夏の旅日記 二日目 前編【🇦🇹ウィーン,オーストリア】 2021.08.11
一日目の記事はこちら
前編⏬
後編⏬
朝起きてホテルの外を眺めます。
ホテルからは塔の先っちょだけ見えました。
■ホーフブルグ宮殿について
この日のメインはホーフブルグ宮殿(王宮)。
ホーフブルグとはドイツ語で王城を意味する言葉。
神聖ローマ帝国の皇帝としてヨーロッパの半分以上を支配したハプスブルク家の歴代当主が600年以上にわたって代々居城としたのがホーフブルク宮殿です。
18もの建物が複雑に入り組み2500以上もの部屋がある複合建築物で、
旧王宮と新王宮、オーストリア国立図書館、宝物館、シシィ博物館、アウグスティナー教会、アルベルティーナ美術館、王宮庭園、乗馬学校、王宮礼拝堂、スイス宮など、
見どころがありすぎるため、この日はほぼホーフブルグ宮殿をめぐる日でした。
まずは朝ご飯を食べに行きます。
ちょうど行く道の途中にホーフブルグ宮殿もあるので
まずは通り抜けだけしました。
最寄りのトラム停を降りてすぐホーフブルグ宮殿の目の前へ。
宮殿と道路を挟んで向かいにある
ウィーン自然史博物館と美術史美術館を尻目に
宮殿敷地内に入っていきます。
(写真は自然史博物館)
本当はこの二箇所も行きたかったのですが、ホーフブルグ宮殿ですら何箇所か見学を割愛してる中、時間の余裕があるはずもなく…
泣く泣く今回の旅では外観を見るだけでした。
・ブルク門をくぐり、英雄広場,中庭を通ってミヒャエル門まで。
まず最初に見えるのがブルク門
ナポレオン率いるフランス軍に勝利したことを記念して1824年に建てられたもだそうです。
円柱に支えられた5つのアーチの門で、門の上には,金色の「IUSTITIA. REGNORUM. FUNDAMENTUM.」
和訳すると「正義が支配の基盤」と書かれており、
オーストリア皇帝フランツ1世のモットーだそう。
このブルク門をくぐると最初に広がってるのは
ヘルデンプラッツ(英雄広場)
中央に見える像はオスマントルコ帝国によるウィーン包囲時の救国の英雄、オイゲン公です。
オイゲン公の向かいにはカール大公の騎馬像もあるのですが、こちらは写真を撮り忘れてしまいました…
彼はナポレオンとの戦争などで活躍し、
ハプスブルク帝国の皇族にして軍人でもあった人物です。
カール大公の騎馬像はオイゲン公の騎馬像のように後ろ足二本と尻尾でバランスを取るのではなく、
本当に後ろ足二本だけで像のバランスをとっているのだそう。
この像はアントン・ドミニク・フォン・フェルンコルンという彫刻家の作です。
世界でただ一人、騎馬像彫刻を馬の後足のみで支えて立たせることに成功した人物とされています。
そのためカール大公像は"奇跡の騎馬像"とも呼ばれています。写真の撮り忘れが悲しい…
是非皆さん英雄広場を訪れた際はこのお話を少し思い出して像を見てみてください。本当に二本足で立ってます。
ちょっとしたエピソードなのですが、
カール大公の奇跡の騎馬像を完成させ、大喝采を浴びたフェルンコルン氏。
彼は次に作成に取り掛かったオイゲン公の像は二本足で立たせることがどうしても叶わず、その重圧に耐えかねて発狂してしまったんだそうです。
後を引き継いだ弟子たちがオイゲン公を完成させたと伝えられています。
像を少し眺めて、
散歩程度に英雄広場から中庭を通り過ぎ、ブルク門と反対側のミヒャエル門まで来ました。
ミヒャエル門の天井も大変美しいです。
この日見学予定のシシィ博物館の入り口なども、
この高い天井のところにあるのでまた後で来ます。
ミヒャエル門の方がホーフブルグ宮殿の入り口としては
有名かと思います。
■歴史あるカフェ・ツェントラールで朝食
ウィーンの街を歩きすぐのところにある
"Cafe Central"(カフェ・ツェントラール)
ケーキがとても美味しいと評判だそう。
今日はここで朝ご飯もいただきます。
時刻は朝10時前。店の外まで行列ができてました。
このお店でも変わらずコロナのワクチン接種や陰性証明の類のチェックがありました。
カフェに入るとまず初めにおじさん(人形)が出迎えてくれます。
彼はこのカフェにゆかりのあるペーター・アルテンベルクと言うオーストリア人の作家さんだそうです。
席に案内していただき、店内を見回してみます。
とても雰囲気のあるカフェですが、家族連れからカップル、若者複数人のグループ、地元民らしき仲睦まじい老夫婦まで。いろんな人が集まる居心地の良い空間でした。
1876年創業のここは、
元は宮殿として使われていた建物をカフェに改装したものなのだそうです。
豪華で綺麗な内装を見ればそれも納得です。
20世紀初頭からは、著名な作家や知識層・文化人よく通っていたそう。
・美味しい朝食と評判のケーキを
注文を終えて一旦ケーキを見回りに行きます。
ケーキごとに番号がふってあるためドイツ語を読むのが
難しくても問題なし。
朝食後に注文するときにスムーズなのでこの待ち時間にショーケースを見回るのが効率的だと思います。
どのケーキを頼んでも美味しいと評判のカフェ・ツェントラール
どれを注文したのかはこの記事の後で☞
ケーキ選びも店内見学も終えてしばらく待ちます。
品格ありつつも親しみやすい雰囲気の店員さんに運ばれてきたのは今日の朝食。
メニュー名は"Traditionelles Wiener Frühstück"
日本語で"伝統的なウィーンの朝食"の意味
朝食メニューは単品もありましたが、このようなセットのメニューは確か六項目あったかと思います。
ロールパンとクロワッサン、バターとジャムがついております。
ゆで卵は半熟。これがとても美味しい。
メニューの中にはホットドリンクも含まれているためこの日はカプチーノを注文。
しっかりめのロールパンとふわっふわのクロワッサン。
どちらも絶品でした。
こちらはお値段9.6€
日本円で大体1000円強ほどです。
綺麗に完食。
お皿を下げてもらうときにケーキの番号を伝えてさらに
待ちます。頑張ってドイツ語で数字を言ってみたらちゃんと通じて一人で舞い上がっておりました(笑)
本当は複数食べ比べてみたいところですが、その気持ち抑えて今回一つだけ選んだのはマンゴーのケーキ。
ココナッツが入っていてフルーツとナッツの絶妙なバランスが美味しすぎるケーキでした。
断面はココナッツの層とマンゴーの層。一番下はタルト生地に近い土台でした。
見た目も美しい。
(二枚目断面、食べかけの写真失礼致します)
■再びホーフブルグ宮殿へ
美味しい朝ごはんとケーキを朝から堪能して
次はいよいよホーフブルグ宮殿を周っていきます。
カフェから来た道を戻り今度はミヒャエル門の方から入っていきます。
・旧王宮
まずは最大の見どころ、旧王宮から。
旧王宮はハプスブルク家の歴代皇帝が生活をし、
執務を行っていたまさにこの王宮の最も重要な部分。
旧王宮だけでも「宮廷銀器コレクション」「シシィミュージアム」「皇帝の部屋」「スペイン乗馬学校」多くの見どころがあります。
今回はミヒャエル門から入って右手の入り口から入り、
銀器コレクション→シシィミュージアム→皇帝の部屋
の順に見学していきます。
ガイド通りに進むとこの順でスムーズに回れるので分かりやすいです。
ちなみに左手に行くとスペイン乗馬学校です。
世界唯一の施設として、ルネサンス時代から続く
古典馬術の最高技術を今も受け継いでいます。
白馬が音楽に乗せて極めて難度の高い技術を披露するというパフォーマンスを見ることができるそうでとても興味深かったのですが今回は断念…
ということで進んでいきます。
もちろんここでもウィーンパス有効です。
ウィーンパスについてはこの記事の最初に
リンクを貼っている一日目後編の記事をご覧ください。
・宮廷銀器コレクション
まずは銀器コレクションから。
王宮で使用されていた食器類を中心に展示されています。
かなりの数があり、どれも目を見張るものばかり。
数々のセンターピースは大小様々で細かく彫刻が施されています。
芸術品の様な食器類も見どころです。
数えきれないほどの食器が並んでいますがどれをとってもとても美しく絵付けされています。
他にもマリア•テレジア女帝が愛用していた食器類の実物など、ここでは紹介しきれないほどの展示品がある銀器コレクションですが、先ほども述べた通り旧王宮はこれだけではありません。
次に向かいます。
・シシィ・ミュージアムから皇帝の部屋へ
シシィとは絶世の美女として知られるオーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后、"エリーザベト"の愛称です。
シシィ・ミュージアムはその名の通り彼女に焦点を当てた博物館です。
残念ながら撮影禁止のためここから写真はありませんが、こちらも見どころ満載。
銀器コレクションもそうでしたが、日本語の丁寧なオーディオガイド付きなので、どの部屋がどの様に使われていたかなど細かく知ることができます。
シシィのドレスの再現などもあり、美女と言われただけあってすべて華奢。
彼女の体型維持の道具などもありました。
豪華絢爛な部屋などかなり充実した内容でした。
にしても宮殿多いよね。
さすが、ヨーロッパで長い期間権力を持ち続けたハプスブルク家ゆかりの地。
どこかしこに豪華な部屋がたくさんある宮殿があります。
シシィ・ミュージアムと皇帝の部屋を見終わるとお土産ショップに。
日本語のガイド本なんかも置いてましたが、個人的にこのオーストリア料理の日本語版が気になりました(笑)
本は買いませんでしたが、前から欲しかったシーリングスタンプをまさかのここで購入しました(笑)
・中庭そしてスイス門をくぐって
ショップを出で中庭にでます。
中庭中央には神聖ローマ帝国最後の皇帝フランツ2世でありオーストリア皇帝フランツ1世でもある人物の像が立っています。(記事前半でも中庭の写真を載せましたがここでも載せておきます)
中庭の南側には朝通ってきた英雄広場、
北側には入口のミヒャエル門、
東側にはスイス宮の入口となるスイス門があります。
特徴的な赤い門に入って天井を見るとルネッサンス様式で鷲の紋章が描かれています。
ハプスブルグ家が始まる前、
バーベンベルク王朝の君主レオポルド6世によって
13世紀前半に建てられた王宮最古の部分がスイス宮です。このスイス宮は後にボヘミア王オトカル2世によって拡張されています。
かつてはスイス傭兵が警備していたため、スイス宮と呼ばれるようになったそうです。
ここにはハプスブルク家の財宝を展示する王宮宝物館と
王宮礼拝堂があります。
一流だらけの王宮宝物館はかなり見応えがあるといいます。
王宮礼拝堂では9月中旬から6月中旬の毎週日曜日、
朝9:15からのミサにて、あの「天使の歌声」と高く評価されているウィーン少年合唱団の歌声を聴くことができます。チケットはかなり早く売り切れるそうなのでもし聴きに行かれる際は早めの購入をお勧めします。
(下記の公式サイトから購入できます。)
礼拝堂は皇帝フリードリヒ3世の時代、
1447年から1449年にかけてゴシック様式で建てられ、後にマリア・テレジアによって当時の流行に合わせて後期バロック様式で改築されたそうです。
宝物館も礼拝堂もこの旅では割愛…
また改めて来たいものです。
写真に写っている階段を登った先が王宮礼拝堂です。
・オーストリア国立図書館
ヨーゼフ2世像のあるヨーゼフ広場に出てきました。
この後に行くオーストリア国立図書館は世界一美しい図書館の一つに数えられています。
18世紀にカール6世のによって建てられた旧王宮図書館で、一番の見どころはプルンクザールと呼ばれる大広間。
早速中に入っていきます。
通常は7ユーロかかるところですがここでもウィーンパスの出番。そのまま入っていきます。
入るとすぐ左手に階段に通じる扉があるのでここから図書館まで登ります。
大理石の柱と宮廷画家ダニエル・グランによる華麗なフレスコ画が印象的な天井が非常に美しい図書館。
この旅は少し急ぎ足の旅だったのですが、ここでは思わず一息ついてしまって椅子に座ってしばらく眺めてしまいました。思わず時を忘れる空間でした。一般は書物を読むことはできませんが、蔵書約20万冊、対トルコ戦争で活躍したサヴォイのプリンツ・オイゲン公の蔵書15000冊や、宗教改革者マルティン・ルーターの膨大な蔵書で知られています。
・アウグスティナー教会
図書館を出てすぐのところにある教会です。
王宮に組み込まれており、単独で建っている教会ではないため、一瞬どこに入り口があるのか迷いました(笑)
入り口はとても小さいのに入るとかなり高い天井におどろきました。
ハプスブルク家君主の心臓が納められている教会だそうです。ちなみに君主の内臓はシュテファン寺院、遺骨はカプツィナー教会でと分割埋葬されているんだそう。
後ろを振り返るとパイプオルガンも見えます。
マリア・テレジアの娘であるマリア・クリスティーネの記念碑。
この記念碑はクリスティーネの夫が彼女の死を悼んで
イタリアの彫刻家アントニオ・カノーヴァに制作させました。
フランツ1世とマリア・テレジア、
フランツ・ヨーゼフ1世とエリザベート
ナポレオンとマリー・ルイーズ、
ルイ16世とマリー・アントワネットなど
多くの歴史上の著名人たちが結婚式を挙げたことでもこの教会は知られています。
ヨーロッパの大きな教会では、大きな扉に高めの位置のドアノブが付いていることが多いですが、
ここのドアノブは位置高すぎて驚きました。
かなり余談です。(笑)
・アルベルティーナ美術館
先ほどのアウグスティナー教会から南に歩くと
すぐ特徴的な階段が見えてきます。
この階段のデザインは定期的に変わるそう。
この日はモネでした。
デッサンの殿堂と呼ばれるこのアルベルティーナ美術館では世界最大級のデッサンをはじめ、水彩画や版画なども多く展示されています。
一番有名な絵画はアルブレヒト・デューラーの"野兎"という作品です。
ナポレオン戦争で活躍したカール大公の息子で、陸軍元帥をつとめた人物であるアルブレヒトの騎馬像が美術館前に立っています。
美術館ではモネ、ピカソやダ・ヴィンチなどの絵もあり
かなり見応えがありました。
・王宮庭園(ブルクガルテン)
アルベルティーナ美術館のすぐ隣に庭園が広がっています。
この庭園もホーフブルグ宮殿の大きな見どころです。
もともとは皇室の庭園でしたが、現在は無料で開放しており、地元民から観光客まで幅広い人々の憩いの場です。
シートを敷いて日向ぼっこしてる人や
ご飯を持って食べている人もたくさんいました。
庭園の北側には温室があり、熱帯蝶類博物館とカフェが併設されています。
ポツンと佇むフランツ・ヨーゼフ一世像と遭遇。
緑豊かな庭園を歩くとフランツ・シュテファン(フランツ一世)の像がありました。
彼はマリア・テレジアの旦那さんでマリー・アントワネットの父でもあります。
ハプスブルク=ロートリンゲン朝の最初の皇帝です。
(中庭にあった像もそうです。)
この庭園内で私の1番のお目当ては
こちらのモーツァルト像。
観光パンフレットなどの表紙にもよく写真が使われてるので見たことがあるという方も多いと思います。
ちょうど近くにいた観光客のご家族の写真を撮ったところ、お返しで私も写真を撮ってもらいました。
・新王宮
庭園を西方向に進んでいくと、この日の朝、
王宮に入る際使ったブルク門が見えてきます。
朝以来、再び英雄広場に到着した私の目的は新王宮。
「エフェソス博物館」「中世武器博物館」「古楽器博物館」「ワールドミュージアム(旧:民俗学博物館)」の
4つの博物館で構成されています。
ブルク門を出て、道路を挟んだ向かいにある美術史美術館とチケットがセットなのでお得です。
特に古楽器博物館は音楽をしている者としてとても行きたいと思っていたので楽しみにしていたのですが…
なんと、ホームページ記載の開館時間にも関わらず、例外的にこの日は閉まっていました…
泣く泣くこの旅では行かないことに…
もう一度よく眺めた宮殿の屋根上には双頭の鷲。
最後にもう一度英雄広場を回ってホーフブルグ宮殿見学をしめます。
二日目 後編の記事はこちら⏬
※営業時間等は2021年10月現在のものです。
変更の可能性もありますので正確な時間等は
公式サイトでご確認ください。
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