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人生で一番エネルギーを費やしてきたものがなくなったとき

高校生の時、毎朝新聞を読んで通学するのが日課だった。

ある日の紙面、
中学のバスケットボール指導者の言葉に、

「あなたの一番得意なものを取ったとき何が残りますか?」

と書かれていた。

当時の私は、
「筑波大学にいくために高校生活を送る」

というのが普通であり、当たり前だった。

そのために、授業を受けて、試験で点を取り、
部活では実績を出すために取り組み、
内申書を上げるために委員会活動もした。

そんなところでこの記事を読んだ。

「いま自分からハンドボールを取ったら何が残るんだろう。」

「ハンドボールをしていない自分に価値はあるのだろうか」

そんなことを考えた。


当時も現在も、
人生の軸として、ライフスタイルの中心は、
ハンドボールになっている。

ハンドボールのトレーニング時間に合わせて他のものを調整するし、
やりたいことを後回しにしたり、
多少面倒だと思ってもやり切ることを大事にしてきた。

それがなくなったとき、
自分はどうなるのだろうか。
自分に何が残るのだろうか。

その競技を通して培われた
自分自身のストロングポイントは何なのだろうか。

おそらく、プロスポーツ選手として生活していても、
そんな不安は出てくるかもしれないし、
自分で気づかずに無力感や自己肯定感が下がることも考えられる。


じゃあ、我々指導者が選手に対してできることは何なのだろうか。

スポーツの指導者としては
そのスポーツをうまくさせる、強くさせる
という大前提がある中で、
やはり、スポーツの付加価値的な部分を認識させることも
一つの仕事なのではないかと考える。

時間を守る
約束を守る
協力をする
思いやりを持つ
やり切る

なんていうのは、スポーツ指導の現場ではよく言われることだ。

とりわけ学校部活動の場ではそこがメインになっていることが
あるかもしれない。


社会に出た時に、
「ハンドボールで全国制覇しました」
といったところで、
それ自体がストロングポイントになるということのほうが珍しい。

「全国制覇した自分」に寄ってくるお客様もいるかもしれない。
でも、「いまの自分」に寄ってくる人のほうが、
圧倒的に「今の自分」を評価してくれている。

どちらの関係が長続きするかはおそらく明白だ。

それこそ、「全国制覇した」という肩書きを取ったときに、
「いまの自分」で勝負できなければならない。

もちろん、過去といまと未来はつながっていて、
過去の経験があるから今があるので、
「全国制覇」が意味がないといっているのではない。

そんな肩書きに頼らなくとも、
いまの自分に自信をもって生きているというのが大事だ。

一番得意なもの、
一番エネルギーを注いだものがなくなったとしても、
自分自身の過去がなくなるわけでもなく、
自分の価値が下がるわけでもない。

自分を馬鹿にしないためにも、
自分に自信を持つためにも、
「〇〇しかしてこなかった」
ではなく、
「〇〇してたからこそ今の自分がいる」
と言えるようにしてあげることが、
指導者の仕事の一つなのではないかと感じた。

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