見出し画像

強固なリサーチ基盤をつくるためにPdMの私が社内で取り組んだこと

こんにちは!TimeTreeでPdMをしているめーら(@mela_dayo)です。
前回の記事では、PdMの私がなぜリサーチに力を入れているのかを説明しました。
今回は準備編として、リサーチを社内に浸透させるために取り組んだことを書いてみようと思います。

💘 💘 💘


どうして強固なリサーチ文化の土台が必要なの?

突然ですが問題です!!リサーチを実践するにあたって社内での基盤づくりが必要な理由はなんでしょうか?

ここだけの話、文化の土台づくりってかなり骨が折れますよね。一人でやってしまった方が楽!!!だからやりたくない方も多いのではないでしょうか。

それでも必要な理由。それは「プロダクトはメンバーと一緒につくるものだから」だと私は思います。

PdMはプロジェクトや企画をリードすることが多い職種です。つまり、現状の課題や開発の目的を把握しやすい立場にあります。

でも、課題や目的を知っているのはPdMだけでいいの?本当にそう思うか?

私は、プロダクトづくりは二人三脚と似ていると思います。チームで足並みを揃えて戦うもの。できるだけ同じ温度感を持っていたいんです。

「ユーザーさんは何に困っているのか」「どうしてこの開発をやるのか」を同じ粒度で共有することで、チーム全体のユーザー理解が深まります。

そして何より、メンバーも納得感をもってプロダクトに向き合うことができるのではないでしょうか?みんながサゲだと私も萎え〜!モチベはアゲに限るぜ!!

つまり「メンバー一丸となってプロダクトをつくる」ことで、「ユーザーさんの課題を解決」することに近づける!だから私は社内のリサーチ基盤を整えることにしたのです。

🌸 🌸 🌸

基盤づくりのためにやったこと3つ

仲間を集めてボトムアップでリサーチ文化醸成

といっても何をすればいいんや…と途方に暮れる日々。

そこでいつも1on1をしているCDOのLouisにまず相談!Louisはいつも私をうまくコーチングしてくれるので活用させていただきました😂

👩🏻「かくかくしかじかで〜リサーチを社内にもっと浸透させたいんス!押忍!」
👨🏻「データアナリストのHatchyが定量調査まわり興味あるって言ってたから一緒にやるのはどうだろう?どんどん実績つくるのがいいかもね」

というわけでHatchyを強引に誘い、定量 / 定性調査を包括した野良プロジェクトを立ち上げました。野良すぎてプロジェクト名もまだない。

目的は現状のリサーチの課題を把握し、より適切なリサーチを行っていくことで社内のリサーチレベルをUPさせることです。

そこでまず「リサーチとは何か」「どうやればいいのか」のナレッジを蓄積するため、社内notionにナレッジ格納場所を作成しました。

「リサーチで困ったときはここを見ろ!」のページです。お恥ずかしながら、今まではかなり属人的でこのような場所もなかったんです。

もちろん、プロジェクト内で実際に取り入れるあたって、リサーチに興味を持っているメンバーの意見も参考にさせていただきました!

Hatchyとつくった社内のリサーチナレッジ格納場所

手順の見直しと各種フォーマットの作成

ナレッジ格納場所を作ったら、次はフローの整備!というわけでリサーチの手順の見直しをしていきました。

これまで「どんなリサーチにするか」の部分はあまりドキュメント化していませんでした。でも、全社的にリサーチを強化していくなら、ちゃんと言語化しておく必要があります。

目的は大きく3つです。

  • リサーチの目的とゴールをメンバーと共有する

  • リサーチが進んだ時に振り返られるようにしておく

  • 過去の資料として誰もがリサーチに取り組みやすくする

一番大切なのは、チームでリサーチの目的とゴールについて共有することです。

目的とゴールがよくわかっていないメンバーを巻き込んでも、それは「ただ参加しているだけ」になってしまいます。
また、リサーチ後に企画〜開発へ落とし込む際にも「なんか全然違うゴールに着地したぞ?」となりかねません。

そこで、なぜ今回のリサーチをするのかをわかりやすくして、リサーチから開発までをスムーズに行うため調査企画書を作成しました。

調査企画書には調査の前提(経緯)、問い(目的)、調査対象者、手法、調査項目、活用イメージ、スケジュールなどを記載しています。

調査企画書

また、インタビューガイドも作成いたしました。インタビューガイドは実際のインタビューで話す内容を書いたものです。つまり台本!

質問項目はこれまでも箇条書きで準備していました。ですが実際の会話をイメージするだけでこんなに質問が楽だなんて…!

もちろん、準備した質問内容をすべてするわけではなく、状況に応じて変えています。ですが思いつく限りのものを準備しておけば、柔軟な対応もしやすい。
予想外の回答がきても慌てたり、何を質問するか迷子になったりすることもありません。

また、こうみえて私は丸腰だと不安なタイプなので(本当です)、精神安定剤にもなりました。

インタビューガイド

調査企画書やインタビューガイドは「はじめてのUXリサーチ」を参考に作成いたしました!(掲載許諾いただきありがとうございます)

その他、これまでバラバラになっていたインタビューの記録を全社横断で管理するデータベースも構築。誰でも過去のインタビューの内容を探しやすくするためです。

まだ試行錯誤中ですが、他のチームのインタビューも見やすくなり、個人的にも使いやすくなったと感じています!

N1インタビューリスト

メンバーにもインタビューに参加してもらった

まず、エンジニアやデザイナーの方にも議事録係として参加してもらいました。
今までインタビューはPdMだけで行うことが多かったのですが、同じ一次情報に触れることで自分ごと化しやすくなると考えたためです。

幸いにも「やりましょう!」とノリノリな方ばかり…メインモデレーターを担当してくださった方も…BIG LOVE…

また、ユーザーインタビューをYouTubeで社内LIVE配信できる仕組みもつくりました。

これまでもインタビュー録画の共有はしていました。ですが60分の動画をみよう!とはなかなかなりませんよね。

加えて、多くのメンバーに関わってほしいと思う一方、大人数でインタビューに参加するとユーザーさんの心理的な負担が大きいという懸念がありました。

そこでZoomでのインタビューを、社内限定でYouTubeにLIVE配信するというのをやってみました。メリットはこんな感じです。

  • インタビューに参加していなくても、ちょっと覗いてみよう!ができる

  • 議事録などで同席していなくてもインタビューに参加できる

  • 顔出ししなくてもインタビューに参加できる

  • 質問を拾う形式にしたので、誰でも気になったことを聞ける

  • チーム外の人でも気軽に覗ける

社内メンバーにとってのインタビューのハードルを下げることも、とても大切。

Slackでインタビューの詳細を事前シェア&LIVE配信URLの共有

🎟️ 🎟️ 🎟️

実際やってみてどうだった?

社内メンバーからの声

🧔🏻‍♂️「ユーザーさんの課題を間近に感じられた」
👩🏻‍🦱「顔出ししなくても参加できてハードルが低かった」
🧑🏻‍🦱「方向性やソリューションのアイデアが考えやすかった」

ありがたいことにポジティブな意見を多くいただきました!私が目標としていた部分は概ね達成できたなと感じています。

反対に、改善が必要だなと感じたのは、エンジニアやデザイナーのリソースをリサーチに使ってしまう点です。

負担が大きくならないような調整や、短い時間でも関わりやすくする方法は今後も探していく必要がありそうです!

土台づくりに尽力してみての所感

社内のリサーチの基盤を整えることで、私自身もリサーチに尽力しやすくなりました。思いつく範囲だとこんな感じ。

  • チームで一体感を持ってプロダクト開発に取り組めた

  • 従来より的確にリサーチができてゴールに近づけた

  • リサーチ後の分析〜企画〜開発まで繋げやすくなった

土台づくりの労力はありますが、それよりもメリットの方がとても大きいと

が、もちろんすべてがうまくいっているわけではございません!!!!(クソデカボイス)

例えば、リサーチナレッジ格納場所を活用してくださっているのは、元々リサーチに関わっていた方が多く、全社的にフル活用!とまではいっていません。各フォーマットやデータベースもまだまだ発展途上なので、今後も試行錯誤していく予定です。

次回予告

実践編として、インタビューのコツや気をつけていること、その他取り組んだことなどをご紹介できればと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?