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「集中力アップの科学」−具体的目標設定の鍵

多くの人が、必要な作業をしている時に集中力が途切れてスマホを手に取る経験があるかもしれませんね。作業効率を上げるためには、気が散る時間を減らすことが重要ですが、時間が経つにつれて集中力が低下することはよくあります。特に、仕事や勉強などを継続して集中するのは難しいものです。

しかし、少しの工夫で、タスクに長時間集中できるかもしれません。アメリカのオレゴン大学のディアナ・L・スト氏の研究によると、「実現可能な具体的な目標を設定すること」が長期的な集中力の維持に役立つと言われています。

「目標を持てば集中できる」というのは一般的な考えですが、大切なのはその目標の設定方法です。研究では、100人の参加者に対して、25分間にわたって連続する4択問題を解かせました。各問題の解答時間を測定し、集中力がどれだけ持続するかを調査しました。

初めの実験では、具体的な目標と漠然とした目標の影響を比較しました。「なるべく早く答える」という漠然とした目標よりも、「〇秒以内に答える」という具体的な目標を設定した場合、解答時間が短くなることが分かりました。

しかし、どちらの場合でも時間が経つにつれて解答速度は遅くなりました。これは、単に具体的な目標を設定するだけでは、25分間集中を維持することが難しいということを意味しています。

そこで、研究者たちは目標設定のタイミングに着目しました。次の実験では、時間が経つにつれて難易度を上げる目標を設定しました。たとえば、「次は0.45秒以内に回答してください」、それが達成できたら「次は0.4秒以内に」といった具合です。この方法では、参加者は25分間集中力を保つことができました。

この研究結果は、日常生活での集中力維持にも応用できます。例えば、PCを立ち上げる、メールを読む、一定時間内に返信を終えるなど、小さな目標から始めて徐々に目標を高めていくことが効果的です。

笠原彰心理学的分析:

この研究から分かるのは、目標設定の方法が集中力に大きく影響を与えるということです。具体的で実現可能な目標を設定し、達成感を感じながら次第に難易度を上げることで、脳は新たな刺激に反応し、集中力を持続させることができます。小さな成功体験は自己効力感を高め、作業への動機付けを強化します。このように、目標を設定し、段階的に達成していくプロセスは、集中力を高めるだけでなく、自己成長にも寄与するのです。

笠原彰プロフィール:

作新学院大学メンタルトレーニング教授
とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員
プロメンタルコーチ
自己肯定感養成プロコーチ
ライフバランスアーティスト
健康運動指導士
メンタルヘルスファーストエイダー
メンタルヘルス運動指導員

アスリート、コーチ、指導者、ビジネスマン、音楽家など、人生をより豊かにしたい全ての方の挑戦をサポートします。

専門的な知識を習得したプロメンタルコーチとメンタルアスリートを養成しています。完全個別指導でプロメンタルコーチとアスリートを養成します。

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