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紫電 23

REBORN


 酒場でコーラを一杯飲んだ。次に会う時は笑顔で仲間と。


 決断。情状酌量はお上に任せます。


 青い鳥は不調らしい。


 本当に三月になったのか。なんだろうこの虚無感は。食い扶持探さねぇと。


 順序を考えろ。気分では無く、思考。


 食欲が起きない。


 何故震えが止まらない。死にたがりの癖にびびってんじゃあねぇよ。


 眠らない街から、早寝の町へ行く計画。不安。


 謎の緊張感が徐々に強まる。


 急な頭痛。気圧か、不安か、憂鬱か。右眼潰れんじゃないか。


 偏頭痛。アタマの片っぽイカれちまった気分。


眠らない街は伊達じゃねぇ。

 明らかに未成年であろう二人組が歩き煙草を捨てて行った。火種を踏み潰して溜息。


 ガールズバーの客引きねーちゃんとお話。「可哀想なところもあるけど、居場所無いのかな。本人が今良ければいいんじゃないんでしょうか。日本の悪いとこ全部詰まってますよ」+応援の言葉。


 路地裏で抱擁と接吻を重ねるアベック。


 警備員に話を聞く。
「BLAZE前はビル風が強く、寒いのか最近はあまり見かけない。去年の10月頃は凄かった」


 暴力団廃止を掲げる警察の巡回。ものともせずゴミを散らして騒ぐ二十歳前後。


 「paypay切れちまう!」と叫びながら走り回る十代半ばと思しき青年達。


 めっちゃ緊張しながら警察官に声を掛ける。
「ご覧の通り、SNSに上がっている通りですよ。詳しい事はお話出来ませんが。」


 ビル風に踊りながらゴミを降らすビニール袋。


 透けた服を着て歩く少女。別の路地でも熱いキスを重ねるカップル。


ここにも金の落とし場が。

 歩き始めて約一時間。早くも日本の負が顔を出し始めている。


 「推し燃えたからさ」と熱く語る二人組。


 クラブ前では一見で五十はあろうかという諭吉を握り締めて男が二人入っていった。


 スーツ姿の男が増え始めた。(2023/03/01 22:48:38)


 排水口から瓦礫の山を駆け抜ける鼠。


 客引きに取材で来てる、と言うと奥の男が馬鹿にするように笑った。そりゃそうだ。「なら結構です。」こっちの台詞だ。


 区役所前には外国人グループが二、三。そして大量のゴミが詰まった紙袋。


 BLAZE前(2023/03/01 22:57:17)、ゲームセンター前で寝る人、酒缶瓶の散乱、炭酸飲料の缶を踏み潰す男や群れ多数。


 町内を防犯安全アナウンスが常に鳴り響いている。
「マッチングアプリ等で知り合った女性に案内されお店に入ってしまい、会計時に高額な請求をされてトラブルになる事案が多発しております」


 客引きに掛かる回数は増えたが、話を聞ける機会はどんどん減っていく。


「優しい人と称して、近付くケースが増えております」


「困っている少年少女を見掛けたら、犯罪に巻き込まれないように警察に知らせてください」


 ストロングチューハイに酔わされ、奇声を発しながら踊る男。


 歌舞伎町の中心で、もう少し長居するか退散するか悩む。(2023/03/01 23:06:22)


 危険な香りがビル間の強風に乗ってやってくる。空き缶の転がる音、タクシーのクラクション。救急車のサイレン。


 2023/03/01 23:39:47歌舞伎町を抜け韓国街へ。職務質問を受けて鞄を全て開く男性。


 二時間前は明るかったが、もう真っ暗。露出度の高い女性が無言で微笑んできて怖かった。


 無事宿へ。恐ろしい朧月夜であった。


来た甲斐はあった。

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