マナーのお願いは100年前からあった… 読書 「映画館と観客の文化史」
映画館についての歴史を書いた書籍から、気になるトピックをご紹介します。
どんな本?
映画館の歴史を通して、映画の本質に迫る!
という1冊。
しかし、雑多な周辺情報がたくさん盛り込まれているので、長くて少々読みづらい。
ここでは印象に残ったことだけをお届けします。
最初の常設映画館 「ニッケルオディオン」
1905年にアメリカで誕生した、いわゆる映画館。
それまでの映画は、都度スクリーンと映写機を持ち込んだ巡回上映師の手で上映されていた。
仮設テントや劇場、ボードビル※ で時々上映される見世物という感じ。
ニッケルオディオンのすごいところ
設備はショボくとも、この時点で現代の映画館の形を完成させていたこと!
唯一の違いは、当時上映されていたのは無声映画で、スクリーンの横にピアノが設置され、必ずピアニストの演奏とセットで上映されていた点。
100年前の人類のマナーとは…
なんと、設備だけでなく上映前のマナーについてのアナウンスの原型も、この頃から存在。
「大声での会話、口笛はお控えください」
などの幻燈(昔のスライド。ガラス板に書かれたものを映写機でスクリーンに写す。)が表示されてから上映がスタートしていた!
📹🚨?
実際どれほどマナーが守られたかは疑問ですが、この本によると、マナーが崩れていくのは1930年代のトーキー全盛からだそう。
それまでの「上映が終わるたびに観客を入れ替える」方式から、
「上映中自由に出入りして良く、映画は連続再生。途中から観て、自分が観たシーンまで戻ってきたら帰る」
というルールが一般的になってから。
それ以来、映画館は超・雑多な雰囲気になり、この雰囲気は1970年代まで続く。
今では信じられないですね…
(↑も楽しそうだけどね。)
「現代人はマナーにうるさい」とはよく言われますが、100年前の人も映画を劇場で気持ちよく鑑賞するための、最低限のマナーは考えていたようです。
映画館が雑多だったのは30年〜70年の40年間だったとすると、
映画120年の歴史の中では、マナーを気にしていた時代の方が長い…かも?
こじつけかも🦆~
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