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【紫電】

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詩・長編小説と同時進行で書き綴る、何と呼べばいいか分からないものたち。此処に残ったものは、何時か必ず武器に為る。
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2023年3月の記事一覧

紫電 28

紫電 28

もう愛なんていらない。

 そこらでよく見るテーマパークのビニール袋。抱える本人は疲弊し切っている様にしか見えない。

 車内で異国語を話しながら日本語で話す女性と抱擁を重ねる男性。良いねぇ、愛し合っているねぇ。

死へと秒を読む心臓

 夢が醒めなければ、あの楽園が如きひとときを無限に味わえるのかなぁ。でも、逆に超現実的な悪夢からの解放も訪れない。

 人生の電源を切るのは実はとても簡単だという

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【詩/紫電】27 春の蟲

【詩/紫電】27 春の蟲

ムシの名を持った満月。

 時代は都が先陣を切って進む。順応せねば、古臭い方法で朽ち果てて行くのみ。

 成功する条件は容易且つ難解。

【名を轟かせる】

 例えば、居眠りを扱き下ろし選ばれた例の国会議員。蓋を開けば一度も仕事をせず報酬は多額。

 例えば、VTuber。先鋭を切った著名アーティストはスパチャで億単位を稼ぐ。十分の一でも、何千万もが報酬になるだろう。

 一度名が売れれば、それに

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紫電 26

紫電 26

心地良き気怠さ。

 疲労。社会復帰のリハビリ。

 日々如何に銭を使わず生きていくかで頭一杯。生きていくってしんどいね。

 ゆっくり風呂に浸かりながら、好きな音を吸い込もうそうしよう。

 脳味噌はとってもよく仕事をするが、心身共に追いつけない。

 すれ違った黄緑色のヘッドライト。

 警鐘・警鐘。

 風呂から上がったらココアを飲んで眠ろうか。

 推し×和。最高です。

紫電 25

紫電 25

これは何という花だろうか。

 昨晩犯したものは過ちとは思わなくなっている。綺麗だった。

 久々に部屋の窓を全て網戸にした。もう三月なのに、肌寒い風が吹き抜ける。

 花粉症では無い事が幸いだ。可愛い猫がだめになってしまったが。

 らったった。

 I'm Sorry. #Nowplaying (2023/03/03 15:34:26)

 真実の人ってなんだろう。どうやったらなれるのだろう。

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紫電 24

紫電 24

眠らない街が眠る時。

 中央分離帯でタクシーを捕まえた若い男は、助手席に乗ると加熱式煙草の吸殻を窓から捨てて去っていった。

 ホストらしき二人と共に歩く派手髪の女三人。路地裏には発泡酒片手に煙草を吹かす髭面の男。

 眠らない街が寝ている間、昨晩闊歩した連中の倍以上はあろう大人達が、残骸を片付けていた。

 絶叫。歩こう。

 もてなしの街、巣鴨。

 檸檬の添えられた墓。四年程前に未熟な授業

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紫電 23

紫電 23

REBORN

 酒場でコーラを一杯飲んだ。次に会う時は笑顔で仲間と。

 決断。情状酌量はお上に任せます。

 青い鳥は不調らしい。

 本当に三月になったのか。なんだろうこの虚無感は。食い扶持探さねぇと。

 順序を考えろ。気分では無く、思考。

 食欲が起きない。

 何故震えが止まらない。死にたがりの癖にびびってんじゃあねぇよ。

 眠らない街から、早寝の町へ行く計画。不安。

 謎の緊張

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