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広告収入を最大化する仕掛け

 あらゆるメディアの大きな収入源は「広告収入」。新聞、雑誌、テレビ、ブログによるアフィリエイト、Youtube。すべてスポンサー企業の広告掲載があって、経営的に成立している。

 この広告収入を最大化するには、どんな仕掛けが必要か、という話。

広告掲載という行為のステータスを高める

 結論から言うと、答えは「その媒体への自社広告の掲載自体が、社会的ステータスが高いこと」につながるための仕組みづくり。つまり、その媒体に広告を掲載していることを、他社が羨むくらいになれば、広告営業職が売り込みをかけずとも、各企業はおのずと広告掲載依頼をするようになる。そこまで行ければ強い。

 そのために何より肝心なのは、自社媒体の市場価値をぐんぐん高めること。たとえば、こういう企画が考えられる。

難民支援で「win・win・win」

 アフリカの難民キャンプで医療ボランティアに従事した人の活動を、特集記事として詳しく取材する(著名な活動家も良いけれど、むしろ無名な学生の活躍を取り上げる方が、読者には一層身近なニュースに感じられる)。ボランティア活動の意義と、命の大切さを「読者の心を震わせるよう」感動的に書く。貧困と病に苦しむ現地の親子たちのリアルを伝える写真も掲載する。そして、誰もがすぐに始められる支援の方法を記載する。

 紙面掲載前に、あえてこの記事をできるだけ多くの企業にメールで送信し、「〇月〇日号で掲載予定」と記載して、公開しておく。

 その特集記事の下に協賛広告枠を作る。小さな名刺広告でも良いので、掲載料をたとえば1枠2万円と設定する。この掲載料のうち、1万円はアフリカの医療支援のために寄付する旨を、営業を通じてさまざまな企業に伝える。受注し、入金を確認したのち、もちろん実際に1万円分は「国境なき医師団」などの団体に寄付する。

 この企画の要は、広告の依頼主のイメージがアップすること。「〇〇株式会社の社長さんは、世界の貧困問題に関心が高いんだな」「飢えに苦しむ難民の命を救おうと、資金援助に取り組んでいるんだな」という良質な評判を、広告主が得られる枠組みを作ると良い。

 「飢えた子どもを救いたいなら、わざわざ広告媒体を利用せず、黙って寄付金をアフリカに送ればいいじゃないか!」と憤激する人もいるだろうけど、そこは広告主と媒体と被援助者の「win・win・winの関係」。広告主はイメージアップ、媒体は広告収入、飢えた子どもたちは良質の医療を得られる。関わった全員が、今より少しハッピーになれる方が良いに決まってる。

広告収入の最大化の正体

 その媒体に広告を掲載すること自体が、ステータスの高い行為。そうなれば、広告営業スタッフが営業せずとも、多くの企業の方から広告掲載の依頼が入るようになる。だから、毎日体を酷使しながら広告営業を続けるスタッフの負担を軽くしつつ、効率的に広告収入を上げることができる。

 時間的にも体力的にも少し余裕ができた分、営業スタッフは特集以外の営業活動にも専念できるようになる。それが広告収入の最大化を生む。

まとめ ~メディアを支える営業スタッフを支える~

 メディアの存続を支える鍵となるのが、広告営業職のスタッフ。営業の成果如何で、その媒体の経営的な成長も衰退も左右する。あらゆる媒体に言えることだが、特に財源を広告収入のみに依存しているフリーペーパーでは、スポンサー離れは即座に経営不振に直結。経営不振は即座に、廃刊の危機に直結する。

 だから、大切なのは「広告営業職の負担をいかに軽減しながら、広告収入を最大化させるか」という仕掛け。営業職に過重な負担をかけてでも、売り上げを高めさせる働かせ方では、逆効果になる。

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