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酒は百害あって一利無しが最近の潮流というお話し

タバコは百害あって一利無し、お酒は百薬の長と言われて来て久しいと思います。

タバコは満場一致でしょう。しかし、お酒の百薬の長説は最近崩れつつあります。

◼️百薬の長の根拠 揺らぐJカーブ曲線

お酒が百薬の長たる根拠として長く使われてきたものにJカーブ曲線があります。

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1日の平均アルコール消費量を右軸、死亡リスクを縦軸とした際に、Jの字のグラフになります。

適正(少し)の飲酒であれば、全く飲まない人(グラフでいう0)より、死亡リスクが低い。ということで、百薬の長の根拠やお酒は適量なOK記事によく取り上げられて来ました。

しかし、最近このグラフの誤りが指摘されています。

それは、全く飲まない人(グラフでいう0)の中には、病気等で飲めない人も含まれているため、そのような人は元々死亡リスクが高いということです。

この病気等で全く飲めない人を除いたグラフにすると相関関係は見られ無くなるようです。

さあ、百薬の長の頼りであったJカーブ曲線の位置付けが危なくなって来ました。

ここから更に百害合って一利無しを根拠付ける、2つのお酒の論文・記事を紹介します。

◼️アルコールの脳への影響

マウスを使った実験ですが、10日連続の飲酒は脳のニューロン機能を破壊するという物騒な記事です。

10日連続…酒飲みなら余裕な日数かと思います。

記事に

Relvas氏は「アルコールによるシナプス機能障害は、神経伝達を低下させ、マウスの不安な行動を増加させました。これは、アルコールの大量摂取が神経細胞の接続を破壊するミクログリアを活性化させ、不安を誘発させていることを示唆しています」と述べています。

とあるように、お酒は不安を誘発させます。

不安を紛らわす為に飲んでいたお酒は却って、不安を呼び、更にお酒を飲むようになる。アルコール依存性の出来上がりです。

◼️酒は百薬の長はもはや時代遅れ

最後の記事です。

195の国・地域を対象にした2018年のメタ解析では「健康上の害を最小にするアルコールの消費量はゼロ」という結果でした。つまり、Jカーブ効果は観察できないのです。アルコールによる各種疾患のリスクをまとめたグラフでは、少量飲酒でリスクが下がることは示されません。

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この記事・論文では、はっきりと健康上の害を最小にするアルコール量は0だと言っています。

日進月歩の科学の世界ですので、今後アルコールの害について、また覆る可能性はあります。

しかし、現在の潮流としては、アルコールもタバコと同様、百害あって一利無し、の嗜好品なのです。

酒飲みの方は是非リスクを踏まえた上での飲み方を検討してみるきっかけとして頂ければと思います。

決して、酒は百薬の長だから、と飲むきっかけにするべきではありません。

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※断酒・アルコール依存性マガジン※


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