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住みやすいけど、つまらない街

日本の都市は住みやすい

日本の地方都市、車での移動が前提となっているような街は非常に住みやすい。片側2車線 or 3車線の大通りがあり、どこに行くにも車で行ける。駐車場がある。そんな街を想像してみて欲しい。

引越しをするといつも思うことがある。

「どこに行っても、街並みってほとんど一緒だよね」と。

大きなイオンがある、ユニクロがある、ニトリがある。5km圏内にスーパー銭湯があり、聞いたことがない名前の焼肉チェーン店がある。スタバとマックのドライブスルーがあり、煌々と光るパチンコ屋がある。和食系のファミレスと並ぶように、なぜかいつも快活CLUBがあり、くら寿司かスシローがある。24時間営業しているラーメン屋があり、おしゃれで小さなカフェがある。

どこに行ってもだいたい同じで、
どの街も間違いなく住みやすくて、
だけど、どの街も一緒でつまらない

コミュニティの欠落

そんな日本の都市が嫌いなわけでは全くない。けれども、歩いて回れる街の方が好きだ。整い過ぎた都市には、偶然での出会いやコミュニティがないような気がしてしまうからかもしれない。もしくは、整っているがゆえ、きちんと生きなきゃいけないプレッシャーを感じるからかもしれない。

その点、東京は懐が広い

自分が、大勢の中のひとりになれる感覚、いい意味で匿名性が保たれるのが都会のいい点であり、面白い点だ。たまたま飲み屋で隣り合った人は今後二度と出会いようがない人だろうし、自分のことなんてどうせ誰も知らない。街並みという点では、東京も似ているところは沢山あるかもしれないけれど、その街を通り過ぎていく人は常に流動的で、店も景観も絶え間なく変化している。

東京は、街が生きている気がする。

都市開発の仕組み

なんで、地方都市は同じような景観になってしまうのだろうか。同じような店ばかりになってしまうのだろうか。都市開発・街作りという文脈で、とある本を読んだので紹介したい。

『北欧のスマートシティ』
テクノロジーを活用した
ウェルビーイングな都市づくり

walkableでwell-beingな街

北欧は、自分たちを幸せにする都市づくりができる。人々の「こうありたい」や「こうあるべき」という理想や欲望を、街に実装できる。

人々が望む都市の姿をテクノロジーで実装するための仕組みについて書かれた、非常に興味深く面白い本だった。そして、実際に北欧を訪れて自分の目で見て感じたい、と思わされる内容だった。

北欧人のマインドセットとして
・社会システムへの信頼
・個人情報をオープンにする文化
・完璧なものはないという認識の共有
があることが、スマートシティ化を促進している。

都市の一部をICT(情報通信技術)の実験場に見立てて、そこで生活する人や働く人たちと共に新しいサービスの可能性を模索する「リビングラボ」という試みも、try and errorの土壌になっている。

ヘルステック

「オウル・ヘルスラボ(Oulu Health Lab)」は医療現場のニーズを汲み上げるプラットフォームで、オウル大学病院はデジタルヘルスサービスを活用した診療で世界的に有名になった。「ハーガスターデン(Hagastaden)」はライフサイエンス分野で産官学民の包括的な連携を生み出すシステムを形作っている。「メディコンバレー(Medicon Valley)」は、ライフサイエンス関連で世界的に有名な大学と研究所が集まっていて、常時新たなプロジェクトが生まれている。

図書館

北欧では「図書館は本を貸し出す場所から関係性を生み出す場所に変わった」と言われている。コペンハーゲン中央図書館、オーフス中央図書館ドッケン、ヘルシンキ中央図書館オーディ、オスロ中央図書館ダイクマン・ビヨルビカ。いく機会があれば、是非訪れてみたい。

クリーンテック

Six Senses Svart

エネルギー消費を抑えるだけじゃなく、消費量を上回るエネルギーを生産するホテル。発想も規模も規格外だ。スゴすぎ。

まとめ

国ごとに街の雰囲気が全然違うのは楽しい。どんな都市開発をしているのか、住む人々はどんな生活を望んでいるのか、考えながら街歩きをすると、その国らしさが垣間見えるのかもしれない。

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