本物の愛情

愛情という名の細い糸を
あっけなく離してしまう
慣れ親しんだ谷底へ
落ちてゆく方が今の私にはふさわしい
窮地に立たされた人間が
偽物の愛情を
本物だと信じ込んで生きてきて
今更それは偽物でしたと教えられても
本物の愛情がどんなものなのかまで
辿り着くことは難しい
この世にいろんな愛情は
沢山溢れているのに
なにひとつ私の心には響かない
誰も信じられないでいることは
孤独よりも安全である方を
選ぶ気持ちが強いから
孤独なんて痛くも痒くもない
裏切られて危険なめにあうより
よっぽどまし
こんな深い闇の中を
もう長いこと独りで歩いてきた
だからなに?
私のなにが悪いの?
人とは何か違う
最近そう感じてはきたけど
止められない
破滅へ向かう自分を
止められない
破壊したい
こっぱみじんに破壊したい

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