思考の整理学の話その1「とにかく書いてみる」。で私はnoteで書いている。
最近私は「私自身の思考はどのようになっているのか?」に興味あります。理由は私自身の「企画」を企むときの思考の流れについて体系化・言語化したいと考えているから。
その背景は、勉強会とかワークショップとかで、アイデアの出し方教えてくれませんかね?的な話が来るので、う〜む。様々な制約条件を同時に処理して、ゴニョゴニョしているんだよね。人に伝えられない。まぁ人に伝える必要は特にはないけど自分自身で気になってしまったので仕方ない。
それはさておき、今週末は昭和の時代に発売され、今も読みつがれている名著「思考の整理学」を10年ぶりくらいに読み直している。その中で「書く」ことの大切さを書いた章に大事なポイントが沢山あったので整理しておきたい。誰かに伝えたい。
週末のお供の本
”とにかく書いてみる”の章
”とにかく書いてみる”の章に文章を書くことで”もやもや”を”すっきり”させる過程が整理されています。もやもやしている人は是非読んでもらいたい。そして本も読んで欲しい。
まずは自分に言いきかす
まだ書けないと思っているときでも、もう書けると、自分に言いきかす。とにかく書き出すと、書くことはあるものだ。おもしろいのは、書いているうちに、頭の中に筋道が立ってくる。
・頭の中は立体的な世界になっている。
・たくさんのことが同時に自己主張している。
・頭が収拾すべからざる状態という感じは、そこから生じている。
書く作業は、立体的な考えを線状の言葉の上にのせること
書くのは線状である。一時にはひとつの線しか引くことができない。
「AとBとは同時に存在する」、と考えたとしても、AとBとを完全に同時に表現することは不可能で、かならず、どちらかを先に、他をあとにしないではいられない。
書く作業は、立体的な考えを線状の言葉の上にのせることである。
書くことの心得
なれるまでは多少の抵抗があるのはしかたがない。ただ、あまり構えないで、とにかく書いてみ る。そうすると、もつれた糸のかたまりを、一本の糸をいと口にして、すこしずつ解きほぐして行くように、だんだん考えていることがはっきりする。
とにかく書く
また、書こうとしてみると、自分の頭がいかに混乱しているかがわかったりすることもある。そういう場合でも、とにかく書いてみようとしていれば、すこしずつだが、筋道がつい てくる。
ひとつひとつ順番に書く
頭の中にたくさんのことが表現を待っている。それが一度に殺到したのでは、どれから書いたらよいのか、わからなくなってしまう。ひとつひとつ、順次に書いて行く。
どういう順序にしたらいいかという問題も重要だが、初めから、そんなことに気を使っていたのでは先へ進むことができなくなる。とにかく書いてみる。
頭もすっきりしてくる
書き進めば進むほど、頭がすっきりしてくる。先が見えてくる。もっともおもしろいのは、 あらかじめ考えてもいなかったことが、書いているうちにふと頭に浮んでくることである。
一気に全速力で
書き出したら、あまり、立ち止まらないで、どんどん先を急ぐ。こまかい表現上のことなどでいちいちこだわり、書き損じを出したりしていると、勢いが失われてしまう。
全速力で走っている自転車は、すこしくらいの障害をものともしないで直進できる。ところがノロノロの自転車だと、石ころひとつで横転しかねない。速度が大きいほどジャイロスコープの指向性はしっかりする。
とにかく最後まで
書いては消し、消しては書くといったことをしていれば、何を言おうとしているかわからなくなる。一瀉千里に書く。とにかく終りまで行ってしまう。
第二稿、第三稿、、、
第二稿を作る。これもただ第一稿の訂正のあとを写しとるではつまらない。新しい考えをなるべく多くとり入れるように努めながら、第二稿を作りあげる。これもまた推敲する。それで目立って改善されたようだったら、第三稿を作る。もうこれ以上は手を加える余地がないというところに至ってはじめて、定稿にする。書きなおしの労力を惜しんではならない。
そして読み返す
そこで全体を読みかえしてみる。こうなればもう、訂正、修正がゆっくりできる。推載する。部分的な改修ではなく、構造的変更、つまり、まん中の部分を冒頭へ、あるい は、最後部を最初へもってくる、という大手術を加える必要もあろう。ただ、一応、終りまで行っているという安心感があるから、ゆとりをもって工夫をこらすことができる。
聴き上手な相手を選んぶ
書いてみることのほかに、聴き上手な相手を選んで、考えていることをきいてもらうのも、 頭の整理に役立つ。
音読する。声も思考の整理に役に立つ
原稿に書いたものを推敲する場合でも、黙って読まないで音読すると、考えの乱れているところは、読みつかえるからすぐわかる。声も思考の整理にたいへん役立つのである。
平家物語の集団的功績
『平家物語』はもともと語られた。くりかえしくりかえし語られている間に、表現が純化さ れたのであろう。たいへんこみ入った筋であるにもかかわらず、整然として頭に入ってくる。 作者はいかにも頭脳明晰であるという印象を与えるが、これはひとりの作者の手柄ではなく、 長く語ってきた琵琶法師の集団的功績ともいうべきものであろう。
まとめ
思考は、なるべく多くのチャンネルをくぐらせた方が、整理が進む。頭の中で考えている だけではうまくまとまらないことが、書いてみると、はっきりしてくる。書きなおすとさらに純化する。ひとに話してみるのもよい。書いたものを声を出して読めば、いっそうよろしい。『平家物語』が「頭がいい」のは偶然ではない。
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