、MITの話し。

MITとは、その日絶対に達成したいタスクのこと。毎日3つのタスクを著者は選んでいるらしい。その日、何が何でもやりたいこと3つ。朝1番から、そのタスクに取りかかる。3つのうち1つは、人生の目標に関連したタスクだ。
これを毎日続けると、もっとも大切なことは1日のうちで必ず達成することができるようになる。

そして同時に、シンプルにゴールに毎日突き進んでいける。これは、時間管理術の名著、マニャーナの法則とも近い。

毎日、MITさえ終われば、あとは事実上、消化試合となる。他をすべて余暇に費やしてしまったって良い。なんたって、大事なことは(その日に行う)終わっているんだから。

この感覚で。毎日行う重要な事柄3つを選んでおくのは大事だと思っている。この本で学んで、日々実践している(実践したい)こと。よりたくさんのことを「こなす」方法ではなく重要なことしかしない方法を教えているわけだ。実はそれが一番大事だったりする。

この本では、MITの考え方に基づき、ポモドーロ・テクニックを使って、とにかく集中しまくる方法を書いた。

本質ですよね、この考え方。そして、その正しいゴールに向かうためには妨げをのぞかないといけないわけ。これが大きい。

インターネット依存症を克服する

「インターネットの接続を切るのは、生産性をあげるためにすこぶる有効な手段だ。実は私も本書を書いている間は接続を切っていた。いったん慣れれば、日に何時間かインターネットの喧騒から離れるのは気持ちがいい。実に落ち着く。」

「接続を切ってしまえば、邪魔者にわずらわされることもない。目の前にはタスクひとつだけ。それだけに集中できるから、ぐっとはかどる。」

「接続を切って仕事をしようとすると、どうにもつらい。思った以上につらい。「接続を切るなんてとんでもない」と思うかもしれないが、それが病みつきになっている証拠だ。しかしほかの依存症と同様に、集中すれば必ず克服できる。」(P133-134)

実際には私もネット依存症だと思う。

夜寝るまで、朝はおきた瞬間から、ネットに接続しないとうずうずしてしまう。実際に集中できない感覚がある。常にネットでなにかを確認したい衝動に駆られる。

今、サイトの記事を書いていても、ちょっとメールチェックとかヤフーニュースをチェックとか、Twitterを見たりとか、何かしらしたくてたまらなくなるんだ。とくに、難しい問題に直面したときとか、頭を使わなければならないときこそ、逃げたくなる。ネットサーフィンに行ってしまうとしばらく帰って来られないのは分かっているのに。

10分、20分、小さな時間をネットで失っている。ネットを仕事にするためには、ネットに使われない自分コントロールが不可欠だ。大事なこととして、調べ物は事前にしておく。サーフィンするときは目的を絞って行う。Twitterは一日三回。などルールを決めてそれを順守することだ。

最近は意識して、読書の時間などをしっかりとることでネットから離れるようにしている。シンプルにゴールを追求するためには飛びかかってくる情報の波をどのようにコントロールしていくかが欠かせない。

とにかく、時間を計測して仕事(余暇も)に取り組むのは一つの方法だ。

苦しいけど。

というわけで・・・

まとめ

頭の中をシンプルにしたい時に読む本ベスト。私の中で頭をシンプルにしたい時に読む本NO.1がこの本だ。

とってもシンプルだけど教訓は深い。

綿樽剛の著書一覧

#シンプルライフ #ミニマリスト #MIT #タスク処理 #仕事術 #ADHDの仕事術

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読書感想文

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq