ノベルティグッズを作ったときの反省と学び - グッズは捨てられる
昨年、note社でいくつかのイベントに協賛をし、ありがたいことにブース出展も行うことができた。
技術広報としてブース企画とグッズ制作に去年関わったのだけれど、ノベルティグッズづくりってまぁ〜〜〜〜〜難しい。考えることが多いうえに、正解がわからない。PR・広報・企画・マーケ・デザインなどを掛け算せねばならず考えることが多すぎる。
グッズづくりの学びと反省を忘れないように文章を残し、これからグッズをつくろうと思っている人のためになればと思う。
※ こちらは 1人で25日書く技術広報 Advent Calendar 2022の11日目の記事です。今は2023年ですが、12月に書ききれなくてまだアドベントカレンダーをやっている。時空の歪み。
基本的にはグッズは捨てられてしまう
これが一番の学びかもしれない。この気持を我々は忘れていはいけない。
ノベルティグッズの目的の1つとして、「ロゴを身近に置いてもらう」「ふとした瞬間に自社を思い出してもらう」などの狙いがあると思う。どちらもグッズを長く使ってもらうことで達成することができる。
しかし、ノベルティグッズって基本的にはほとんどが捨てられてしまうのが現実だ。
自分がイベントに行ったときを振り返ったときにそうじゃないですか?1年のうちにいくつかイベントに行って、ノベルティグッズをすべて自宅に残しておくのは実質不可能だと思う。取捨選択は必ず起こる問題だ。
イベントの現地に来ていたエンジニアからもヒアリングをしたのだけれど、やはりすべてを取っておく人はあまりいなかった。
そもそも、ブースでグッズをもらう受け取り側って「イベントでテンションがあがっていた」「ブースに寄ったのでとりあえずもらった」という成り行きの人も多くいるはず。本当に欲しくてももらっている人がどのくらいいるのだろうか。
「捨てられるから作るな!」ということが言いたいのではなく、「捨てられる可能性があるぞ、ノベルティグッズは激戦区だ!!」を頭に入れておくべきだ。
グッズが何を果たすべきか役割を決める
「当たり前じゃん」って思うかもしれませんが、これが意外に見落としてしまう。
「採用を増やす」「ブランディング向上」などの目的は決めるのは当然なのだけれど、グッズがどのようにその目的に作用するかの役割をしっかり決めておくべき。去年、グッズ制作をしたときもなんとなく決めてはいたのだけれど、もっと明確に決めるべきだと思った。ブースに行く全員の認識を揃えておくべき。
作ったグッズが「SNSで拡散されるものなのか」「現地に来た人にインパクトを残すものなのか」「長く使ってもらうものなのか」などを深くしっかりと決めておくといい。
また、全員に好かれるノベルティグッズではなく、一部の界隈に刺さるグッズをつくるのは効果的だなと昨年のイベントで実感した。
弊社の場合はキーボードキャップをイベントに持っていったのだけれど、これが自作キーボード界隈の方々に予想以上に喜んでもらえた。(ただ、このキーキャップに関してはターゲットを狙って制作したわけではない。偶然の産物)
渡すだけでは意味がない
前の章と被る部分もあるのだけれど、ノベルティグッズは渡すだけでは意味がない。自社の宣伝や採用につなげるべきなのである。
もちろん来てくれた人のためにつくる気持ちを忘れてはいけないが、あくまで会社のお金を使って制作していることを考えねばならない。もしグッズづくりで成果がでなければ、来季は予算がでない可能性もある。
なので、「喜んでもらえる」×「企業のPRになる最大値」を探らなければならない。これが本当に難しくて正解がわからない……
例えば、「自社のロゴが入っただけのデザインだと他社の人はもらっても興味が持てなさそう」なのであれば「イベントのロゴもデザインに加えて思い入れを持ってもらう」とか。
あとはグッズと企画をかけ合わせて、「グッズをプレゼントする代わりに公式Twitterをフォロー」などの条件をつけるとかの工夫が必要かなと。
消え物はSNSですぐにつぶやける
食べ物や飲み物などは消費がしやすいうえに、即時性があるのでSNSで感想をつぶやきやすくてよさそうだった。
会場当日のSNSの盛り上がりを期待してグッズを作るのであれば、消え物を 1つは用意しておくといいかもしれない。飲みものはイベント会場に行くと欲しくなるしね。ただこれも相当にクオリティが高くないとダメなんだけどね……
イベントにくる人たちの属性を考える
これは私自身の失敗談。そのイベントに来る人達の属性と好みを頭に入れておくべきだ。
上記のゴムマットは「フォトスポット作っておけばSNSで盛り上がりそう!」と思って制作した。しかし、エンジニアイベントに持っていくと、見てくれる人はいるもののSNSにあげてくれる人はかなりの少数だった。本当に少数。
よくよく考えたらエンジニアイベントに来る人たちって、フォトスポットよりも技術が好きで来てるんですよね。
フォトスポットに興味を持つかと言われたら、微妙なラインだ。noteのことが好きでnoteオフィスに来た人ならフォトスポットも盛り上がったかもしれない。
フォトスポット自体が失敗だったわけではなく、イベントに来る人たちの属性をきちんと考慮できていなかったのが失敗だった。属性を考えて作ったのならフォトスポットももっと成功していたかもしれない。
そもそもどんなグッズが作れるのか把握する
グッズを考えてから業者を探し出すと、予算や納期の関係で手戻りが発生する可能性がある。
グッズの構想をしていると夢ばかり広がるので、現実の情報をある程度は把握しておくといい。「Tシャツならxxxx円で作れる」などの情報が頭にあるだけで円滑に進む。
また、他社の過去ブースやグッズの情報収集をしておくと傾向がわかって勉強になる。
(毎年必ずブースのレポは誰かがあげてくれる。ちなみに↑は私が書いたもの)
なるべく早くつくる
納期ギリになるとまじで大変だし、いろんな人に迷惑をかける。しかも業者がつくる値段も上がる。早めにつくることに越したことない。これは本当に去年の大反省。いろんな人に迷惑かけた。懺悔。本当に申し訳ない。
合わせて制作の流れを確認しておいたほうがスムーズに進む。デザイナーへの依頼、予算申請、エンジニアにグッズの確認……などステークホルダーや誰がボールを持つのかをハッキリさせておくとやりやすい。
私は去年、デザイナーの方と一緒に制作したときに、どっちがどのボールを持っているのかわからずに混乱した。「発注は俺がやるんだっけ?」「あれ?予算の申請ってどっちかやった?」みたいな状態になってしまった。本当に申し訳ない……
終わり:グッズ制作は難しい
ノベルティグッズを1回つくってみると奥が深いことがよくわかる。
人を喜ばせることに加えて、PRになることを考えるとダブル役満だすくらい難しい。
ただ、正解はないと思う。自分たちの納得するものができれば勝利だし、喜んでくれる人がいたら優勝だと思う。
難しいけど楽しいし、やっぱりエンジニアブースの対応っておもしろい。みなさん今年もがんばりましょう!(今年もデザイナーには迷惑をかけることを先に懺悔しておく)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?